貯金は平均いくら?中央値は?年齢別に解説
いくら貯金できるかは年収だけでなく、年齢や世帯構成により異なります。
20代の一人暮らしと30代・40代の子育て世代、夫婦二人暮らしと共働き世帯など、世帯ごとにさまざまです。
年代別の貯金の平均と中央値、さらに何割を貯金すればいいかについて、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」をもとにご紹介します。
※本記事は2023年6月20日時点の情報を元に作成されています。
そのため、記事を閲覧いただく時期によっては、記載内容が実際の内容と異なる場合がございます。
あらかじめご了承いただけますようお願いいたします。
目次
- 【年齢別】貯金の平均と中央値
- 20代ひとり暮らしは平均176万円
- 家族世帯
- 夫婦ふたりの世帯の場合
- 共働き世帯の場合
- 【20代】一人暮らしの貯金の平均は?手取りの何割?
- 貯金ゼロが最も多い
- 手取りの16%を貯金
- 【30代】家族世帯、貯金の平均は?手取りの何割?
- 貯金ゼロ世帯は約1/4
- 手取りの14%を貯金
- 【40代】家族世帯、貯金の平均は?手取りの何割?
- 貯金ゼロは約1/4
- 手取りの12%を貯金
- 【50代】家族世帯、貯金の平均は?手取りの何割?
- 貯金ゼロは約1/4
- 手取りの13%を貯金
- 【老後】貯金の平均は?1ヶ月の生活費は?
- 1ヶ月の生活費は30万円
- まとめ
【年齢別】貯金の平均と中央値
金融広報中央委員会が実施する「家計の金融行動に関する世論調査」によると、一人暮らし世帯の金融資産の平均は871万円、中央値100万円。※1
一方二人以上の世帯では、平均1,291万円、中央値400万円です。※2
一人暮らしと家族世帯の差が大きいことが分かります。
また貯金の額は年齢によっても異なります。
30代の金融資産の平均は一人暮らしで741万円、二人以上の家族世帯では526万円です。※1※2
50代では、一人暮らし1,775万円、家族世帯1,253万円。※1※2
年代別に、預貯金を含む金融資産の平均値と中央値をまとめました。
中央値とは…
データを数の小さい順に並べた時にちょうど、中央にくる値のこと。
少数の大きい数・小さい数に左右されることのない値です。
20代ひとり暮らしは平均176万円
年代別の貯金額について、一人暮らしの場合の金融資産の平均と中央値は以下の通りです。
【金融資産の平均(単身世帯)】(単位:万円)
年代 | 平均値 | 中央値 |
---|---|---|
20代 | 176 | 20 |
30代 | 494 | 75 |
40代 | 657 | 53 | 50代 | 1,048 | 53 | 60代 | 1,388 | 300 | 70代 | 1,433 | 485 |
※1 金融広報中央委員会/令和4年「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」より作成
一人暮らしの金融資産の平均は年齢とともに増加するようで、20代では176万円、70代は1,433万円です。
50代以降は、1,000万円を超えています。
一方中央値は、20代は20万円、50代までは100万円以下。
60代300万円、70代でようやく約500万円に到達します。
平均値と中央値の差は50代以降1,000万円以上を示しており、高額資産を保有している少数が平均値を引き上げていると言えそうです。
家族世帯
次に、二人以上世帯の平均と中央値をまとめました。
二人以上世帯の金融資産は、どの年代でも一人暮らしより多いことが分かります。
【二人以上世帯の貯金の平均】(単位:万円)
年代 | 平均 | 中央値 |
---|---|---|
20代 | 214 | 44 |
30代 | 526 | 200 |
40代 | 825 | 250 |
50代 | 1,253 | 350 |
60代 | 1,819 | 700 |
70代 | 1,905 | 800 |
※2 金融広報中央委員会/令和4年「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」より作成
二人以上世帯の金融資産の平均は年齢とともに増え、20代214万円、70代は1,905万円です。
一人暮らし同様、50代以降で1,000万円を超えています。
一方、より実態に近い中央値も年齢とともに増加しており、30代は200万円、40代250万円、50代350万円、60代700万円、70代では800万円です。
夫婦ふたりの世帯の場合
- 平均値…1,487万円※2
- 中央値…500万円※2
夫婦二人暮らしの世帯は、家計にゆとりのある印象の通り貯金も少なくありません。
金融資産の平均は約1,500万円、中央値は500万円です。
子どもがいる世帯は、平均1,219万円、中央値450万円。
夫婦ふたりの世帯は、平均・中央値とも多いことが分かります。
共働き世帯の場合
- 平均値…1,052万円※2
- 中央値…350万円※2
夫婦共働きの金融資産の平均は1,052万円、中央値350万円。
一方、世帯主のみが働く世帯は、平均1,158万円、中央値300万円です。
共働きより世帯主のみが働く世帯の方が平均値は高いという結果です。
ただし中央値を見てみると共働きの方が50万円高く、実態は共働きの方が金融資産は多いと考えられます。
次章からは、年代別の貯金について詳しく見ていきましょう。
※1 金融広報中央委員会/令和4年「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」/2023年6月23日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/tanshin/2022/22bunruit001.html
※2 金融広報中央委員会/令和4年「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」/2023年6月23日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari2021-/2022/22bunruif001.html
【20代】一人暮らしの貯金の平均は?手取りの何割?
20代一人暮らしの金融資産は、平均176万円、中央値20万円です。
まだ貯金への意識も低く、金融資産を持たない人の割合も他の世代よりも多いようです。
貯金ゼロが最も多い
※1金融広報中央委員会/令和4年「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」より作成
貯金ゼロの割合は43%、100万未満の23%と合わせると、20代の2/3は金融資産が100万円未満だと分かります。
手取りの16%を貯金
手取り収入(臨時収入を含む)の何割を貯金したかをみると、令和4年の調査では「貯金しなかった」との回答が最も多く1/3を占めています(金融資産を持つ世帯が対象)。
約半数は、手取りの10%未満(貯金しなかったを含む)です。
貯金をした人のうちでは手取りの35%以上が最も多く、貯金した人としていない人に分かれることが分かります。
【手取り収入に対する貯金の割合】(単位:%)
平均 | 16 |
---|---|
貯蓄しなかった | 31.8 |
5%未満 | 4.4 |
5~10% | 11.3 |
10~15% | 14.8 |
15~20% | 1.6 |
20~25% | 9.1 |
25~30% | 2.8 |
30~35% | 8.2 |
35%以上 | 16.0 |
※1 金融広報中央委員会/令和4年「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」より作成
※1 金融広報中央委員会/令和4年「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」/2023年6月23日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/tanshin/2022/22bunruit001.html
【30代】家族世帯、貯金の平均は?手取りの何割?
30代の二人以上世帯の平均は526万円、中央値200万円です。
貯金ゼロ世帯は約1/4
貯金ゼロの世帯の割合は約24%。
30代でも最も多いのは、この貯金ゼロの世帯です。
貯金ゼロを含む金融資産300万円以下の世帯が、約半数を占めています。
※2金融広報中央委員会/令和4年「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」より作成
手取りの14%を貯金
手取り収入(臨時収入を含む)の何割を貯金したかを見てみましょう。
令和4年の調査では「貯金しなかった」との回答が最も多く2割を超えています(金融資産を持つ世帯対象)。
貯金が手取りの10%未満(貯金しなかったを含む)の世帯の割合は約4割です。
【手取り収入に対する貯金の割合】(単位:%)
貯蓄しなかった | 22.1 |
---|---|
5%未満 | 6.1 |
5~10% | 12.8 |
10~15% | 21.3 |
15~20% | 5.1 |
20~25% | 14.8 |
25~30% | 2.6 |
30~35% | 7.5 |
35%以上 | 7.7 |
※2金融広報中央委員会/令和4年「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」より作成
※2 金融広報中央委員会/令和4年「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」/2023年6月23日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari2021-/2022/22bunruif001.html
【40代】家族世帯、貯金の平均は?手取りの何割?
40代の二人以上世帯の保有する金融資産の平均は825万円、中央値250万円です。
貯金ゼロは約1/4
40代でも最も多いのは貯金ゼロの世帯で、その割合は26%。
30代同様、貯金ゼロを含む金融資産300万円以下の世帯が約半数を占めています。
※2金融広報中央委員会/令和4年「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」より作成
手取りの12%を貯金
令和4年の調査では、「貯金しなかった」との回答が最も多く2割を超えています(金融資産を持つ世帯が対象)。
貯金が手取りの10%未満(貯金しなかったを含む)の世帯の割合は約5割を占めており、過半数は10%未満だと分かります。
貯金をした世帯で最も多かった割合は、手取りの10~15%です。
【手取り収入に対する貯金の割合】(単位:%)
貯蓄しなかった | 21.5 |
---|---|
5%未満 | 9.3 |
5~10% | 16.7 |
10~15% | 21.5 |
15~20% | 4.2 |
20~25% | 12.6 |
25~30% | 1.4 |
30~35% | 5.1 |
35%以上 | 7.6 |
※2金融広報中央委員会/令和4年「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」より作成
※2 金融広報中央委員会/令和4年「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」/2023年6月23日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari2021-/2022/22bunruif001.html
【50代】家族世帯、貯金の平均は?手取りの何割?
50代の二人以上世帯の持つ金融資産の平均は1,253万円、中央値350万円です。
貯金ゼロは約1/4
上記の通り、50代になると金融資産の平均は1,000万円を超えています。
一方50代でも貯金ゼロの世帯が最も多く、その割合は24%。
貯金ゼロを含む400万円以下の世帯が約半数を占めています。
※2金融広報中央委員会/令和4年「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」より作成
手取りの13%を貯金
令和4年の調査では、50代でも「貯金しなかった」との回答が1/4を占め最多です(金融資産を持つ世帯が対象)。
金融資産が手取りの10%未満(貯金しなかったを含む)の割合は約半数を占めています。
【手取り収入に対する貯金の割合】(単位:%)
貯蓄しなかった | 25.6 |
---|---|
5%未満 | 7.0 |
5~10% | 15.1 |
10~15% | 22.7 |
15~20% | 4.7 |
20~25% | 9.6 |
25~30% | 1.2 |
30~35% | 5.6 |
35%以上 | 8.7 |
※2金融広報中央委員会/令和4年「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」より作成
※2 金融広報中央委員会/令和4年「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」/2023年6月23日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari2021-/2022/22bunruif001.html
【老後】貯金の平均は?1ヶ月の生活費は?
60・70代の金融資産の額はゼロが最も多く、次いで多いのが3,000万円以上。
どちらも約2割を占めておりゼロか3,000万円以上か、差があるようです。
※2金融広報中央委員会/令和4年「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」より作成
1ヶ月の生活費は30万円
同じく「家計の金融行動に関する世論調査」を見てみると、家族世帯の老後のひと月の生活費は、60代31万円・70代33万円です。※2
生活費の資金源は、
- 公的年金、企業年金・個人年金など※2
- 就業による収入※2
- 金融資産の取り崩し※2
のようです。
多くの世帯では、公的年金等では足らず、仕事を続けるか金融資産を切り崩しながら生活をしている様子がうかがえます。
※2 金融広報中央委員会/令和4年「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」/2023年6月23日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari2021-/2022/22bunruif001.html
まとめ
「家計の金融行動に関する世論調査」をもとに、年代別の貯金額の平均と中央値をご紹介いたしました。
どの年代も、貯金をしていない割合が最も多く、貯金をしている人としていない人に分かれるようです。
また手取りに対しての貯金の割合は、どの年代も貯金をしていないが多いものの、している中では10~15%が多いようです。
貯金の割合は、手取りの10~15%を目安にしてもよさそうですね。
※本記事は2023年6月20日時点の情報を元に作成されています。
そのため、記事を閲覧いただく時期によっては、記載内容が実際の内容と異なる場合がございます。
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