頭皮の日焼けはフケの原因にも?ケアの方法や対策を徹底解説

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頭皮や髪の紫外線対策はできていますか?
頭は最も太陽に近く、紫外線の影響を受けている場所です。
トリートメントで毎日ヘアケアはしていても、頭皮の紫外線対策、日焼けのケアの方法はなかなか知らないもの。
今回は頭皮の日焼けについて、うっかり日焼けをしてしまった時や髪のケアや、紫外線対策法などを紹介していきますね。

目次

  1. 頭皮が日焼けするとどうなる?
    • 乾燥してフケの原因にも
    • 頭皮が赤くなる
  2. 頭皮が日焼けしてしまった時のケア方法
    • 日焼けして赤くなってしまったときのケア
    • フケや皮剥けがある時のケア
    • 頭皮の痛みや、分泌物が出たりした場合のケア
  3. 痛い時や皮がめくれている時のシャンプーの仕方
    • 日焼けによる頭皮ダメージがある時のヘアケア
    • 頭皮にダメージがある時のシャンプーの選び方
    • 正しいシャンプーの仕方
  4. 頭皮に日焼け止めは使えない!頭皮の紫外線対策は帽子や日傘で
    • 帽子や日傘の選び方
  5. 髪の毛も日焼けしているかも!日焼けした状態と紫外線対策
    • 髪の毛が日焼けすると…
    • 髪の毛の日焼け対策
  6. まとめ

頭皮が日焼けするとどうなる?

紫外線対策では顔やボディを中心に行っていると思います。
頭皮は髪に守られているため、対策を忘れてしまいがちですが、実は一番紫外線が当たりやすい場所であり、顔の3~4倍浴びているといわれています。※1
頭皮が日焼けしてしまったときは以下のようなトラブルがおこることがあります。

 

乾燥してフケの原因にも

頭皮が日焼けをしてしまうと、皮がめくれるだけでなくフケの原因にもなりかねません。
紫外線の影響によってターンオーバーが早まると、皮膚は正常に戻ろうと機能します。
しかし紫外線の影響でセラミドが充分に生成されず、バリア機能が低下して皮膚は敏感に。※3
水分を保つ力が低下すると皮膚は乾燥してしまうので、日焼け後に乾燥を起こりやすくなります。※3


ここで、少しターンオーバーについて解説します。
頭皮は他の皮膚と仕組みは同じで表皮と真皮に分かれています。
皮膚の基底層では新しい細胞が作られ、細胞分裂が進み、古くなった角質が表面に押し出され、剥がれ落ちて新しいものへと入れ替わります。※1
この仕組みは「ターンオーバー」といわれるもので、頭皮の正常なサイクルは約4週間の28日周期と言われています。※1
ターンオーバーが正常であれば、古くなった角質は洗髪の際に取り除かれます。
しかし、生活習慣が乱れたり、ストレスを感じたりしてターンオーバーが乱れると、表皮が荒れて角質がまとめて剥がれ落ち、目に見える状態としてフケが発生します。※1※2
皮膚の表皮の働きとして、角質層の水分の保持や、外的な刺激を防ぐなど様々な機能があります。※3

 

頭皮が赤くなる

日焼けをすると頭皮が赤くなります
これは、紫外線により炎症を起こしている状態です。
紫外線の種類と日焼けの状態を少し詳しく解説します。

 

【紫外線の種類】
まず紫外線には波長があり、3種類に分けられています。※3

  • UVA
    長波紫外線と呼ばれ、波長320~400nmで全紫外線の90%を占めていて、エネルギーは弱いものの、雲やガラス、衣服も透過し、真皮まで届きます。※3
  • UVB
    短波紫外線と呼ばれ、波長280~320nmで、全紫外線の10%以下ですが、エネルギーが強いため、やけどのような皮膚状態を引き起こします。※3
    雲などで遮られやすいので、真皮まで到達することはほとんどありません。※3
  • UVC
    波長190~280nmで、オゾン層によって吸収され地上に到達することがほとんどありません。※3

 

【紫外線による日焼け】
紫外線の影響によって起こる2種類の日焼けがあります。

  • サンバーン
    炎症を起こし赤くなる日焼けで、赤くなり熱を持っているやけどと同じ状態になったりします。
    紫外線を浴びてから、8~12時間でピークに達して炎症は数日続く場合があります。※3
    紫外線の波長UVBによって起こります。※3
  • サンタン
    日焼けによって肌が黒くなることです。
    通常サンバーンが起こった2、3日後消失しサンタンが起こります。※2※3
    紫外線波長UVA、UVBの影響で起こります。
    サンタンは、皮膚のメラニン色素が産生され色素沈着起こし、肌が黒っぽく褐色に変化します。※3

健康な頭皮の色は青白い色なので、日焼け後に頭皮が赤いのは、サンバーンの反応で炎症を起こした状態といえます。※2※3

 

頭皮が日焼けしてしまった時のケア方法

日焼けをした後にヒリヒリしたり、触れた際に痛みがあったりする場合があります。

 

日焼けして赤くなってしまったときのケア

頭皮がやけどしている状態と一緒ですから、クールダウンをするため冷やすことが大切です。
濡れたタオルを置いて冷やす、タオルやハンカチなどで包んだ保冷剤を頭皮に当てて鎮静するといいでしょう。※3

 

フケや皮剥けがある時のケア

日焼けの影響で敏感肌になっているので、なるべく掻き毟らないようにします。
シャンプーのときは、ぬるま湯を使って優しく洗い、低刺激性のシャンプーを使います。※3
爪を立てて洗ったり、タオルで強くゴシゴシ擦ったりしないようにしましょう。
乾燥している状態なので、スカルプ用の保湿ローションを塗ってあげると良いでしょう。※3
もしない場合は、顔用の化粧水も使用できますが、アルコールが含まれているものは、日焼けの敏感になった頭皮には刺激になってしまいます。
敏感肌用のスキンケアを選びましょう。※3

 

頭皮の痛みや、分泌物が出たりした場合のケア

分泌物は水ぶくれから漏れ出たものと考えられるので、早めに皮膚科を受診するようにしましょう。
痛みがあるときや、水ぶくれがある状態では、洗髪が上手くできず、頭皮の汚れがしっかりと落とせないことで余分な皮脂や汚れが詰まってしまったりします。※3
そのような状態ではさらに炎症してしまいますので、早めに医療機関で見てもらうのが、健康な頭皮に戻るための近道です。
このような症状が出ている時期は、カラーやパーマなどは頭皮に負担になるので、炎症を起こしている場合は行わない方が良いでしょう。

※3「スキンケア美容医学事典」/著者:吉木伸子/株式会社池田書店/2011年9月発行/2020年3月19日現在

痛い時や皮がめくれている時のシャンプーの仕方

日焼けによる頭皮ダメージがある時のヘアケア

日焼け後の炎症が起きていて、痛みなどを感じるときは、なるべく髪をまとめてセットする、スタイリング剤などの使用をすると、さらに頭皮に負担が掛かってしまうため控えましょう。
その場合はシャンプーの使用も控え、洗髪は2日に1回くらいにして、お湯での洗髪が望ましいです。※4
シャンプーで洗浄するより、すすぎの時間を長くして、シャンプーが髪や頭皮に残さないことを心掛けましょう。※4※5
ドライヤーの使い方は、熱を1カ所に当てすぎないことが大切です。※4
ドライヤーを高熱にせず全体に温風を当てて乾かし、髪も過度に乾燥させないようにします。※4

 

頭皮にダメージがある時のシャンプーの選び方

使用後にベタついたり乾燥したりと偏りがないように、使って頭皮にあうものを選びます。※5
かゆみや、フケが出てしまうシャンプーは、頭皮に負担が掛かっているサインなので、変えたほうが良いでしょう。※5
市販のシャンプーは大きく3つに分類されていますが、頭皮にトラブルがある場合はアミノ酸系シャンプーを選びましょう。
洗髪時のシャンプーの使用量は500円効果程度(ショートカットで約3~5ml)を目安に、頭皮の状態などによって、量を加減して使用しましょう。※4※5

 

  • せっけん系
    脂肪酸ナトリウムなどから作られる合成界面活性剤で、毛穴の汚れまで落ち洗浄力が高いもので、頭皮環境が正常、もしくはオイリーな場合に向いています。
    ですが、せっけんカスが髪や頭皮に残りやすく、よく洗い流す必要があるので、頭皮への刺激は強くなってしまいます。
    アルカリ性なので髪が膨満し、パサつきやきしんだりします。※4※5
  • 高級アルコール系
    市販のシャンプーでは最も多い種類です。
    鉱物油や、動物性油脂などから作られている合成界面活性剤です。
    泡立ちが良く、洗浄力も高いのが特徴で、髪や頭皮への刺激も強くなっています。
    天然系、石油系があり、石油系は敏感になっている頭皮には向きません。※4※5
  • アミノ酸系
    アミノ酸から作られている合成界面活性剤で、洗浄力は他にものに比べて弱いですが、低刺激のため頭皮が乾燥している時や、頭皮にダメージがある場合にも使用できます。
    アミノ酸系のシャンプーには、天然と合成があり、天然のものはアレルギー体質の方や、頭皮にダメージがある方に向きます。※4※5
    健康な頭皮や髪は、pHが4.5~6.5の微酸性から弱酸性の状態のため、頭皮のためには弱酸性のシャンプーが良いです。
    アミノ酸系の低刺激なものを選びましょう。※4※5

 

正しいシャンプーの仕方

頭皮のためにはシャンプーの仕方にも注意が必要です。
シャンプーは、ヒンディー語の「チャンプー」が語源と言われ、チャンプーは髪を洗うという意味ではなく、マッサージするという意味です。※4
本来の目的は頭皮の汚れや皮脂を落として清潔を保つことなので、シャンプーは髪を洗うのではなく、皮膚である頭皮を洗ってあげましょう。※4

 

  1. 髪のもつれを梳かす
    髪は濡れると絡みやすく、もつれがある状態で行うと、洗うときに余計な力がかかり髪にも頭皮にもダメージの原因になってしまいます。
    目の荒いブラシや櫛で、あらかじめ髪を梳かしておきましょう。※4
  2. 地肌と髪を満遍なく濡らす
    40℃前後のお湯で、地肌と髪をしっかりと濡らしておくことで、シャンプーの泡立ちが良くなり、ゴシゴシと洗う必要がなくなります。※4
    ダメージを受けた頭皮を優しく洗うことができるので、シャンプーをする前の準備としてしっかりと濡らしておきましょう。※4
  3. シャンプーは手の上で泡立てる
    シャンプーは手にひらに適量とって泡立ててから、馴染ませます。
    直接シャンプーをつけると、泡立てる際に余計な摩擦が生じて、頭皮に負担が掛かってしまいます。※4
  4. 襟足から頭頂部に向かって洗う
    襟足から頭頂部に向かって頭皮をマッサージするように洗います。
    指先で洗うと、爪が当たって頭皮にダメージを与えてしまうので、指の腹を頭皮に密着させて洗います。
    ゴシゴシと力を入れずに包み込むように洗うようにしましょう。※4
  5. シャンプーのすすぎ残しはNG
    シャンプーが残っていると、フケやかゆみの原因になります。
    日焼けした頭皮は紫外線の影響で、バリア機能が低下しているため、さらにフケやかゆみが出てしまう可能性があります。※4
    髪に逆らうようにしてシャワーを下から上に当てて、しっかりとすすぎます。
    最後に頭皮にシャワーを当て、手のひらに湯をためるように流すと、すすぎ残しを防ぐことができます。※4

 

頭皮に日焼け止めは使えない!頭皮の紫外線対策は帽子や日傘で

頭皮の日焼けに注意といっても、顔や身体に使用する日焼け止めを頭皮や、髪には使用は向きません。※3
髪の紫外線防止スプレーなどもありますが、頭皮の日焼け止めを防止する目的ではないので、頭皮に直接スプレーをすると、頭皮にダメージを与えることになってしまうため注意しましょう。※3
頭皮の紫外線対策で有効な方法は、帽子や日傘を使うことです。※4

 

帽子や日傘の選び方

【通気性のよい素材】
帽子を長時間かぶっていると、汗をかきます。
藁や木綿素材のもので通気性が良いものを選びましょう。※4
頭皮を汗で濡れたままにしておくと、常在菌を繁殖させてしまうため、臭いの原因になってしまうことも。
日焼けをしてしまった後、乾燥するので保湿は大切ですが、帽子をかぶったままで必要以上に頭皮が湿潤であると、皮膚のバリア機能が低下してしまいます。
室内では帽子を取り、頭皮が濡れたり蒸れたりしていないかの確認を意識してみましょう。※3※4

 

【UVカット効果のあるもの】
また、現在はUVカット効果のある帽子や日傘もあるので有用です。
日傘はUV○%カットと書かれているものがあります。
これは紫外線遮蔽率が表示されていますから、そちらも参考にして選ぶのも良いでしょう。※4
UVカット加工を施されている日傘は、生地に紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を使用して加工しており、時間とともに効果は2~3年ほどで薄れていきます。※4
十分な紫外線対策のためには買い換えも検討しましょう。※3※4
髪は日焼けを防いでくれますが、髪の分け目は頭皮に紫外線が直接当たりダメージが集中しやすい場所。
帽子などを使用できない場合は、髪の分け目を変える方法もあります。※4

 

髪の毛も日焼けしているかも!日焼けした状態と紫外線対策

髪の毛が日焼けすると…

健康な髪はよく知られるキューティクルが、表面にうろこ状に並んだ細胞層で、毛の内部を守っています。※3※4
紫外線や、スタイリングなどの刺激によってこのキューティクルは、削れたり剥がれたりして、髪はパサつきや切れ毛の原因になります。※3※4
髪の内部にはメラニンが存在しますが、髪の表面を覆うキューティクルにはメラニンがないので、紫外線の影響を受けやすいのです。
髪は生きた細胞ではないため1度痛んでしまうと修復が難しくなります
日々の紫外線対策やケアがとても重要なのです。

 

髪の毛の日焼け対策

帽子や日傘をさすことは、髪の紫外線対策にもなります。※4
髪の日焼け止めスプレーで紫外線対策をしても良いですが、スプレーを使用する際には頭皮に直接かからないようにします
日焼け止めを使用した後は、しっかりとシャンプーで優しく洗い落としましょう。
※4※6
髪は表皮から発生する皮膚の一部で、日常生活で重要な働きをしています。
体温の低下を防いだり、外的刺激から守ったりする役割があります。※4
正しく紫外線ケアをして髪の毛を守りましょう。

 

まとめ

頭皮も髪も皮膚ですので、顔のスキンケアやボディケア同様に、ケアが大切になります。
紫外線対策の重要性が唱えられているので、様々なアイテムも登場していますが、自身の状態にあうものを見極めて。
パーツ別の対策をしていきましょう!

ライター
杉村
准看護師免許
人工透析で2年間、美容クリニックで半年勤務、その後、内科・皮膚科・美容皮膚科・形成外科・婦人科・乳腺科などの総合しているクリニックで現場主任を務める。
現在は、透析のクリニックに勤務しながら、現場で培った経験を元に、美容ライター業も行っている。
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