ビタミンCを含む果物を食べて、元気な体を作りましょう!

公開日:2019.10.15

「ビタミン」と呼ばれる栄養素にはたくさんの種類があり、それぞれに「体を元気にする働き」があります。
黄色やオレンジなど、華やかで明るい色を「ビタミンカラー」と呼びますが、見ているだけで元気が出てくる気がしませんか?
中でもビタミンCは果物に多く含まれるといわれており、私たちの体を支え、元気な体を維持する働きがあります。

目次

  1. ビタミンCはとはどのような成分か
    • ビタミンとは何か
    • ビタミンCを取り巻く歴史
    • ビタミンCは体内で生成できない
  2. ビタミンCに課せられた役割
    • 人の体の中で大活躍する酵素
    • ビタミンCは酵素のアシスタント
    • ビタミンCを生成できないのは人間とサルだけ?
  3. 人の体とビタミンCの関係
    • ビタミンCはどうやって人の体に入るのか
    • 体の中でのビタミンCの動き
  4. ビタミンCを上手に摂るには
    • 野菜も大切だけど果物も大事
    • 野菜は果物の代わりにはならない?
    • ビタミンCの摂り過ぎには要注意
  5. まとめ

ビタミンCはとはどのような成分か

ビタミンとは何か

ビタミンは5大栄養素のひとつで、生命活動に不可欠な微量栄養素です。
ビタミンは水に溶けにくく油脂に溶けやすい脂溶性と水に溶けやすく油脂に溶けにくい水溶性の2つに分類することができます。
また、水溶性ビタミンはビタミンB群とビタミンCに分類することができます。

脂溶性ビタミン
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK

水溶性ビタミン
ビタミンB群:ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、パントテン
ビタミンC

ビタミンCを取り巻く歴史

では、このように13種類もあるビタミングループの中でビタミンCは、なぜ「C」と名付けられたのでしょうか。
「C」と名付けられていることからも、ビタミンの歴史において最初に発見されたものではないことは分かりますよね。
意外にもビタミンの歴史は新しく、1800年代後半にスタートしました。
1896年、オランダのエイクマンが、東洋の奇病調査を行う目的でジャワに派遣されました、
エイクマンはニワトリを使って動物実験を行い、白米には毒があり、糠にはこの毒を消す何かがあるという考えに至ります。
しかし、この実験を引き継いだ弟子のグリーンは、エイクマンの仮定した毒を発見することはできませんでした
1913年になると、アメリカ人のフンクは、グリーンが見つけた米胚芽に含まれる物質を「アミン」と想定し、ラテン語で生命を意味するビタを付け、新語ビタミンが作られました。
そして1920年には、抗壊血病因子をビタミンCと呼ぶ、と提唱するドラモンドという人物が現れます。
それから8年後の1928年、ハンガリー生まれのセント・ジェルジは、ケンブリッジ大学でウシの副腎から新しい物質を見つけへキスロン酸と名付けます。
ヘキスは「6」、ウロン酸は「尿酸」を意味し、この物質はキャベツやレモン、オレンジなどからも発見されました。
1932年になるとセント・ジェルジは故国であるハンガリーに戻り、セゲド大学の教授となります。
そこへある日、スワーベリと名乗る青年が現れ「ビタミンCの検出方法を知っている」とセント・ジェルジに伝えます。
かねてより、ヘキスロン酸がビタミンC ではないかと想像していたセント・ジェルジは、スワーベリに実験を依頼し2ヶ月後、ついにヘキスロン酸とビタミンCは同じ物質であることが明確になりました。
ヘキスロン酸はその後、「抗」を意味する「ア」と、出血性の病である「スコルブート」から、アスコルビン酸と改名されました。※1、2、3、4

ちょうどこの頃、ベルリンでアミノ酸の研究をしていた日本人が、鈴木梅太郎氏です。
実は、鈴木梅太郎氏はフンクよりも1年早く、米胚芽の栄養素を日本化学会で発表しましたが、日本は科学の檜舞台からはあまりにも遠く離れていた時代であり、名誉はフンクのものになりました。※3

ビタミンCは体内で生成できない

ビタミンCは水溶性の白色結晶で、熱や空気、アルカリ、酸に不安定な性質を持っています。
3大栄養素ではありませんが、炭素や水素、酸素、窒素などを含んだ有機化合物で、複雑な化学構造を持つ栄養素です。
鉄やカルシウムと同様、体の中で必要とされる量は微量ですが、健康な体には不可欠な働きをもっています。
また、ビタミンCは体内で作ることができない栄養素であり、食事から摂取する必要があります。
ビタミンCだけではなく、ビタミン自体が体内で合成できないか、合成できても十分な量が合成できるわけではないため、栄養素として外から補っていく必要があります。※1

※2 日本ビタミン学会 やさしいビタミンの話 ビタミンC / 2019年5月30日閲覧
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/vsojkn/kaisetu/kaisetu-1.html
※4 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015年版) 水溶性ビタミン/ 2019年5月30日閲覧
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000067134.pdf
※1 栄養の基本がわかる図解辞典 中村 丁次 (監修) 成美堂出版 2015年7月発行
※3 健康基本知識シリーズ ビタミンC健康法 元気で長生きするために 三石 巌(著) 2018年8月発行 阿部出版 

ビタミンCに課せられた役割

人の体の中で大活躍する酵素

人は生きていくために、食べ物など体の外から取り入れた栄養素を分解・吸収し、体に必要な物質に再合成しています。
この体内での栄養素の分解や合成に関わる物質は酵素と呼ばれ、食べ物を吸収できるよう小さく切り分ける作業を行う消化酵素と、吸収された栄養をエネルギーに変えるためのいろいろな作業に関わる代謝酵素があります。

体内には約2,000種類もの酵素がありますが、それぞれの酵素には表面に凸凹があり、特定の物質とだけ結合できる性質があります。
特定の物質と結びついた酵素は、一種類だけの化学反応だけを行います。
例えば、肉を消化する場合、体内に取り込まれた肉はペプシンという消化酵素により大まかに分解されます。
その後トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ、カルボキシペプチターゼなどの酵素により、肉を構成するたんぱく質から、アミノ酸オリゴペプチドに変換され、吸収されます。
この吸収されるまでの過程を酵素なしで行うと、肉を塩酸につけ、そのまま24時間、100度以上の熱をかけ続けなければいけません
しかし、酵素はこのような反応を、熱も使わずに素早く行っているのです。※1、5、6、7

ビタミンCは酵素のアシスタント

酵素は、たんぱく部分と非たんぱく部分の2つの部分からできている場合が多く、補酵素が不足すると主酵素は吸収や合成などの反応を行うことができなくなってしまいます。
この補酵素の多くは体内で合成することができず、外から取り込まなくてはいけません
ビタミンCは補酵素としての役割があり、体内での多くの化学反応に関わっています。
このように考えると人の体の中で酵素を活躍させるには、十分なたんぱく質だけではなく、補酵素も十分に摂ることが必要であることが分かります。※3

ビタミンCを生成できないのは人間とサルだけ?

ビタミンCを必要とするのは、人だけではありません。
サルや犬、牛、鳥など多くの生物が生きるためにビタミンCを必要とします。
では、ほかの生物はビタミンCをどのように供給しているのでしょうか。
実は、ビタミンCを体内で生成できないのは人間とサルだけで、その他の鳥や犬、牛など多くの生物はビタミンC合成能力を持っています。
サルはビタミンCの豊富な密林で生活するうち、ビタミンCの合成能力を失ったといわれています。
人間は、ビタミンCを生成する能力はありませんが、代わりにビタミンCを含む食品を作り、配布する知恵を持ったことで、地球上のどこででも暮らせるようになりました。※3

※5 東京大学 大学院農学生命科学研究科 応用生命工学専攻 酵素学研究室 酵素とは/ 2019年5月30日閲覧
http://enzyme13.bt.a.u-tokyo.ac.jp/enzymology.html
※6 公益財団法人 日本食肉消費総合センター 体内で化学反応を行う「酵素」とは?/ 2019年5月30日閲覧
http://www.jmi.or.jp/qanda/bunrui4/q_068.html
※7 NPO法人 日本酵素栄養学協会 酵素ってなに?/ 2019年5月30日閲覧
http://n-kouso.org/enzyme
※1 栄養の基本がわかる図解辞典 中村 丁次 (監修) 成美堂出版 2015年7月発行
※3 健康基本知識シリーズ ビタミンC健康法 元気で長生きするために 三石 巌(著) 2018年8月発行 阿部出版 

人の体とビタミンCの関係

ビタミンCはどうやって人の体に入るのか

ビタミンCは、体に必須なもので、外から摂取しなければいけません。
では、どのようにして人の体内へと入っていくのでしょうか。
口から摂取せれたビタミンCは分解され血中に送られます。
他の栄養素であれば、食事から摂取した栄養素と、サプリメントなどの健康食品から摂取された栄養素の相対生体利用率には差が出てくるとされています。
例えば、同じビタミン類のビタミンB1は、食事からの摂取量のうち、およそ60%が吸収され体内で利用されているといわれています。
しかしビタミンCの場合、摂取量200 mg/日程度までは 相対生体利用率が90%と、非常に高い吸収率をほこっています
摂取量が1 g/日以上になるとビタミンC の吸収率は 50% 以下となります。
ところで、ビタミンCであるアスコルビン酸にはD型とL型の2種類があります。
この2つは分子を構成する原子の相対的位置は同じなのですが、立体的な違いがあり、野菜や果物に含まれているビタミンCはL型のアスコルビン酸に分類されます。
またビタミンCを人工的に作る場合に原料となるのは天然物のブドウ糖であるため、L型のアスコルビン酸になります。
一方でD型のアスコルビン酸は蔗糖を原料としています。
L型のアスコルビン酸と同様、肉や野菜の酸化を防止する目的で使われているのですが、人の体内での作用は期待できないため、エルソルビン酸と呼ばれビタミンCと区別されています。※3、4、8

体の中でのビタミンCの動き

では、ビタミンCは体内でどのような動きをしているのでしょうか。
人は呼吸により空気中の酸素を取り入れて生きています。
この時に取り入れた酸素のうちの一部は、体に入り込んだ微生物を排除するように働きます。
しかし、体内に取り込まれた反応性の高い酸素は増えすぎてしまうと逆に細胞にサビを生じさせる可能性があります。
ビタミンCはこれを捉え、無害化する作用があります。
もちろん、ビタミンCはこの他にも、体のあらゆる場所で大活躍しています。
いろいろな働きをしてくれるビタミンCは体になくてはならないものです。
では、ビタミンCはどのような物に含まれ、どの程度摂取していけばよいのでしょうか。
ビタミンCの正しい摂取方法についてみてみましょう。※3、4、8

※4 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015年版) 水溶性ビタミン/ 2019年5月30日閲覧
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000067134.pdf
※8 厚生労働省 e-ヘルスネット  食品の機能と健康 果物/ 2019年5月30日閲覧
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-01-003.html
※3 健康基本知識シリーズ ビタミンC健康法 元気で長生きするために 三石 巌(著) 2018年8月発行 阿部出版 

ビタミンCを上手に摂るには

野菜も大切だけど果物も大事

ビタミンCを多く含む食品には次のようなものがあります。

[野菜]

  • 菜の花(100g):130mg
  • 赤ピーマン(75g):115mg
  • 洋種なばな(100g):110mg
  • 芽キャベツ(40g):64mg
  • ブロッコリー(50g):60mg

[果物]

  • 柿(200g):127mg
  • ネーブルオレンジ(200g):78mg
  • はっさく(250g):65mg
  • いちご(100g):62mg
  • キウイフルーツ(100g):59mg

この様に、ビタミンCは野菜や果物などに多く含まれています。 ※1

野菜は果物の代わりにはならない?

同じ野菜や果物でも、旬の時期はビタミンCがより多く含まれているため、旬のものを口にすると季節の味わいを楽しむだけではなく、栄養素も多く摂ることができます。
また、普段捨ててしまいがちな野菜の外葉や芯の部分にも多くのビタミンCが含まれています
壊れやすく不安定なビタミンCは調理での損失が多いため、1日の必要量の3倍量を摂るように心がけると良いでしょう。
なるべく多くの部位を食べれるように工夫することも大切です。
また、野菜や果物にはビタミンCが含まれていますが、野菜=果物ではありません。※8
つまり、野菜の代わりに果物を摂る、果物の代わりに野菜を摂るということではないのです。
野菜と果物では摂れる栄養素が異なり、果物は野菜に比べて糖質やクエン酸やリンゴ酸、コハク酸といわれる有機酸が多くなっています。
炭水化物にたんぱく質、野菜や果物、海藻といろいろな種類をそれぞれ適量に摂ることで体のバランスを整え元気な毎日を送れるようにしましょう。※8

では、ビタミンCは1日にどの程度摂取すればよいのでしょうか。

ビタミンCの摂り過ぎには要注意

厚生労働省の日本人食事摂取基準で推奨されているビタミンCの1日摂取量は、男女共に成人で100 mgとされています。
また妊婦では+10mg、授乳婦では+45mg付加されます。
ビタミンCは水に溶けやすく熱にも弱いため、茹でるなどの調理ではビタミンCの量は半減します。
茹でた食材を水に放した後は、早めに水気を切りましょう。
比較的ビタミンCの壊れにくいじゃがいもでも、1ヶ月の室温保存では15%ものビタミンCが減少します。
野菜を購入した時は保存期間を短くし、調理時間も短時間にとどめるようにしましょう。※1、3、4

ビタミンCはまた、寒暖差や喫煙により、体内での消費量が高くなります。
喫煙習慣のある人は特に、ビタミンCを意識して摂取し、補給していく必要があります。
ビタミンCはたくさんとっても体内には蓄積されず尿として排出されるため、多く摂り過ぎても
あまり心配がないとされています。
しかし、日常的な食事にさらに追加する形で一度の大量のビタミンCを摂取した場合には、消化器や皮膚などに影響が出ることがあるため、注意が必要です。
また、抗HIV薬を服用されている方は、お薬の効果が変わってしまう可能性があるため、摂取基準よりも多くのビタミンCを摂る場合には、医師の判断が必要です。
この他にも、脂質異常症のお薬やニコチン酸、ワルファリンカリウムなどを服用している場合も、ビタミンCを摂りすぎることによるお薬の効き方に影響が出ることがあるため、持病がある方や普段からお薬を服用している方は、ビタミンCの摂取について主治医と相談しましょう。※9、10

※4 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015年版) 水溶性ビタミン/ 2019年5月30日閲覧
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000067134.pdf
※8 厚生労働省 e-ヘルスネット  食品の機能と健康 果物/ 2019年5月30日閲覧
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-01-003.html
※9東京都健康長寿医療センター研究所 ビタミンCが足りないと老化が進む!? / 2019年5月30日閲覧
https://www.tmghig.jp/research/topics/201606/
※1 栄養の基本がわかる図解辞典 中村 丁次 (監修) 成美堂出版
※3 健康基本知識シリーズ ビタミンC健康法 元気で長生きするために 三石 巌(著) 2018年8月 初版第1刷発行 阿部出版 
※10 健康食品サプリメント 医薬品との相互作用辞典 安西恵子編集、日本医師会・日本薬剤師会・日本歯科医師会総監修 2017年8月 2015年12月発行 同文書院

まとめ

米やパンに含まれる炭水化物、肉や魚に含まれるたんぱく質、野菜に含まれる食物繊維など、私たちの体を作る栄養素は多岐に渡っています。
しかし、ビタミンやミネラルなど、微量でも体にとって良い働きをする栄養素を、きちんと摂れるかどうかで、元気で若々しく過ごせるかどうかが変わってくるのです。
体にとっての元気成分であるビタミンCを上手に摂って、若々しく元気な体を維持しましょう!

ライター
岡部
看護師
埼玉県内総合病院手術室(6年)、眼科クリニック(半年)勤務、IT関連企業(10年)勤務、都内総合病院手術室(1年半)、千葉県内眼科クリニック(1年)勤務
2011年よりヘルスケアライターとして活動。 現在は、一般向け疾患啓発サイト、医療従事者向け情報サイト等での執筆、 医療従事者への取材、記事作成などを行う。
一般向けおよび医療従事者向け書籍
○執筆・編集協力
・看護の現場ですぐに役立つICU看護のキホン (ナースのためのスキルアップノート)
・看護の現場ですぐに役立つ 人工呼吸ケアのキホン (ナースのためのスキルアップノート)
・看護の現場ですぐに役立つ ドレーン管理のキホン (ナースのためのスキルアップノート)  他
公開日:2019.10.15
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