貯金ゼロの割合は?貯金なしから貯める家計見直しのコツ

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最近、多いと言われる貯金ゼロ世帯。
全く貯金なしの人は、どれくらいの割合いるのでしょうか。
貯金なしの生活は、いざという時や老後生活が不安です。
ここでは、20代から50代までの年代別に金融資産のない人の割合を確認し、貯金の目的別に貯金ゼロから貯めるコツをご紹介します。

 

目次

  1. 貯金ゼロの人、実は少ない?!貯金ゼロとは…
    • ひとり暮らしの20代、貯金ゼロは6.5%
    • 30代は他の年代より貯めている?!
    • ひとり暮らしの40代・50代、金融資産なしが1/3以上
  2. 貯金なし生活から脱却!貯まる家計になるには?
  3. 30歳貯金ゼロ、結婚までにいくら貯める?
    • 結婚費用は、いくら必要?
  4. 30代で貯金ゼロ、マイホーム費用はどう貯める?
    • 家族世帯は保険や個人年金で備えている
    • マイホームに必要な自己資金
  5. 50代の貯金事情、いまから貯める老後資金
  6. まとめ

貯金ゼロの人、実は少ない?!貯金ゼロとは…

テレビやインターネットで、「貯金がない人も多い…」「老後が不安…」といったニュースを一度は見たことがある人もいるのではないでしょうか。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、貯金が全くない貯金ゼロの人は、1割未満と少数派です。
預貯金の残高に余裕のない「貯金ゼロ」世帯は20人に1人未満。※1※2
家族世帯のうち1.5%、ひとり暮らしの約5%です。※1※2

 

一方、将来に備えた金融資産を持たない人は、ひとり暮らしを中心に一定数いることが同調査から分かっています。
家族世帯全体の約16%、ひとり暮らし全体の約36%は、運用に回す資金や将来に備えた金融資産を持っていないようです。※1※2

 

【貯金ゼロ世帯の割合】単位:%

家族世帯 ひとり暮らし世帯
貯金ゼロ 金融資産なし 貯金ゼロ 金融資産なし
全体 1.5 16.1 5.1 36.2
20歳代 0.0 16.0 6.5 43.2
30歳代 1.7 8.2 3.9 31.1
40歳代 1.4 13.5 4.8 35.5
50歳代 2.8 13.3 6.1 41.0
60歳代 0.8 18.3 4.1 29.4

※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」単身世帯・二人以上世帯より作成※1※2

 

注)貯金ゼロの定義

貯金ゼロとは、普段使う預貯金口座にも残高がない状態のことです。

一方、金融資産なしとは、将来に備えた運用や預貯金を持っていないという意味です。
日常的に使っている口座で、生活費の出入金に備える残高は含まれません。※2
金融資産を持たない人でも、生活費に使う預貯金口座には残高がある人も多いものです。
ただ金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」の定義では、生活費の口座に引き落としに備える残高があっても、金融資産には含まれていません。

 

ひとり暮らしの20代、貯金ゼロは6.5%

20代のひとり暮らし世帯は、貯金ゼロが6.5%、金融資産なしが43.2%と全年代の中では最も貯金なしの割合が多いことが分かります。
金融資産を持たない人が約4割と珍しくはない状況です。

 ひとり暮らしのうちは、まだ具体的な貯金の目標を持ちづらく、なかなか貯められないこともあるかもしれません。
20代であっても、家族世帯では貯金ゼロの人はいません。
家庭を持つと、マイホーム資金や子育て費用など将来に備える様子が伺えます。

 

30代は他の年代より貯めている?!

30代では、ひとり暮らし・家族世帯どちらも金融資産なしの割合が他の年代よりも低い傾向にあります。
特に家族世帯では、金融資産なし世帯は1割未満です。
生命保険など保険商品や個人年金などを持つ割合が増えています。
30代が持っている金融資産については、後ほど詳しく解説します。

 

ひとり暮らしの40代・50代、金融資産なしが1/3以上

ひとり暮らしの40代・50代は、金融資産がない人も珍しくはないようです。
40代で35%、50代41%と、ひとり暮らしのおよそ3人に1人は将来に備える金融資産を持っていないことが分かります。
家族世帯も13%は将来への備えがない状態です。
50代は、ひとり暮らし・家族世帯とも貯金ゼロの割合が30~40代よりも増えています。
金融資産がない人も珍しくはないとはいえ、そのまま老後を迎えるのは不安もあるでしょう。
次章では、貯金ゼロから将来に備える貯金のコツをご紹介します。

 

※1 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)/金融広報中央委員会/2021年9月8日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2020/20bunruif001.html
※2 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)/金融広報中央委員会/2021年9月8日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/tanshin/2020/hist.html

貯金なし生活から脱却!貯まる家計になるには?

貯金ゼロ生活に終止符を打ち、少しずつでも貯金を殖やすには、どうしたらよいのでしょうか。
まずは、家計の収支を把握することが大切です。

 

【お金を貯めるコツ】

  • 家計を把握して黒字化する※3※4
  • 貯金の目的を明確にする※4
  • 先取り貯金を取り入れる※3
  • 固定費を定期的に見直す※5

 

・家計を把握して黒字化する

毎月貯金できる状態とは、入ってくるお金が出ていくお金を上回っているということ。
当たり前ですが、いまの家計の状態を知らなければ黒字化は難しいものです。
お金を貯めるには、まずは毎月いくら入ってきて、いくら使っているのかを把握することから始めましょう。
お金の流れを把握するには、家計簿が便利です。
家計簿をつけるのが面倒という方は、家計簿アプリやスマホ決済を使うと簡単に家計簿がつけられます。

 

・貯金の目的を明確にする
貯金の目的がある方が貯まりやすいと言われています。※4
近い将来の結婚資金やマイホーム資金でもいいですし、中長期的に貯める老後資金でもいいでしょう。
このうち誰にでも必要なのは、老後資金です。※3※4
20代30代は、老後と言われてもまだピンとこないかもしれませんね。
ただ早いうちから貯めておけば、マイホーム資金や子供の教育費が必要になる40代50代のやりくりが楽になるはずです。
漠然と「将来のために貯めよう」と考えているのであれば、いったん老後資金と考えておくのもよいかもしれませんね。

 

・先取り貯金を取り入れる
毎月余ったお金を貯金する方法では、決まった金額を貯めるのは難しいものです。※3※4
給料天引きで貯める「先取り貯金」をすれば、毎月決まった額を半強制的に貯金できます。
貯金の余りのお金で生活するので、無駄遣いも減らせるかもしれません。
銀行口座の自動積立定期預金だけでなく、会社の制度である財形貯蓄、税制優遇のあるiDeCo(イデコ)やつみたてNISAなども先取り貯金の1つです。

 

・固定費を定期的に見直す
毎月の家計が赤字だったり、目標金額を貯金するのが難しかったりすることもあるでしょう。
そんな時は、大きな支出から見直すのが効果的だと言われています。※5
毎日食費をコツコツ節約するよりも、家賃や教育費、保険料などを見直す方が、家計も楽になるはずです。
家賃や保険料は、ライフステージで変化します。
子育て中と子供の独立後では、必要な家の広さや保険の保障は異なりますよね。
その時々に合ったものに変えていく柔軟な姿勢が、固定費の削減につながる場合もあります。※5
契約しているものが、いまの自分に合っているかどうか、一度確認してみましょう。


貯金ゼロから貯めるには、貯まる家計の仕組みづくりが重要です。
家計の棚卸をして、収支を把握しておきましょう。
日々の生活費を節約する前に、先取り貯金や固定費の見直しを検討するのが、貯金なし生活脱却の近道かもしれません。
次章からは、年代や貯金の目的別に、お金を貯めるコツをご紹介していきます。

 

※3 家計管理の基本の「キ」は天引き貯蓄 ─ Let'sチョイ読み!お金の知恵の活かし方|知るぽると/2021年9月8日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/knowledge/deposit/choiyomi/choiyomi024.html
※4 II. お金の知恵 ─ 大学生のための 人生とお金の知恵|知るぽると/2021年9月8日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/knowledge/deposit/daigakusei/daigakusei012.html
※5 Ⅱ 見えた「課題」に向き合う ─ 大人のための お金と生活の知恵|知るぽると/2021年9月8日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/knowledge/deposit/otona/otona002.html

30歳貯金ゼロ、結婚までにいくら貯める?

ひとり暮らしの20代で全く貯金をしていない人は6.5%です。
他の世代よりは多い傾向にあるもの、貯金ゼロは少数派です。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、20代ひとり暮らし世帯のうち、預貯金口座に残高がある人の平均残高は68万円です。(運用資金などの金融資産を持たない人のうち、預貯金口座に残高がある人の平均額)※2
つまり20代でも銀行口座にお金を残せている人もいることがわかります。

30歳までの貯金の目的として、結婚費用を貯めたいという人もいるでしょう。

結婚資金はどれくらいかかるのでしょうか。

結婚費用は、いくら必要?

20代から30代にかけて、近い将来の資金として気になるのが結婚資金ではないでしょうか。


結婚を考えると、貯金が全くないと心細いかもしれません。
ただ結婚は親の援助を受ける人も多く、結婚式に際し必要な自己資金の目安は50万円前後と考えられます。

民間企業が実施した2020年の結婚に関するアンケート調査では、結納から新婚旅行までの結婚費用の総額は全国平均で469万円です。※6

 

結婚式をした人のうち13.3%は貯金なしで結婚式を挙げています。※6
結婚にあたり親からの援助があった人は約79%となっており、援助の総額は平均192万円です。※6
多くの人が、結婚費用の一部を親に助けてもらっていることが分かります。

 

結婚費用の平均額から親の援助を引くと、不足額は280万円ほどです。

このうちの多くはご祝儀でまかなえるので、実際に自分たちで支払う額は多くはありません。
ご祝儀の平均額は228万円ですので、必要な自己資金は約50万円です。
貯金ゼロの場合、まずは50万円を目標に貯め始めてみてはいかがでしょうか。

 

※2 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)/金融広報中央委員会/2021年9月8日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/tanshin/2020/hist.html
※6 ゼクシィ結婚トレンド調査 2020 ゼクシィ首都圏版/株式会社リクルートマーケティングパートナーズ/2021年9月8日現在
https://souken.zexy.net/data/trend2020/XY_MT20_report_06shutoken.pdf

30代で貯金ゼロ、マイホーム費用はどう貯める?

30代の家族世帯では、金融資産を持たない世帯が1割未満と少数です。
預貯金の残高以外にも、運用や保険など何かしらの将来への備えをしていることがわかります。
どのような備えをしているのでしょうか。

 

家族世帯は保険や個人年金で備えている

30代が持っている金融資産は、家族世帯・ひとり暮らしとも預貯金がメインです。
ただ家族世帯は積立型の保険の保持率が68%と、3人に2人が積立型の保険に加入していることが分かります。※2
一方、株式や投資信託など運用型の商品は、家族世帯・ひとり暮らしとも20~25%と多くはありません。

 

【30代が保有している金融商品】単位:%

二人以上世帯 ひとり暮らし世帯
預貯金
(普通預金の貯金を含む)
97.8 95.9
金銭信託
(ヒットなど)
2.2 4.1
積立型保険商品
(生保・損保)
68.0 17.4
個人年金保険 32.0 16.9
債券 3.5 4.8
株式 27.3 23.5
投資信託
(MRF、MMF、REITなどを含む)
21.2 20.5
財形貯蓄 21.2 7.8
その他
(金貯蓄口座、金融派生商品など)
2.6 5.9
いずれも保有していない 1.7 3.9

※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」単身世帯・二人以上世帯より作成※1※2

マイホームに必要な自己資金

30代の家族世帯では、近い将来マイホームを検討している人もいるのではないでしょうか。
マイホーム購入に向けて、将来のためにも頭金の目安は知っておきたいところです。

最近は住宅ローンの金利が低いこともあり、頭金なしで全額借入できる金融機関もあります。
ただ全く貯金がない状態でマイホームが買えるかは、家計次第です。
借りられても返せるとは限りません。

一般的に、頭金の目安は物件価格の20%程度とも言われています。※7

 さらにマイホーム購入には諸費用もかかります。
税金や手数料などの諸費用が必要で、諸費用は物件の3~7%が目安です。※7
諸費用や頭金、引っ越しの費用を考えると、ある程度まとまった金額が手元に必要になるでしょう。
上記の目安を当てはめると、3,000万円の物件を購入する場合、頭金と諸費用の目安は800万円です。
お住まいの地域の物件価格と自分の収入から、貯めるべき金額の目安を算出してみてください。

 

※1 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)/金融広報中央委員会/2021年9月8日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2020/20bunruif001.html
※2 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)/金融広報中央委員会/2021年9月8日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/tanshin/2020/hist.html
※7 自分の城を手にいれる住宅ローン 虎の巻/一般社団法人全国銀行協会/2021年9月8日現在
https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/education/free_publication/pamph/lps/jutaku0223.pdf

50代の貯金事情、いまから貯める老後資金

50代は、リタイア後の生活が頭をよぎる世代ではないでしょうか。
これまでは、教育費や住宅ローンの支払いで思うように貯金ができなかった…という人も、いよいよ自分の老後資金と向き合わなければなりません。
ただ50代でも、金融資産がない家族世帯は13%、ひとり暮らしでは41%です。※1※2

家族世帯の金融資産平均保有額は、1,684万円、中央値は800万円。
一方ひとり暮らし世帯では、平均保有額924万円、中央値は30万円です。
全体的に貯金をしている人としていない人の差は大きいものの、特にひとり暮らし世帯では貯金がない人も多いことが分かります。

 

では、50代はどのような金融資産を持っているのでしょうか。

50代の保有している金融商品を見ると、30代よりも積立型の保険は減り、個人年金保険の加入割合が増えています。※1※2
積立型の保険は68%から59%に減り、個人年金は32%から37.5%に増えているのです。

 

【50代が保有している金融商品】単位:%

二人以上世帯 ひとり暮らし世帯
預貯金
(普通預金の貯金を含む)
95.9 93.4
金銭信託
(ヒットなど)
1.8 3.8
積立型保険商品
(生保・損保)
58.9 25.1
個人年金保険 37.5 25.3
債券 3.2 5.3
株式 25.7 22.5
投資信託
(MRF、MMF、REITなどを含む)
19.1 18.5
財形貯蓄 21.1 5.1
その他
(金貯蓄口座、金融派生商品など)
5.1 6.6
いずれも保有していない 2.8 43.2

※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」単身世帯・二人以上世帯より作成※1※2

※1 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)/金融広報中央委員会/2021年9月8日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2020/20bunruif001.html
※2 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)/金融広報中央委員会/2021年9月8日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/tanshin/2020/hist.html

まとめ

ひとり暮らしを中心に、運用などの金融資産を持たない人もいます。
20代と50代のひとり暮らしでは4割超が該当しており、決して少なくはありません。
金融資産を持たないと、心配なのは老後資金です。
老後資金を貯めるには、家計を把握し、貯金の目標額を算出しましょう。
先取り貯金などを活用すると、貯金なし生活から貯め体質に変われるはずです。
自分のライフスタイルに合った貯め方を試していきましょう。

 

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