アロエで体の奥から健康になろう!使い方もいろいろ!

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アロエというと、最近では食品の中に入っていることがありますが、ずっと昔にはちょっとした傷に塗るという使い方もされていました。
アロエにはほかにもいろいろな使い方があり、古くから世界中で愛されています。
アロエは、普段は観葉植物として楽しむこともでき、健康のために葉を切り取って活用することもできるため日本では広く長く人気があります。
アロエの真の健康パワーを知ると、もっと身近なものになるかもしれません。

目次

  1. アロエとは
    • アロエとは
    • アロエの歴史
  2. アロエの栄養成分
    • アロエがもつ栄養について
    • アロエに含まれる成分をもっと詳しく
  3. アロエを育ててみよう
    • 日本で育てることができるアロエ
    • アロエを上手に育てよう
  4. アロエの使い方いろいろ
    • 一番簡単な方法!アロエはそのまま丸かじり
    • 保存性に優れた粉末はとっても便利
    • 苦味が苦手な人はハチミツ漬けに
  5. アロエを上手に摂取するには
    • アロエの加工品
    • アロエの健康パワーをいかすには
  6. まとめ

アロエとは

アロエとは

例えば、ご近所を歩いているときなど、家の軒下や玄関先でアロエを見かけたことはありませんか?街中のさまざまなところで見かけるアロエは、花屋や園芸店でも流通することがある植物です。
厚い葉や茎を持つアロエは多年生の多肉植物で、世界では500種類以上、日本でも350種類くらいあるといわれています。
多くの種類があるアロエを大きく分けると、見て楽しむものと、健康に良いとされるものに分けることができます。
それでは、ほんの一部ですがアロエの種類を見てみましょう。※1、2、3

【見て楽しむアロエ】
・アロエ・フーミリス(帝王錦)※3
原産は南アフリカで小型。
紅色の花が咲き、葉は細長く、繁殖力の強い品種。

・アロエブレヴィフォリア(竜山)※3
第二次世界大戦前に日本に持ち込まれた品種で、繁殖力が強く、群生する。
葉は灰白色で、小さな赤い花が咲き、内側に湾曲している。

・アロエ・アリスタータ(綾錦)※3
冬に黄橙色の花が咲く。葉の数も多く、細長い葉を内側に巻き込むように密生する。
茎のない、小型の品種。

観賞用のアロエは学名の他に、葉の形や色、表面の斑点の美しさなどから園芸品種名がつけられています。
そのためソロモン王の碧玉冠雪女不夜城といった魅力的な名前を持つアロエも多く、鉢植えにして身近に楽しめることから観葉植物と考えている人も多くいます。※3、4

【健康パワーのあるアロエ】
・キダチアロエ
日本で知られている一般的なアロエで、温暖な地方を中心に自生している。
茎が木のように立ちあがっていることからキダチと呼ばれるようになった。
苦味が強く、葉は細くすんなりとしており、縁は三角形のトゲが密にある。※3、4

・アロエベラ
原産地は西インド諸島で、アメリカで流行し、その後日本へと普及した。
苦味はキダチアロエほど強くはなく、緑色の葉の部分以外は無味に近い。
学名はアロエ・バルバデンシスといい、ラテン語で真実のアロエという意味がある。
葉は巨大で厚く太いため、大きなものでは1枚が2~3kgになることもある。※3、4

健康パワーを持つアロエにはこのほかにも、ケープアロエやソコトラアロエなどといった品種がありますが、入手のしやすさから、日本ではキダチアロエアロエベラの2種類がよく知られています。
キダチアロエとアロエベラは、大きさや形は違うものの、含まれる成分はよく似ています。※1、2、3、4

アロエの歴史

アロエは古くから医者泣かせ・医者いらずなどの愛称で親しまれていました。
そのルーツは地中海沿岸といわれ、英雄であるアレキサンダー大王もアロエを愛用していました。
アレキサンダー大王は、遠征時には将兵にアロエを与え、彼らの健康を守っていたのです。 
そして、このアロエの健康パワーは、哲学者であるアリストテレスによって、アレキサンダー大王にもたらされたものだといわれています。※4

日本で最初のアロエの記録は、江戸時代、貝原益軒により記された大和本草という説があります。
その一方で、当時のポルトガルの宣教師が長崎にアロエを伝えたことが、日本におけるアロエ文化の始まりだという説もあります。※3、4
明治時代になると、日本では近代西洋医学を取り入れた医療制度の確立と整備が行われるようになりました。
これに伴い、アロエは明治19年蘆薈(ロカイ)として、日本薬局方に記載されることとなります。
その後アロエは日本でも広く愛されるようになり、第二次世界大戦後には観賞用のアロエの種類も増えていきました。※1、2、3、4

※2 厚生労働『「統合治療」に係る情報発信等推進事業』 「統合治療」情報発信サイト / 2020年1月31日閲覧
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c04/02.html
※1 一般社団法人日本サプリメント協会著 2017年6月第2刷発行 体の悩みを解決!ずっと健康に!サプリメント健康辞典 集英社
※3 肥田和夫監修 1994年4月発行 アロエ 効用・料理・育て方 梧桐書院
※4 主婦の友社編 2009年7月発行 永久保存版 アロエ健康法 主婦の友社 

アロエの栄養成分

アロエがもつ栄養について

アロエはアラビア語では、苦いという意味を持っています。
その名の通りアロエの葉を口にすると、とても苦い味がします。
この苦味には、健康パワーがギュッギュッと濃縮され、いろいろな成分が含まれています。
それでは、アロエの成分を大きく3つに分けて見てみましょう。※1、2、3、4

アロエに含まれる成分をもっと詳しく

アロエにはさまざまな成分が含まれますが、これを分類すると大きく3つに分けることができます。
多糖系成分、植物フェノール系成分、その他の成分です。
それぞれに分類される、成分名をみていきましょう。

 

【多糖系成分】

  • D-グルコン酸
  • アロエマンナン
  • D-マンノウロン酸
  • ムチン
  • アロクチンA・Bなど※3、4

 

【植物フェノール系成分】

  • アロイン
  • アロエエモジン
  • アロエウルシン
  • アロエチン
  • アロミチンなど※3、4 

 

【その他】

  • サポニン
  • タンニン
  • 植物ホルモン
  • アミノ酸類
  • ミネラルなど※3、4 

 

アロエには、ここには書ききれないほどの成分がたくさん詰まっています。
健康パワーが満載な植物なのです。

しかもアロエの成分は熱だけではなく、酸やアルカリにも強い性質を持っていますから、さまざまな方法で毎日摂取する事により、体を内側から健康へと導いてくれます。

アロエの利用法としては、自分で育てて必要な時に必要な分だけ生で使う、という方法があります。
それではアロエの育て方をご紹介しましょう。※1、2、3、4

※2 厚生労働『「統合治療」に係る情報発信等推進事業』 「統合治療」情報発信サイト / 2020年1月31日閲覧
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c04/02.html
※1 一般社団法人日本サプリメント協会著 2017年6月第2刷発行 体の悩みを解決!ずっと健康に!サプリメント健康辞典 集英社
※3 肥田和夫監修 1994年4月発行 アロエ 効用・料理・育て方 梧桐書院
※4 主婦の友社編 2009年7月発行 永久保存版 アロエ健康法 主婦の友社

アロエを育ててみよう

日本で育てることができるアロエ

せっかくアロエを育てるのであれば、健康パワーの詰まったキダチアロエやアロエベラがよいでしょう。
入手方法は園芸店や花屋のほか、すでにアロエを育てている人から分けてもらうなど、さまざまです。
アロエを育てている人から茎を分けてもらう方法では、育て方や利用方法など具体的に教えてもらうこともできるため心強いでしょう。
また、アロエの購入時期は、成長期が春と秋になるため、3月下旬から5月が最適です。
よいアロエを選ぶ条件は次のようになります。※3、4

 

【キダチアロエ】

  • 葉と葉の間隔が狭く、多くついている
  • 茎が太い
  • 葉が大きく厚みと弾力性がある※3、4

 

【アロエベラ】

  • 葉が密生している
  • 葉が大きく厚みがある
  • 地表近くで細い根が張っている※3、4

 

アロエを上手に育てよう

アロエは庭などに直接植える地植えと、植木鉢に植える鉢植えがありますが、鉢植えで育てる場合は1年に1回は植え替えを行います。
アロエは丈夫な植物で生育も早いため、1年で鉢の中は根でいっぱいになってしまいます。
根詰まりを起こさないためにも、一回り大きな鉢へ1年に1回は植え替えてあげるようにしましょう。
またアロエは丈夫とはいえ、元は温かな地方が原産であるため寒さと霜が苦手です。
水のやりすぎも、アロエの根を痛めてしまいます
長くアロエを楽しむためにも、管理の基本を知り上手に越冬しましょう。※3、4

※3 肥田和夫監修 1994年4月発行 アロエ 効用・料理・育て方 梧桐書院
※4 主婦の友社編 2009年7月発行 永久保存版 アロエ健康法 主婦の友社

アロエの使い方いろいろ

一番簡単な方法!アロエはそのまま丸かじり

アロエの一番簡単な摂取方法は、そのまま丸かじりしてしまう方法です。
庭先からとってきたばかりのアロエは健康パワーも強く、まさに元気の源ともいえます。
アロエの健康パワーは、古い葉ほど栄養分が長期間溜め込まれているため、キダチアロエでは下から、アロエベラでは外側から葉をとりましょう。※3、4
切った葉はしっかりと水で洗い、トゲを取ると後は食べるだけです。

生アロエは、およそ99%が水分です。※5
生のアロエを食べる場合、一般的には1日15g程度が目安とされています。※3
ただし、アロエに含まれる成分の中には、前述のようなさまざまな成分が含まれており、人によってはこれらの成分が働き過ぎてしまう可能性があります。
まずは1切れ程度のごく少量から始め、自分の体に合った量を食べるようにしましょう。※3、6
高齢者や子供でもアロエを生で食べることはできますが、成人と同じ量では逆に摂り過ぎになってしまいますので、成人の2分の1から3分の1くらいを目安にすると良いでしょう。※3
苦味が強くて食べることができないという場合には、葉のゼリー状の部分は苦みが少ないようですから、そこから食べ始めると良いでしょう。※1、2、3、4

保存性に優れた粉末はとっても便利

生食で簡単に摂れるアロエですが、乾燥させて粉末にすると携帯することができるため、旅行など外出の際には大変便利です。
切り取ったアロエの葉をよく洗い、薄く切って、晴れた日の屋外でカラカラになるまで干します。
乾燥したアロエをガーゼに包んで叩いて砕き、すり鉢で粉末にします。
さらに茶漉しなどでふるい粉にし、乾燥材を入れた瓶で保存します。
大人では1日に小匙1程度が目安です。※3
アロエの粉末はそのままでも飲めますが、飲みにくい場合にはオブラートに包むと飲みやすくなります。※1、3、4

苦味が苦手な人はハチミツ漬けに

アロエの苦味に慣れていない人や、体力が落ちているとき、また子供やお年寄りが摂取する場合には、アロエのハチミツ漬けが最適です。
アロエの葉を2~3枚水洗いし、2cm程度の幅に切り瓶の中に入れます。
この瓶に、アロエの葉が隠れるまでハチミツを入れ、冷暗所で1ヶ月程度放置し、水やお湯で割って飲みます。
アロエのハチミツ漬けの適量は、大人で1日ティースプーン2杯程度です。※3
お好みでアロエをハチミツに漬ける時にレモンを入れると、風味がよくなると共に、ビタミンCも一緒に摂取することができます。※3、4

この他にもアロエは、すりおろしたり、煎じたりといろいろな方法で加工し、摂取することができます。
自分に合った方法でアロエの健康パワーを積極的に摂取しましょう。※1、3、4

※2 厚生労働『「統合治療」に係る情報発信等推進事業』 「統合治療」情報発信サイト / 2020年1月31日閲覧
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/ov erseas/c04/02.html
※5 食品成分データベース アロエ / 2020年1月31日閲覧
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06328_7
※1 一般社団法人日本サプリメント協会著 2017年6月第2刷発行 体の悩みを解決!ずっと健康に!サプリメント健康辞典 集英社
※3 肥田和夫監修 1994年4月発行 アロエ 効用・料理・育て方 梧桐書院
※4 主婦の友社編 2009年7月発行 永久保存版 アロエ健康法 主婦の友社

アロエを上手に摂取するには

アロエの加工品

アロエを日々育てながら、新鮮な栄養を摂取できるという事はとても素晴らしいことです。
しかし忙しい現代ではアロエのお世話が誰にでもできるとは限りませんし、スペースを確保するのも大変です。※1、3、4
このような場合には、アロエの製品を利用するのも一つの手です。
アロエの加工品には、ゼリー状の部分から汁を絞ったジュースや、ゼリー状の部分を取り出して冷凍パックにしたもの、全葉を使用した粉末などいろいろなものがあります。
またアロエの苦さが苦手な人や、生のアロエの刺激はキツイという人も、加工品であれば利用しやすいこともあります。
アロエの葉は冬になると成長しなくなるため、この期間だけは加工品を利用するということのもよいでしょう。※1、2、3、4

アロエの健康パワーをいかすには

古くから万能な健康パワーで愛されてきたアロエですが、すべての人に合うというわけではありません。
アロエを初めて摂取するという方は、食後にゼリー部を一口食べるなど少量から始め、徐々にその量を増やしていくのがよいでしょう。
特に生で食べる場合には、最初はゼリー状の部分を食後に少量食べるようにし、慣れてきてから生葉を口にするようにしましょう。
アロエを摂取して体調に変化があった場合には、摂取量を減らすか、摂取を止めることも大切です。
自分の体とよく相談し、アロエを使用していくようにしましょう。※1、2、3、4、6

成人女性の場合では、アロエの使用により生理などに変化が起こることもあります。
また、授乳中の方も、母乳を通して乳児に影響を与える可能性があります。
このようなことから生理中や妊娠中、授乳期などにおいては、アロエを積極的に摂取するのは控えましょう。
日常的にアロエを摂取している方も、妊娠中や授乳中の摂取については産婦人科医師に相談すると良いでしょう。

さらにアロエには、いくつかのお薬と互いに影響しあう可能性があります。
特に、血糖値を調整するようなお薬を服用している方は、かかりつけ医とよく相談した上で、アロエを摂取するようにしましょう。
その他にもアロエにはお薬との飲み合わせに注意が必要とされるものがあるため、持病のある方や普段から医師が処方したお薬を飲んでいる方は、かかりつけ医に相談してみましょう。※1、2、3、4、6

アロエが持つ健康パワーは私たちにとってとても有益なものです。
しかし、アロエはどのような不調も直してくれる魔法のようなものではありません。
アロエの健康パワーを過信しすぎてしまうと、逆に体調を崩す可能性もあります。
日本には「過ぎざるは及ばざるがごとし」ということわざがあります。
何事もほどほどに、日頃から自分の体ときちんと向き合い、大きな体調の変化が起きた時には医師の診察を受けるようにしましょう。※1、2、3、4、5

※2 厚生労働『「統合治療」に係る情報発信等推進事業』 「統合治療」情報発信サイト / 2020年1月31日閲覧
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c04/02.html
※1 一般社団法人 日本サプリメント協会著 2017年6月第2刷発行 体の悩みを解決!ずっと健康に!サプリメント健康辞典 集英社
※3 肥田和夫監修 1994年4月発行 アロエ 効用・料理・育て方 梧桐書院
※4 主婦の友社編 2009年7月発行 永久保存版 アロエ健康法 主婦の友社
※6 日本医師会/日本歯科医師会/日本薬剤師会監修  2019年7月第6版第1刷発行 健康食品・サプリ[成分]のすべて ナチュラルメディシン・データベース 日本対応版<第6版> 同文書院

まとめ

アロエは比較的育てやすく、健康にも良いといわれますので、自宅で育ててみてはいかがでしょうか。
しかし、育てやすいとはいえ、多少は手をかける必要があります。
手をかけずにアロエの健康パワーを得たいという方は、食品としてのアロエを試してみるのも良いでしょう。
アロエを上手に摂って、元気な毎日を過ごしましょう。

ライター
岡部
看護師
埼玉県内総合病院手術室(6年)、眼科クリニック(半年)勤務、IT関連企業(10年)勤務、都内総合病院手術室(1年半)、千葉県内眼科クリニック(1年)勤務
2011年よりヘルスケアライターとして活動。 現在は、一般向け疾患啓発サイト、医療従事者向け情報サイト等での執筆、 医療従事者への取材、記事作成などを行う。
一般向けおよび医療従事者向け書籍
○執筆・編集協力
・看護の現場ですぐに役立つICU看護のキホン (ナースのためのスキルアップノート)
・看護の現場ですぐに役立つ 人工呼吸ケアのキホン (ナースのためのスキルアップノート)
・看護の現場ですぐに役立つ ドレーン管理のキホン (ナースのためのスキルアップノート)  他
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