肌荒れは食べ物にも原因が!内側から肌ケアする食事と生活習慣

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肌荒れは、食べ物とも関係があります。
原因となる食べ物を控え、肌のケアになる食べ物を積極的に摂りたいものです。
今回は、肌荒れの原因となる食べ物、改善や予防になる食事を紹介していきます。

目次

  1. 肌荒れと食べ物の関係
    • 肌荒れと腸内細菌
  2. 肌荒れの原因となる4種類の食べ物
    • 肌荒れの大敵「ジャンクフード」
    • 「加工食品」は栄養バランスが偏る
    • 「食品添加物」が使われている食べ物
    • 甘い食べ物
  3. 肌荒れの改善に役立つ6種類の食べ物
    • 食物繊維を多く含む食べ物
    • 発酵食品
    • ビタミンA(ベータカロテン)を多く含む食べ物
    • ビタミンCを多く含む食べ物
    • ビタミンB1・B2を多く含む食べ物
    • タンパク質を多く含む食べ物
    • コンビニで選ぶ肌荒れ対策の食べ物
  4. 肌荒れを予防するために気を付けたい3つの食生活
    • 夜遅い時間の食事
    • 習慣的な飲酒
    • 和食を中心とした食事にシフトする
  5. 生理前や生理中に気を付けたい食べ物や食生活
    • 女性ホルモンが与える肌への影響
  6. まとめ

肌荒れと食べ物の関係

鏡を見た時やお化粧をした時に、誰でも自信が持てるお肌が欲しいですよね?
肌の状態を整えようと思ったら、外側からのスキンケアだけではうまくいきません。
なぜなら、肌荒れの原因は、大きく分けて2つの原因があるからです。
1つは、間違ったスキンケアや季節的な乾燥や紫外線などの外側の原因による肌荒れ
もう1つは、ストレスや睡眠不足、栄養バランスの偏りなどの内側からくる肌荒れです。
「スキンケアはこまめにしているのに肌荒れが改善しない!」という方は、2つ目の内側からくる肌荒れかもしれません。
肌荒れの改善には、外側からのケアだけでなく、生活習慣を改善した内側からのケアを行うことが重要になります。
内側からのケアとして重要なのが「食べ物」です。
偏った食生活により、肌の健康と深い関係のある「腸」の中にいる「菌」も偏ってしまい、肌荒れの一因となってしまいます。

肌荒れと腸内細菌

人間の腸内に存在する腸内細菌が、肌の健康に関わっています。※1
代表的な腸内細菌は、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」で、それぞれ異なる働きをしています。
美しい肌をつくるためには、この腸内細菌の働きが欠かせません。
ですが、肌トラブルが起きている時は、この腸内細菌のバランスが乱れている可能性があります。※1
腸内細菌を整えるために重要なこと、それが「食べ物」です。

・腸内細菌の種類
善玉菌:消化吸収や免疫といった健康に良い影響のある菌です。
悪玉菌:腸の腐敗や細胞毒素の産生に関係のある、身体に悪い影響を与える菌です。
日和見菌:身体が健康な時にはなにも影響がありませんが、身体が弱っているときに腸内で悪い働きをする菌のことです。※2

※1「医者が教える最高の美肌術」/著書:小林暁子/株式会社アスコム/2018年8月発行
※2「食物繊維を摂ろう! 代表的な腸内細菌」/大塚製薬/2019年8月11日現在
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/fiber/for-body/intestinal-flora/ 

肌荒れの原因となる4種類の食べ物

食べ物が原因で肌荒れになることは、お分かりいただけましたでしょうか。
「偏った栄養」が肌荒れにつながりますが、具体的に控えたい食べ物を4種類ご紹介します。

肌荒れの大敵「ジャンクフード」

みなさんは、週に何回くらいジャンクフードを食べていますか?
カップラーメン、コンビニのお弁当やスナック菓子、炭酸飲料などの清涼飲料水もジャンクフードの仲間と言われています。
ジャンクフードには、脂質・糖質・食品添加物がたくさん入っています
高カロリーな上に、栄養価は低く、健康的とは言えない食べ物です。※1
会食などで外食が多い人、コンビニ弁当をよく食べる人、手間がかからない加工食品などをよく食べる人は注意が必要です。
ジャンクフードが身体に悪いからといっても、全く口にしてはいけないということではありません。
重要なのは食べる量です。
食べ過ぎないこと、または食べ方を工夫しながら食べることが重要です。

「加工食品」は栄養バランスが偏る

加工食品とは、缶詰・レトルト食品・肉加工・冷凍食品・インスタント食品などの、食品に処理や加工を施したものを言います。
調理済みから途中まで調理が終わっている半調理済みまであるので、料理の時間も短縮になり、手軽で比較的安値という利点があります。
ただ、加工食品はビタミンが少なく、糖質や脂質、塩分などが多く含まれているものがあるので、過剰摂取にならないようにバランスよく食べるのが重要です。※3

「食品添加物」が使われている食べ物

食品添加物とは、保存料・甘味料・着色料・香料など食品の製造過程または、食品の加工や保存の目的で使用されるものです。
食品の色をきれいにして美味しそうに見せる着色料や、食品を日持ちさせるための保存料、低カロリーでも甘味をつけることができる人工甘味料などがありますね。
食品添加物を使用することによって食品は、日持ちするので便利です。
しかし、食品添加物は、体内に蓄積され続け、正常な細胞の機能サイクルを低下させるといわれています。※4
現代人の多忙なライフスタイルにおいては、便利な加工食品に頼ることはある程度は仕方がない部分もあります。
そのため、食品添加物の摂取を減らす工夫を紹介します。

・食品添加物の摂取を減らす方法
①賞味期限が短い食品を選ぶ
加工食品の中でも保存料や防腐剤が少ないものを選びたいところですね。
②原材料表示を見る
市販の食品を買う際、原材料表示を見たことはありますか?
できるだけ食品添加物が少ない食品を選べるよう、表示はチェックする習慣をつけましょう。
③湯通しや水洗いをする
調理前にひと手間加えることによって、身体の中に入る食品添加物の量を減らすことができます。
例えば中華麺に添加されているリン酸塩は湯通しすることにより、ゆで汁に流れ出るといわれています。
④免疫力が高まる食品を摂る
食物繊維や発酵食品は、腸内環境を整えて免疫力を高めることができます。
積極的に摂りたい食材です。

甘い食べ物

つい、仕事や家事をしながらチョコレートやキャンディなどの甘いものをつまんだりしていませんか?
少量なら大丈夫と油断しがちですが、ちょこちょこ断続的に食べることにより血糖値が上がりっぱなしになってしまいます。
このちょこちょこ継続的に食べる習慣を作ってしまうと「糖化」といって、身体の老化を速め、肌トラブルも引き起こしやすくなります。※1
甘いものはゆっくり味わいながら1回で食べきるようにしましょう。
甘いものの中でも、特に気を付けたい食べ物が「菓子パン」と「ノンシュガー」です。
①菓子パン
手軽に食べられる菓子パンですが、成分のほとんどが糖質
食後の血糖値を急上昇させてしまいます。
②無糖やノンシュガー表記の食べ物
これらの表示があっても、まったく糖分が含まれていないというわけではありません。
また砂糖が使われていなくても、食品添加物である人工甘味料が使われていることも多いので気を付けましょう。

※1「医者が教える最高の美肌術」/著書:小林暁子/株式会社アスコム/2018年8月発行
※3「加工食品」e-healthnet/2019年8月16日現在
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-017.html
※4「食品添加物」/厚生労働省/2019年8月7日現在
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/index.html 

肌荒れの改善に役立つ6種類の食べ物

次に、肌荒れの改善に役立つと言われている食べ物と栄養素についてご紹介していきます。

食物繊維を多く含む食べ物

腸内環境を整えるために重要なのが食物繊維です。
食物繊維には『不溶性食物繊維』と『水溶性食物繊維』があります。
不溶性食物繊維には、腸の蠕動運動を活発にし、便のカサを増やし排便を促す効果があります。
水溶性食物繊維には、善玉菌のエサとなる他に、血糖値の上昇やコレステロール増加を抑える効果があり、さらに便を柔らかくしてくれる効果があります。※1
便秘が改善されれば、細胞の新陳代謝がアップするので、吹き出物やニキビの改善にも効果的であると考えられます。

不溶性食物繊維: 穀物類・野菜・豆類・キノコ類・果物・海藻・甲殻類など
水溶性食物繊維: 昆布・わかめ・こんにゃく・果物・里いも・大麦

発酵食品

発酵食品には善玉菌がたっぷりで、腸内環境を整えてくれる効果があると言われています。※1
それぞれの菌が異なるので1種類だけではなく、さまざまな種類の発酵食品を摂るようにしましょう。

 発酵食品:味噌・漬物・納豆・甘酒・キムチ・ヨーグルトなど

ビタミンA(ベータカロテン)を多く含む食べ物

ベータカロテンは抗酸化作用が強く、肌荒れや老化を予防する作用があるといわれています。
摂取量の目安は、1日に100g以上と言われています。※5
油を加えた方がベータ-カロテンは吸収がよくなるので、炒めたり蒸したりする調理方法がオススメです!

 ビタミンA(ベータカロテン)を多く含む食材:緑黄色野菜(カボチャ・ニンジン・ホウレンソウ・トマト等)

ベータカロテンについては、変身する栄養素β-カロテンは、元気な体を支えている!!の記事で詳しくご紹介しています。

ビタミンCを多く含む食べ物

ビタミンCにも抗酸化作用があり、紫外線に抵抗する力があるといわれています。
また、保湿や美白、アンチエイジングに有効であり、肌荒れ対策になるといわれています。※5
ビタミンCは必要量以上摂取しても、不要な分は尿として排出されてしまうため摂りだめができません
少量ずつ毎日とるよう心がけましょう。
ビタミンCは熱に弱いので、生で食べるのがオススメです。
果物の場合は糖分が多いので摂りすぎには注意しましょう。

ビタミンCを多く含む食材:淡色野菜(キャベツ・もやし・キュウリ・玉ねぎなど)

ビタミンCについてはビタミンCを含む果物を食べて、元気な体を作りましょう!の記事で詳しくご紹介しています。

ビタミンB1・B2を多く含む食べ物

皮脂が多いと毛穴のつまりの原因となるため、肌荒れ対策には、皮脂分泌を抑える栄養素をとることが必要です。
ビタミンB1には炭水化物の代謝を助ける効果があると言われています。
炭水化物の代謝がうまくできないと皮脂が過剰に分泌されるので、ビタミンB1を摂ることによって皮脂の過剰分泌を抑える効果があります。
また、ビタミンB2には、皮脂の分泌をコントロールする作用があるので積極的に摂っていきたいですね。※5
カロリーを摂りすぎると皮脂が余分に分泌されてしまうので、ゆでる、煮るなど油を控えた調理方法がオススメです。

ビタミンB1:豚肉・ピーナッツ・うなぎ・たらこなど
ビタミンB2:レバー・うなぎ・納豆・卵など

タンパク質を多く含む食べ物

タンパク質は肌を作るもとになる栄養素。
タンパク質を摂ることでビタミンなどの栄養素を運用できるので必須な栄養素です。
また、適量食べることで代謝アップにもつながります。※4
1食あたり50g~60gを目安に摂る必要があります。
植物性タンパク質と動物性タンパク質を偏りのないよう、肉・魚・豆類など、まんべんなく摂っていきましょう。
脂質が気になる人は調理方法を蒸したりゆでたりシンプルにするといいですね。

たんぱく質を多く含む食べ物:肉・魚・豆類など

コンビニで選ぶ肌荒れ対策の食べ物

忙しい現代人にとって、上記で説明したものを毎食自分で用意することはなかなか難しいですよね。
そこで、コンビニで手軽に買えるものをご紹介します。

 ・ヨーグルト
乳製品に含まれるビタミンB2は肌の新陳代謝を促す作用があります。
また、ヨーグルトに含まれる乳酸菌には腸内環境を改善してくれる効果があります
・トマトジュース
トマトに含まれる、リコピンには抗酸化作用があると言われています。
・ナッツ
ナッツに含まれているビタミンEには血行を良くして肌の新陳代謝をよくする効果があると言われています。
脂質も高めなので、摂りすぎには注意しましょう
・ゆで卵
卵にはタンパク質・ビタミンAが含まれており、皮膚腺の機能を改善し、肌にうるおいを与えてくれることが期待できます。

※1「医者が教える最高の美肌術」/著書:小林暁子/株式会社アスコム/2018年8月発行
※4「食品添加物」/厚生労働省/2019年8月7日現在
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/index.html 
※5「素肌美人になれる 正しいスキンケア辞典」/吉木信子・岡部美代治・小田真規子監修/高橋書店/2010年4月発行

肌荒れを予防するために気を付けたい3つの食生活

夜遅い時間の食事

肌荒れを予防するためには、夜遅くに食事を摂ることは避けましょう。
肌の代謝は睡眠中に活性化するといわれており、美肌のためには、質の良い睡眠が欠かせません。
人間の身体には自律神経とよばれる働きが備わっています。
自律神経には、活動するときに優位になる交感神経とリラックスしているときに優位になる副交感神経の二つがあります。
この二つの自律神経をうまく切り替えてあげることが美肌のために重要です。
特に、夕食後の3時間は、副交感神経が活性化し、消化・吸収が盛んになります。
夕食後すぐに寝てしまうと血糖値が上昇したままになってしまいます。
そのため、夕食は、就寝の3時間前までに済ませ、内臓も休ませてあげましょう。
そして朝にはしっかり朝食を食べ、交感神経のスイッチをオンにしてあげることが必要です。※6

習慣的な飲酒

飲酒の習慣化も避けたいところです。
なぜなら、アルコールには利尿作用があるため、身体の水分が体外に排出され、脱水状態となります。
その結果、肌が乾燥し、皮脂の分泌を促してしまうのです。
また、アルコールを代謝する際には、皮脂の過剰分泌を抑える働きのあるビタミンB1 を使用するので、体内のビタミンB1不足にもつながります。

和食を中心とした食事にシフトする

肌荒れを予防するための食事内容としては、和食がオススメです。
欧米型の食事だとどうしても、動物性脂肪が多くなってしまいますよね。
和食は、低脂肪で高タンパクな食品を『一汁三菜』で、バランスよく食べることができます。
また、味噌や納豆、漬物といった腸が喜ぶ発酵食品を取り入れやすく、肌にやさしい食事と言えるでしょう。

※6「自律神経を整える最高の食事術」/著者:小林弘幸/宝島社/2018年7月発行/2019年8月15日現在

生理前や生理中に気を付けたい食べ物や食生活

生理前になるとニキビができたり肌が荒れたりと悩む女性も多いのではないでしょうか。
生理中に肌が荒れる原因は、女性ホルモンです。
女性ホルモンには、生理前に分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)と生理後に分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)というホルモンがあります。

女性ホルモンが与える肌への影響

この2つの女性ホルモンの肌への影響はこちらです。

 ・エストロゲン(卵胞ホルモン):ヒアルロン酸やコラーゲン産生を生成して、肌の弾力を保ち、潤いを与える。
肌のバリア機能が高まり、キメも整いやすいので、化粧ノリが良く、お肌が好調な状態です。
プロゲステロン(黄体ホルモン):男性ホルモンに似た作用を持ち、皮脂の分泌を活発にして、毛穴を詰まりやすくする。※7
生理前はプロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌されるので、皮脂の分泌が活発になり毛穴が詰まりやすく、肌トラブルが多く肌が荒れやすくなるのです。

 生理前になると甘いものが無償に食べたくなりますが、チョコレートやクッキーといった菓子類は糖質・脂質を多く含んでいます。
皮脂の分泌量を増やし、さらに毛穴を詰まりやすくする原因となるので、食べすぎは避けましょう。
生理中には、肌の代謝を助けるビタミンB群を多く含む食事を摂るといいでしょう。

 ※7「素肌美人になるためのスキンケア基本辞典」/著書:吉木伸子/池田書店/2005年11月発行

まとめ

肌荒れのない美肌を目指すためには、食べ物が重要です。
食べ物は、摂り方次第で、肌荒れの原因にも対策にもなります。
外側からのケアばかりに気を取られていても、肌荒れの改善は難しいものです。
食べ物に気をつけ、体の内側からのケアも忘れずに。
腸内環境を整えて、美しい肌を目指していきましょう!

監修者
栗原
看護師、保健師、アロマリンパオイルテラピスト
大学病院の総合外科で、消化器・呼吸器・乳腺・血管専⾨病棟で 3年勤務。
過労にて⼼身ともに体調を崩すも⾃身の健康を守るため予防医学と美容に特化したクリニックに転職し、クリニックの広報の他、健康メディアのライターも務める。 美容健康セミナーなどのイベントも開催し、SNSでは予防医学・ 健康的なダイエット法・自⾝身の経験から看護師の働き⽅方について発信。
プロダンサーとしても、都内・海外で活動を行い、看護師の新たな働き方のモデルケースになるべくマルチに活動を行っている。
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