つかみ食べはレシピやグッズ活用でイライラしない!積極的にさせる理由と促し方

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親にとっては頭の痛いつかみ食べですが、子供の成長には欠かせないものです。
つかみ食べの意味や段階を知り、発達に合った手づかみレシピを出してあげましょう。
なるべく汚れない、片付けが楽になる簡単レシピと便利グッズもご紹介します。

目次

  1. つかみ食べはいつからいつまで?子供の成長に欠かせないわけとは
    • つかみ食べする時期
    • つかみ食べは段階的に進める
    • つかみ食べが重要なわけ
  2. つかみ食べ向けおすすめ食材とレシピ
    • パンはいつから?
    • 野菜は何かに混ぜたりしてつかみやすくする
    • 肉や魚はソースなしで
    • 冷凍は上手に活用
  3. つかみ食べ便利グッズ
    • エプロン
    • テーブルマット
    • 掃除グッズ
  4. つかみ食べしないと心配?
    • つかみ食べをしない原因
    • つかみ食べを促す方法
  5. まとめ

つかみ食べはいつからいつまで?子供の成長に欠かせないわけとは

つかみ食べする時期

つかみ食べは早いと8ヶ月頃から始まり、通常1歳前後~1歳半ごろまで続きます。※1※2
10ヶ月前後では、まだ手で食べ物の感触を確かめるだけかもしれませんが、1歳前後になると、口に食べ物を運べるようになります。
それでも、まだ上手に口に入れられずにこぼしたり、口に入れすぎたりしてしまいます。
1歳半頃までに前歯が生えそろうことが多く、食事をかみ切ることができるようになります。
少しずつひとくちの量を覚え、自分で調節できるようになっていくとされています。※3
※4
ただ、この時期は食べムラが出てくる場合もあり、食べたくなくて遊んでいるのか、つかみ食べなのかはよく見て判断する必要があります。
遊んでいるのであれば、適度なタイミングで食事を切り上げるなどの対応を取りましょう。
つかみ食べは積極的にさせてあげたほうが、食事の自立を促すことができると言われています。
この時期に、つかみ食べをしやすい食事環境を整えてあげましょう。※2

 

つかみ食べは段階的に進める

つかみ食べの時期は、あくまで目安です。
それぞれの発達にあわせて、段階的に進めていきましょう。
つかみ食べは、手でごはんをぐちゃぐちゃにするだけの時期からスタートし、手で食べ物を口に詰め込むようになり、口の横から食べ物を入れる、前から入れるという段階でステップアップしていきます。
歯が生えて、噛む力がつくにつれて、食材も柔らかいものから徐々に固いものにしていきます。
ひとくちの量を自分で把握して、歯を使って噛み切ることができるようになるまで、つかみ食べを続けるとよいと言われています。※5

 

つかみ食べが重要なわけ

つかみ食べは、その後の食事に必要となる能力を鍛えるためにも重要な役割を果たします。
つかみ食べを通じて、主に下記機能が発達します。
・目で食べ物を確かめる
・手でつかんで感触を確かめる
・手でつかんだものを口まで運ぶ
このように、つかみ食べをすることで、手と口と目を連携させて動かすことができるようになります。
これは、スプーンや箸を使えるようになるための準備ともいえるものです。
また、この頃は自我が芽生え始める時期です。
食事に関しても、大人に食べさせてもらっていたところから、「自分で食べたい」という思いが「手づかみ」に繋がっています。※6
イヤイヤ期の原因は?子供への正しい対応を知って親のイライラも解消!

でもご紹介していますが、イヤイヤ期に差し掛かる時期なので、何でも「自分でやる」という気持ちの表れでもあるのです。
つかみ食べを積極的にすることで、その後、自分で食べることへの発達が促されるという研究結果もあります。※7
パパママは大変ですが、子供のつかみ食べは、子供が自分で食事を食べられるようになるための練習だと心得、見守る姿勢でサポートしてあげましょう。

※1 保育所に通う乳幼児の手づかみ食べの発達 特性による分析/池谷真梨子,柳沢幸江/2019年2月21日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kasei/67/0/67_112/_pdf/-char/ja
※2 かむ力を育てる乳幼児の食事/千葉県健康福祉部/2019年5月20日現在
https://www.pref.chiba.lg.jp/kenzu/kuchi/documents/kamuchikarapannhu_3.pdf
※3 ひよこクラブ/2013年5月1日発行/ラクチン元気 幼児食レシピ/ベネッセコーポレーション/2019年2月21日現在
※4 長澤 池早子監修/2013年3月12日/好き嫌いがなくなる幼児食/成美堂出版/2019年2月21日現在
※5 乳幼児食事相談の主訴別支援策チャート(第4版)/(公社)奈良県栄養士会 公衆衛生事業部/2019年2月21日現在
http://www4.kcn.ne.jp/~n-eiyou/top/sien-chart3.pdf
※6 授乳・離乳の支援ガイド/厚生労働省/2019年2月21日現在
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0314-17.pdf
※7 乳幼児の手づかみ食べの発達過程および類型/池谷真梨子 柳沢幸江/2019年2月21日現在
https://www.jschild.med-all.net/Contents/private/cx3child/2015/007406/032/0884-0895.pdf

つかみ食べ向けおすすめ食材とレシピ

つかみ食べを積極的にさせたほうがよいと言われても、汁物やソースがかかっているレシピをあげてしまうと子供も手が汚れて嫌がったり、大人もテーブル周りの掃除が大変になります。
子供がつかみ食べしやすく、掃除が簡単な食材やレシピをご紹介します。

 

パンはいつから?

パンは、つかみ食べの時期にあげやすい食材です。
調理しなくてもよいのでママも楽チンですね。
離乳食の進め方-食材や固さ、進める目安、食べないときは?

でご紹介していますが、パン自体は、離乳食の2回食あたり、8ヶ月頃から始めることが多いようです。
つかみ食べでも、まずはミルクや牛乳などに浸したものから始め、カステラやパンケーキ蒸しパンなどの柔らかめのものが食べられるようになってから、トーストに挑戦します。※8

 

野菜は何かに混ぜたりしてつかみやすくする

離乳食も完了期になり、しっかり噛めるようになっていれば、ゆでた野菜スティックや、具材を細かくしたお好み焼きなどをあげることができます。
つかみやすいように大き目に作るのがポイントです。
簡単に作れるレシピとしては、野菜チップスもおすすめです。
素揚げでも作れますし、電子レンジでも作れ、子供もおやつ感覚で食べられるでしょう。
まだ離乳食中であれば、かぼちゃや大根、人参などの根菜類やブロッコリーなどを柔らかく煮たものをあげます。※8
柔らかいもののつかみ食べは、食材をぐちゃぐちゃにしてしまい、あちこち汚れますし、子供自身も手が汚れて気になる子もいるかもしれません。
柔らかく煮た野菜を、卵焼き・パンケーキや蒸しパン・おにぎり・つかみやすいものに混ぜると、手も汚れずに食べやすくなります。

 

肉や魚はソースなしで

つかみやすくするためには、肉や魚もソースをかけたりせず焼くだけがおすすめです。
ハンバーグはつかみやすいスティック状などに成形してもよいでしょう。
ゆで野菜に薄切り肉をまいて焼くと、肉と野菜がとれるつかみ食べレシピになります。
スティック状に切った魚の塩焼きやチーズ焼きもつかみやすいでしょう。※9

 

冷凍は上手に活用

なるべく時間をかけずに作るためには、冷凍保存を活用したい方も多いかと思います。
野菜は、茹でたものを冷凍して解凍すると水っぽくなりがちです。
つかみ食べの時期は、食べやすい料理に調理してから冷凍保存する方がよいでしょう。
野菜をパンケーキやお好み焼き、ごはんに混ぜたものを冷凍しておけば、電子レンジで解凍するだけで食べられます。
肉類も、ハンバーグを焼いて冷凍しておけば、解凍するだけで食べさせられます。

※8 乳幼児食事相談の主訴別支援策チャート(第4版)/(公社)奈良県栄養士会 公衆衛生事業部/2019年2月21日現在
http://www4.kcn.ne.jp/~n-eiyou/top/sien-chart3.pdf
※9 ひよこクラブ/2013年5月1日発行/ラクチン元気 幼児食レシピ/ベネッセコーポレーション/2019年2月21日現在

つかみ食べ便利グッズ

つかみ食べを積極的にさせたほうがよいと言われても、パパママは掃除が大変でイライラしてしまうこともあるでしょう。
最近では、ベビー向け食事グッズも様々なものが市販されています。
このような便利グッズを活用することで、子供も楽しくつかみ食べができ、大人も掃除が楽になりますよ。

 

エプロン

つかみ食べをした手であちこち触ってしまい、体のいろいろなところにご飯がついてしまう子も多いので、エプロンは袖付きのスモッグタイプのものを用意すると服につきにくくなります。
食べこぼしをキャッチするポケットがついているものや、座ったときに足の方までカバーできるロングタイプのものなど、様々な工夫を凝らしたエプロンが市販されていますので、いろいろ試してみるとよいかもしれません。※10
エプロンを着るのを嫌がる子の場合は、全身汚れてもよい服装で食事をし、すぐに着替えられるように準備しておくのがよさそうです。

 

テーブルマット

テーブルの上の汚れには、シリコン製のテーブルマットが便利です。
つかみ食べ用にランチョンマットよりも大きいサイズのものが多く、滑り止めがついているものや、食べこぼしをキャッチするポケットが手前についているものなどがあります。※11
シリコン製のものであれば、簡単に洗うことができて手間がかかりません。

 

掃除グッズ

つかみ食べのはじめの頃は、食卓の周囲が汚れてしまいます。
さっと片付けられるように、新聞紙やレジャーシートを床にひいたり、捨てられるタオルやふきんを用意しておくとテーブルや床をさっと拭けて便利です。※12
拭いた後そのまま捨てるだけでよいので、古いタオルや着なくなったTシャツなどを小さく切って準備しておくとラクに片付けられます。

※10 【楽天市場】お食事エプロン 長袖(授乳・お食事|ベビー):キッズ・ベビー・マタニティの通販/2019年2月21日現在
https://search.rakuten.co.jp/search/mall/%E3%81%8A%E9%A3%9F%E4%BA%8B%E3%82%A8%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%B3+%E9%95%B7%E8%A2%96/
※11 【楽天市場】シリコン ランチョンマット:キッズ・ベビー・マタニティの通販/2019年2月21日現在
https://search.rakuten.co.jp/search/mall/%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%80%80%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%88/100533/
※12 授乳・離乳の支援ガイド/厚生労働省/2019年2月21日現在
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0314-17.pdf

つかみ食べしないと心配?

つかみ食べをしたほうがよいと言われると、つかみ食べをしなくて心配というパパママもいらっしゃるでしょう。
どうして子供がつかみ食べをしないのか、どう促していけばよいのかをご紹介します。

 

つかみ食べをしない原因

【手が汚れるのが嫌】
手が汚れるのが嫌でつかみ食べをしないという子もいるでしょう。
ある研究では、食材や調理法によりつかみ食べの有無があると報告されています。
ごはんや汁ものよりも、おかずの方がつかみ食べの頻度が高い、おかずのレシピでもたまごの料理より肉や野菜の料理の方がつかみ食べの頻度が高い傾向にあるようです。※13
子供も手が汚れにくいものの方がつかみ食べをしやすいといえるのではないでしょうか。

 

【つかみづらい】
つかみ食べしやすい長さになっていないと、子供はつかみづらいので、手づかみしないかもしれません。
先の研究でも、手づかみをして食べた料理の長さは、手づかみをしなかった料理よりも長かったことが分かっています。
手づかみ時期の後半には、26.9mm前後のものは手づかみし22.2mm前後のものは手づかみしなかったと報告されています。※13
つかみ食べをしないと感じたら、子供がつかみやすいような長さと形状になっているか見直してみるのも有効だと言えます。


【無意識のうちに大人がさせていない】
親がつかみ食べに消極的なことも原因として考えられます。
親が時間に余裕がない場合や、汚れるのを懸念していると、子供が手づかみしないよう食べさせてあげてしまっている場合もあるでしょう。※14
そうすることで、子供も自分から手づかみすることがなくなっているのかもしれません。
確かに汚れると大変ですが、つかみ食べはその後スプーンで食べられるようになるための練習だと心得て、なるべく自分で食べる意識を持つよう環境を整えてあげてみてはいかがでしょうか。※15

 

つかみ食べを促す方法

つかみ食べをしない子には、つかみ食べしない原因を取り除いてあげるとよいでしょう。

 

【つかみやすいレシピを出すようにする】
つかみ食べの時期には、手をあまり汚さずに、子供が手で持ちやすいレシピを出してあげるようにするとよさそうです。
つかみ食べ向けおすすめ食材とレシピの章でご紹介したような、スティック状で持ちやすいレシピを試してみてはいかがでしょうか。
また、お皿もつかみ食べしやすいものになっているか見てみてください。
大き目で淵があるものにすると、子供が自分で料理をつかみやすいようです。
お皿が動いてしまわないよう、吸盤付きのものなども販売されています。※16

 

【子供の食べるペースに任せる】
つかみ食べをさせるためには、親が食べさせてあげるのではなく子供が自発的に食べるものだという認識を持たせましょう。
急いでいると親が食べさせてしまいがちですが、子供の食べるペースを大切にし、自発的に食事を進められるように親の心がけも大切だと言われています。※15

 

【お腹を空かせる】
あたり前ですが、食事の時間にお腹がすいていないと食事に前向きになれません。
食事の時間にはお腹がすくように、しっかりと体を動かしてあげることも大切です。※15
おやつを食べすぎていないか、食事の時間が不規則になっていないかも確認してみましょう。

 

※13  J-STAGE 乳幼児の手づかみ食べの発達過程とその料理要因の分析/池谷真梨子/2019年2月21日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience/49/6/49_371/_pdf
※14 乳幼児の手づかみ食べの発達過程および類型/池谷真梨子 柳沢幸江/2019年2月21日現在
https://www.jschild.med-all.net/Contents/private/cx3child/2015/007406/032/0884-0895.pdf
※15 授乳・離乳の支援ガイド/厚生労働省/2019年2月21日現在
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0314-17.pdf
※16 【楽天市場】ベビー食器 吸盤付き(授乳・お食事|ベビー):キッズ・ベビー・マタニティの通販/2019年2月21日現在
https://search.rakuten.co.jp/search/mall/%E5%90%B8%E7%9B%A4%E4%BB%98%E3%81%8D/207750/

まとめ

つかみ食べは、その後の子供の食生活を自立させるためにも積極的にさせたほうがよいものです。
パパママは、あちこち汚れてしまい掃除が大変ですし、子供の遊び食べに繋がるようでさせたくないという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、子供はつかみ食べを通じて、口と手指と目を連動させて上手に食べるという能力を育て、その後、スプーンや箸で食べられるようになるものです。
また、つかみ食べは子供の「自分で食べたい」という気持ちの表れでもあります。
その気持ちを阻止してしまわないよう、サポートしてあげましょう。
最近では、いろいろな便利グッズが販売されています。
それらを活用したり、その場で簡単に掃除できるように環境を整えておけば、多少汚れてもそれほど手間をかけずに掃除できるようになります。
また、あまり汚れないレシピを考えるのも1つの方法です。
汚れないレシピであれば、子供も手を汚さずに済むので食べやすいと感じてくれることでしょう。

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