電気代の請求がおかしい!急に高い原因は?
電気代の値上がりが続き、その高さに「電気代の請求がおかしい…」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
電気代が急に高い原因は、料金単価の値上がりや補助金の縮小、使用電力量の増加などが考えられます。
電気代が高い原因と節約方法を見ていきましょう。
※本記事は2023年9月1日時点の情報を元に作成されています。
そのため、記事を閲覧いただく時期によっては、記載内容が実際の内容と異なる場合がございます。
あらかじめご了承いただけますようお願いいたします。
目次
- 電気代の請求、高い原因は?
- 電気代の補助金が縮小
- 電気代の値上がりが原因
- 電気の使用量が増えている可能性も
- 電気代が高い家電は?エアコンや暖房に注意
- エアコンの電気代
- 冷蔵庫の電気代
- 照明の電気代
- 本当にその電気代は高い?平均は?
- 二人以上家族の電気代
- 一人暮らしの電気代
- まとめ
電気代の請求、高い原因は?
電気代が値上がりする理由は、電気代が値上がりしたり、電気の使用量が増えたりするためです。
ただ2023年は政府による電気代の補助金制度により一時的に下がった電気代が、補助金の半減により元に戻る、もしくは高くなる家庭もあるでしょう。
電気代の補助金が縮小
2023年1月使用分から2023年9月使用分まで、エネルギー価格の負担軽減策として政府が電気代の一部を負担する電気代の値引きが行われています。※1
一般的な家庭の場合、値引き単価は7円/kWhですが、2023年9月の補助は3.5円/kWhと半減します。※1
2023年9月以降に家庭の電気代が増えたのは、この補助金の半減が原因かもしれません。
電気料金単価があがっていないか、利用明細を確認すると分かります。
電気代の値上がりが原因
電気代が高くなるのは、電気代の値上がりも一因です。
毎月の電気代は、電気料金単価×電気量で決まります。
つまり電気量の料金単価があがれば、毎月の電気代が高くなる仕組みです。
東京電力が発表している一般家庭(電気使用量260kw/月)の過去10年間の電気代の推移を見ると、6,000円から8,500円の間で変動し、2021年から2022年2月まで値上がりが続いています。※2
電気代の請求がおかしいと感じるほど急に高くなるのは、料金単価が高騰しているのかもしれません。
料金単価は、電気料金の明細や電力会社のホームページ等で確認できます。
■電気代の決まり方、内訳は?
電気代の決まり方を知っておくと、電気代が高騰した際の原因や補助金の内容を理解しやすいはずです。
ここで、簡単に電気代の決まり方(内訳)をご紹介します。
月々の電気代は、料金単価に電気の使用量を乗じ基本料金を加算、燃料調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金を加算した額の合計です。
月々の電気代=基本料金+電力量料金(料金単価×使用量)+燃料調整額(燃料費調整単価×使用量)+再生可能エネルギー発電促進賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金単価×使用量)
- 基本料金は、契約アンペア数により決められており毎月固定の金額です。
- 電力量料金(従量電灯)の料金単価は3段階に分けられており、使用量が多い分ほど料金単価は高くなります。※3
- 燃料調整額は、燃料費の変動に応じて増えたり減ったりするもので毎月変動します。※4.
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金は年一回経済産業省が決めるもので、1年間その単価は変わりません。※5
月々の電気代は、使用量が同じでも、料金単価や燃料調整単価の影響を受け変動する仕組みです。
電気代の負担が急に増えたら、料金単価や燃料調整単価も確認してください。
電気の使用量が増えている可能性も
電気を使う時間が、知らず知らずのうちに増えしまっている可能性はありませんか?
例えば、エアコンを使う時間が増えたり、洗濯機を新調して乾燥までかけるようになったり…。
一般的に、夏も冬もエアコンを使っていても冬の暖房の方が夏の冷房よりも電気代はかかります。※6
夏の冷房と同じくらいの電気代だと思っていると、冬の電気代が高いと感じるかもしれません。
冬は特に、思っている以上に電気の使用量が増えている可能性もあります。
Web明細では、前年の電気の使用量なども確認できます。
前年対比でどれだけ増えているか、季節ごとにどれだけ違うかなど確認しておくと、電気代の目安になるでしょう。
※1 電気・ガス価格激変緩和対策事業|経済産業省 資源エネルギー庁/2023年9月1日現在
https://denkigas-gekihenkanwa.go.jp/
※2 平均モデルの電気料金|数表でみる東京電力|東京電力ホールディングス株式会社/2023年9月1日現在
https://www.tepco.co.jp/corporateinfo/illustrated/charge/average-past-j.html
※3 料金単価表‐電灯(従来からの料金プラン)|電気料金プラン|東京電力エナジーパートナー株式会社/2023年9月1日現在
https://www.tepco.co.jp/ep/private/plan/chargelist01.html
※4 月々の電気料金の内訳|資源エネルギー庁/2023年9月1日現在
https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/fee/stracture/spec.html
※5 制度の概要|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー│資源エネルギー庁/2023年9月1日現在
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/surcharge.html
※6 空調 | 無理のない省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト/資源エネルギー庁/2023年9月1日現在
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/airconditioning/index.html
電気代が高い家電は?エアコンや暖房に注意
夏と冬の時期に最も電気を使っているのは、エアコンです。※7
夏も冬も1日の電気使用量のうち約1/3は、エアコンが占めています。※7
次いで、冷蔵庫、照明と続き、エアコン・冷蔵庫・照明の3つの家電全体の1/2超を占めています。※7
エアコンの電気代
エアコンは、設定温度と外気温の差が大きいほど電気代がかかります。
そのため、寒い地域の方が冬の暖房代が高いです。
ただエアコンの設置環境や機種によっても電気代は異なり、家電メーカーが発表している1時間当たりのエアコンの電気代は、3円~40円前後です。※8
エアコンの電気代を節約するには、エアコンのついている時間を短くするだけでなく、設定温度を適切に保つことが大切です。
環境省が推奨する設定温度は、夏は28度を目安に、冬は20度を目安と定めています※9※10
冷蔵庫の電気代
冷蔵庫の電気代は、家庭で使う電気の量はエアコンに次いで多い家電です。※7
電気の使用量は、冷蔵庫の大きさや使い方、新しさなどの影響を受けます。
家電メーカーが出している冷蔵庫の電気代は、1時間使用当たりおよそ4円。※11
冷蔵庫は電源を切ることはないので、1日あたりの電気代はおよそ96円、1ヶ月あたりに換算すると2,900円ほどです。(1kwhあたり25円で算出)
電気代を見直すなら、冷蔵庫の設定・設置を少し意識するだけでも節約につながるかもしれません。
冷蔵庫代を節約するには、庫内の設定温度を控えめにしたり、冷蔵庫を壁から適切な間隔で置いたりするのが効果的です。※12
資源エネルギー庁の試算によると、冷蔵庫を無駄に開け閉めしないなど、使い方を気にするよりも設定温度や壁からの距離を見直す方が、節約効果が高いとされています。※12
照明の電気代
照明の電気代は、家庭の電気量のうち3番に多い家電です。
ある家電メーカーの8~10畳用の白熱シャンデリアを1時間つけていると、電気代はおよそ9円です。※11
資源エネルギー庁の試算によると、白熱電灯をLED電灯につけ替えると1時間あたりの電気代は1円まで下がります。※11
電気代を節約するには、電灯をLEDライトに変更するのが有効です。※11
※7 省エネルギー政策について|資源エネルギー庁/2023年9月1日現在
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/index.html#general-section
※8 【エアコン】1時間あたりの電気代の目安(品番別)│Panasonic/2023年9月1日現在
https://jpn.faq.panasonic.com/app/answers/detail/a_id/9910
※9 クールビズ/COOLBIZ|環境省/2023年9月1日現在
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/coolbiz/
※10 ウォームビズ(WARMBIZ)|環境省/2023年9月1日現在
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/warmbiz/about/
※11 電気代 | 電気設備の基礎知識 | Panasonic/2023年9月1日現在
https://www2.panasonic.biz/jp/basics/electric/electricity/electric-bill/
※12 キッチン|無理のない省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト/2023年9月1日現在
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/kitchen/index.html
本当にその電気代は高い?平均は?
電気代が高いと、使いすぎが気になりますよね。
平均的な1ヶ月の電気代を目安に、節約を考えるのも一つの手です。
総務省家計調査をもとに、2022年1月~2022年10月の電気代の平均をまとめました。
二人以上家族の電気代
地方ごとの1カ月の電気代をみていきます。
家族世帯の1カ月の電気代は、およそ1万円~2万円。
全国的に冬は高く、寒い地域では2万円前後の地域もあるようです。
最も高いのは、2月の北陸地方でおよそ2万5000円。
一方最も安いのは、5月の沖縄地方でおよそ8千800円です。
【1ヶ月の電気代(二人以上家族)】(単位:円)
北海道地方 | 東北地方 | 関東地方 | 北陸地方 | 東海地方 | 近畿地方 | 中国地方 | 四国地方 | 九州地方 | 沖縄地方 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2022年7月 | 11,037 | 10,271 | 9,708 | 12,288 | 9,579 | 8,883 | 11,067 | 10,732 | 9,529 | 12,118 |
2022年8月 | 10,689 | 10,998 | 11,404 | 13,712 | 12,101 | 11,480 | 14,659 | 13,553 | 12,372 | 14,182 |
2022年9月 | 10,897 | 10,962 | 13,079 | 14,376 | 13,223 | 13,391 | 16,290 | 14,671 | 12,874 | 15,298 |
2022年10月 | 11,078 | 11,860 | 12,586 | 13,367 | 13,432 | 12,762 | 15,704 | 12,674 | 12,272 | 14,259 |
2022年11月 | 11,604 | 11,911 | 11,343 | 13,115 | 11,704 | 11,247 | 13,567 | 12,170 | 10,283 | 13,698 |
2022年12月 | 15,422 | 14,873 | 11,775 | 15,328 | 12,161 | 11,719 | 15,304 | 14,213 | 11,072 | 11,730 |
2023年1月 | 20,911 | 24,609 | 15,205 | 23,521 | 16,903 | 15,138 | 22,380 | 17,293 | 16,774 | 12,556 |
2023年2月 | 21,020 | 24,672 | 17,288 | 24,578 | 19,777 | 16,753 | 22,872 | 21,575 | 16,702 | 10,989 |
2023年3月 | 17,986 | 21,450 | 16,907 | 21,170 | 18,400 | 15,649 | 19,829 | 19,096 | 13,730 | 9,992 |
2023年4月 | 13,591 | 16,331 | 13,680 | 16,708 | 13,115 | 12,784 | 16,101 | 14,748 | 10,985 | 10,130 |
2023年5月 | 12,189 | 12,934 | 11,124 | 14,501 | 11,578 | 10,036 | 13,147 | 11,714 | 8,841 | 8,831 |
2023年6月 | 9,646 | 10,766 | 9,264 | 12,293 | 9,268 | 8,194 | 10,972 | 9,924 | 7,465 | 10,240 |
※13 総務省 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯より作成
一人暮らしの電気代
一人暮らしの電気代は、およそ5千円~1万2千円です。
関東地方の電気代の平均はおよそ6千円~8千円で、年間を通じて他の地域よりも電気代がかからないようです。
北海道・ 東北地方 |
関東地方 | 北陸・ 東海地方 |
近畿地方 | 中国・ 四国地方 |
九州・ 沖縄地方 |
|
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2022年1~3月期 | 8,928 | 6,792 | 8,903 | 7,553 | 8,732 | 6,247 |
2022年4~6月期 | 6,882 | 6,491 | 6,684 | 5,370 | 7,033 | 5,254 |
2022年7~9月期 | 6,095 | 5,895 | 6,353 | 6,573 | 7,251 | 6,791 | 2022年10~12月期 | 6,867 | 6,031 | 6,857 | 5,802 | 7,388 | 6,882 |
2023年1~3月期 | 11,730 | 8,144 | 11,125 | 9,049 | 9,450 | 7,493 |
2023年4~6月期 | 6,166 | 5,335 | 5,974 | 4,464 | 6,100 | 4,813 |
※14 総務省 家計調査 家計収支編 単身世帯より作成
平均はあくまで目安です。
電気代は住環境や家電製品にも左右されます。
※13 総務省│「家計調査」 家計収支編 二人以上の世帯/2023年9月1日現在
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0002070001
※14 総務省│「家計調査」 家計収支編 単身世帯/2023年9月1日現在
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003005368
まとめ
「電気代の請求がおかしい…」「急に電気代が高い…」と感じたら、まずは明細のチェックを。
使用量が増えているのか、料金単価があがったのか、原因が分かるはずです。
電気の料金単価は変動します。
使用量が同じでも、料金単価が上がれば電気代は高くなります。
料金単価は、自分ではコントロールできないものです。
電気代がかかる家電を知り、有効な節電方法を暮らしに取り入れていけるといいですね。
※本記事は2023年9月1日時点の情報を元に作成されています。
そのため、記事を閲覧いただく時期によっては、記載内容が実際の内容と異なる場合がございます。
あらかじめご了承いただけますようお願いいたします。