「ダイエット中の朝食抜きはNG?おすすめの献立は?」

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ダイエット中には、普段より食べる物を選んだり、量を調節したりなどの食事管理が必要になりますよね。
そこで、一般的には、「ダイエット中に朝食を抜くと太る!」と言われていますが、はたしてそれは本当なのでしょうか?
本日は、ダイエットと朝食の関係を解説しながら、具体的に、普段の生活にも取り入れやすい朝食の摂り方をご紹介します。

ダイエット中は朝食を抜く?抜かない?

朝食を食べる、もしくは食べないことには、それぞれに異なるメリットがあります。
ダイエット中に朝食を食べるメリットは、激しい空腹状態からの急激な血糖値上昇を抑えられることや、朝食から摂ったエネルギーを利用して、日中活動的に過ごせることなどです。
こちらに関しても、朝食を食べた人と食べてない人を比べた研究で、百マス計算の正解率は、朝食を食べた人の方が高くなることがわかっています。※1
脳が活動するエネルギーとなるのは主に「ブドウ糖」です。※1
朝食でブドウ糖を補うことによって、計算力や注意力、集中力を高めることができます。※1
空腹時間が長くなると、体内でブドウ糖はだんだん少なくなってしまうため、適度なタイミングで補給してあげることが大切です。
しかし、前日の夕食を食べた時間が遅かったり、量が多かったりした場合には、逆に朝食は控え目に済ました方がいいでしょう。
なぜなら、翌日の起床時には、まだ身体の中に前日の余分なエネルギーが蓄積されている状態なので、そのうえで朝食を食べてしまうと、更に消化管に負担がかかってしまうからです。
また、余分なエネルギーはずっと体内に蓄積されていると、次第に脂肪へと変化していきます。
ダイエット中には、前日の夜の食事時間や量に合わせて、朝食の量を調節していきましょう!

一方で、実は、ダイエット中に朝食を食べないメリットもあります。
それは、一日のエネルギー量を適度に抑え、消化管への負担を減らせるということです。
成人における朝食の欠食率は、男性で約15%、女性で約10%となっています。※2
また、男女ともに20歳代で最も欠食率が高く、若い年代の人の中には、ダイエットをしているかどうかに関わらず、普段から朝食を食べる習慣がない方も少なくないのではないでしょうか。※2

ある研究では、今まで朝食を食べる習慣がなかった人が、毎日朝食を食べるようにすると、朝食の分だけ摂取カロリーが増えて、太ってしまったという結果が得られました。※3
朝食を食べることによって、空腹感や満腹感に大きな変化はなく、昼食や夕食の食事量が減ったわけでもなかったので、このような結果になったそうです。※3
普段から朝食を食べない方の場合は、ダイエットを始めたから朝食は毎日しっかり食べないといけないと考えていると、かえって今より太ってしまう可能性もあるということですね。
ですので、そういった時は、朝食を無理してしっかり食べずに、野菜ジュースやヨーグルトなど軽いものを食べることで、必要な水分をしっかり補給するとともに、身体にも心にも負担少なく過ごすことができますね

※1 朝食摂取が加算作業へ及ぼす影響/武田秀勝, 浅野葉子, 角田和彦, 内田友香理, 横野裕幸, 秋月一城/藤女子大学紀要/2012年3月1日発行/2020年8月15日現在
https://core.ac.uk/download/pdf/72758097.pdf
※2 朝食欠食率/ e-ヘルスネット/厚生労働省/2020年8月15日現在
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-020.html
※3 A randomized controlled trial to study the effects of breakfast on energy intake, physical activity, and body fat in women who are nonhabitual breakfast eaters/Gabrielle Marie LeCheminant, James D LeCheminant, Larry A Tucker, Bruce W Bailey/Appetite/2017年5月1日発行/2020年8月15日現在
https://translate.google.com/translate?hl=ja&sl=en&u=https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28063876/&prev=search&pto=aue

ダイエット中におすすめの朝食メニュー

ダイエット中には、栄養バランスを考えて朝食を食べましょう!
とは言うものの…実際何をどれくらい食べたらいいのかな?とイメージが付かない方もいると思います。
そこで、栄養バランス整える簡単な方法として、「食事バランスガイド」というものがあります。
「食事バランスガイド」とは、人々の健康向上を目的に、1日に、「何を」、「どれだけ」食べたらよいかを考える際の、食事の望ましい組み合わせとおおよその量をイラストでわかりやすく示したものです。※4
主食・副菜・主菜・乳製品・果物の5分野に分けて示してあるので、その中から選択して考えると、朝食メニューも簡単に選べますね

では、実際におすすめの朝食メニューを紹介していきますね。


・ごはん+焼き鮭+野菜サラダ+お味噌汁
鮭には、三大栄養素であるタンパク質だけでなく、ビタミン類やアスタキサンチン、DHA、EPAなどを豊富に含みます
アスタキサンチンとは、鮭の赤い色素物質なのですが、非常に高い抗酸化力があるため、老化防止や疲労回復に効果的とされています
ダイエット中のトレーニングの疲れを軽減し、ハリやツヤのあるお肌を作る手助けになりますね。
また、DHAとEPAは、必須脂肪酸という栄養素の一種です。
脂肪酸は、必須脂肪酸と非必須脂肪酸に分けられるのですが、非必須脂肪酸が体内で合成することができる一方で、必須脂肪酸は体内で合成することができません。
そのため、魚類などDHAやEPAを多く含む食べ物から摂取しなければいけないのです。
DHAとEPAには、中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす効果があるため、ダイエットや病気の予防には欠かせない栄養素です
今回は焼き鮭を用いましたが、イワシやサンマ、サバなどに変更しても大丈夫ですよ!

その他にも、野菜サラダや味噌汁に含まれる栄養素からも、ダイエットの効果を高めることができます。
例えば、野菜に含まれる食物繊維や、味噌の褐色色素であるメライノイジンには、食後の血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります
そのため、こちらのメニューの場合は、まず野菜サラダや味噌汁から食べ始めると、ダイエット効果を実感しやすくなりますね。

 

・ごはん+納豆+生卵+オクラ
納豆には、タンパク質や脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などがバランスよく含まれています
これらの栄養素は体内でそれぞれ大切な役割を持っているのですが、卵と組み合わせることによって、「動物性タンパク質」と「植物性タンパク質」を一緒に摂ることが可能になり、栄養バランスアップに繋がります
また、毎日納豆を食べることで、腸内に善玉菌が補充され続けるため、便秘予防にもなりますね
全てをご飯に乗せて「ねばねば丼」にすると、おいしく手軽に栄養を摂れますよ。
可能であれば、ごはんをもち麦ごはんに変更すると、食物繊維もしっかり摂ることができるのでおすすめです。

 

・野菜たっぷりサラダボウル+果物
食事バランスガイドでは、野菜の他にきのこ類や豆、いも、海藻なども含めて「副菜」とし、1日5~6皿、野菜だけだと約350gの摂取が目標となっています。※5
ですが、「国民健康・栄養調査」では、野菜類平均摂取量は、成人男性で約290g、女性で約270gです。※5
目標としている摂取量より下回っていることから、野菜は日常生活の中でどうしても不足しやすい食べ物だと言えるでしょう。
確かに、外食やコンビニ食では、料理に使用されている野菜の種類はあまり多くありません
そこで、朝食で、色々な野菜たっぷりのサラダボウルを食べると、意識的に野菜不足を解消することができます
その際には、サラダボウルのカラフルさを意識して、できるだけ多くの種類の野菜を食べることが大切です。
また、サラダにかける調味料も、塩分が少ないものを選ぶなどひと工夫すると、より健康的ですね

 

※4「食事バランスガイド」について/農林水産省/2020年8月15日現在
https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/index.html
※5 野菜、食べていますか?/ e-ヘルスネット/厚生労働省/2020年8月15日現在
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-015.html

簡単に済ませたい!パンやシリアル、ヨーグルトの朝食のコツ

朝からしっかり和食を食べるのは難しい、手間をできるだけかけたくない…という方は、朝食にパンやシリアル、ヨーグルトなどを選ぶのではないでしょうか。
これらはかなり準備が簡単で満足度の高い食べ物ですが、市販されている商品の選び方によっては高エネルギー、高脂肪で栄養が偏りやすくなってしまいます
そのため、それぞれを選ぶポイントと、朝食で食べるときのコツを知っておくことが大切です。

 

・パン
パンを朝食に食べる時は、「何から・どうやって作られているか」に注目して選びましょう。
スーパーには、白い小麦粉から作られているパンが多く並んでいます。
白い小麦粉は一度、精製されているため、元々原料に含まれていたビタミンやミネラルが取り除かれ、食物繊維も精製されていないものと比べるとかなり少なくなってしまいます
そのうえ、パンにする過程でバターや砂糖を混ぜたりすると、脂質や糖質、塩分が過剰となってしまいますね
そこで、全粒粉やライ麦、米粉などから作られているパンを選ぶことがおすすめです
全粒粉は、精製されていない小麦粉なので、白い小麦粉に比べると色も茶色く、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富です。
白米と玄米の違いと同じ雰囲気だと考えると、イメージしやすいですね。
ライ麦は、全粒粉よりさらに、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富です。
どっしりとした酸味のある食感になるため、好みが分かれます。

「何から」作られているかを考えたら、次は「どうやって」作られているかを考えてみましょう。
パンの作り方は、蒸す・焼く・揚げるなど様々ですよね。
カレーパンやお惣菜パンはカリっと揚げられて味がしっかり付いているものが多いですが、朝食として食べるには胃腸にも負担がかかるため、できるだけ選ばないようにしましょう
全粒粉やライ麦で作られた野菜たっぷりのサンドイッチは、栄養を幅広く摂取できるのでおすすめです。

 

・シリアル
シリアルを朝食に食べる時は、「成分表示」に注目して選びましょう。
シリアルは主成分が穀物、つまり炭水化物であるうえに、甘く味付けされているものが多くなっています。
種類はたくさんある中で、コーンフレークやグラノーラが人気ですが、どちらも高エネルギーかつ、高糖質なので、健康的視点から考えると避けてほしい食品です

砂糖や蜂蜜、添加物などでおいしく味付けされていないシリアルとして朝食におすすめなのは、オートミールです。
オートミールとは、燕麦を脱穀したもので、糖質も低く食物繊維が豊富なので、手軽に栄養を摂ることができます
そこで、最近ではオートミールでもおいしく味付けされたものが販売されていることもあるので、パッケージの成分表示をしっかり確認してくださいね。

 

・ヨーグルト
ヨーグルトを朝食に食べる時は、「無糖」に注目して選びましょう。
一見、ヨーグルトは乳酸菌が豊富で、腸内環境を改善する効果もあるなど健康的な食品として取り扱われています。
ですが、市販のヨーグルトの中には砂糖や甘いソースで味付けをした商品が多いので、それを選んでしまうと、逆に栄養バランスが偏ってしまいます
無糖の商品を選んで、もし甘さが足りない場合はカットフルーツを加えたり、蜂蜜を少量加えたりすると自然な甘さが出ますよ。
また、オリゴ糖は乳酸菌などの増殖を助けて腸内環境を改善する「プレバイオティクス」と呼ばれています。※6
オリゴ糖はスーパーなどで市販されているので、ヨーグルトの味付けとして加えてみてもいいですね。

※6 乳酸菌/ e-ヘルスネット/厚生労働省/2020年8月15日現在
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-026.html

コンビニで買って会社で朝食!ダイエット中の注意点

朝はいつも時間がないから、家では朝食を食べないで、コンビニで買ってから会社で食べるという方も少なからずいらっしゃいますよね。
朝ごはんのスタイルは人それぞれなので、ストレスなく食事ができることが一番大切です。
ですが、会社で手軽に食べれるものとなると、ついついいつも菓子パンとコーヒーといった組み合わせになってしまいがちではないでしょうか?
この組み合わせは、高エネルギーなうえに、高脂質、高糖質となってしまうため、ダイエット中にはおすすめできません
菓子パンは確かに…だけどコーヒーは飲み物なのになんで?と疑問に思うかもしれませんが、コーヒーは、個人の嗜好を満足させるために用いられる飲料で「嗜好飲料」と呼ばれます。
朝だけでなく、食後や仕事後にコーヒーを飲む習慣がある方は特に注意して頂きたいのですが、コーヒーに表示されている「ノンカロリー」「ノンシュガー」「微糖」などは、必ずしも0kcal、砂糖0gとは限りません
そのため、何杯もコーヒーを飲むとエネルギーの過剰摂取になってしまいます

ダイエット中には、できるだけヘルシーで栄養バランスを整えるためにも、菓子パンよりシンプルな味のパンやおにぎりを選びましょう。
また、コーヒーを食塩・砂糖不使用の野菜ジュースに変えることで、生野菜には劣りますが、比較的手軽に野菜を摂ることができます

現代の日本では、ファーストフードや洋食などといった食事の欧米化が加速化しています。
コンビニでもパンやパスタ、ホットスナックなどが簡単に手に入りますよね。
ですが、こういった食品は、どうしてもカロリーが高くなってしまう傾向にあるのでダイエットには不向きです
できる限り、毎日の食事の中で日本人に合っている和の食品を摂り入れてみましょう!

まとめ

本日は、ダイエット中で朝食を抜いたほうがいいのか、食べるなら何がいいのか悩んでいる方へ向けて、ダイエットと朝食の関係や、普段の生活にも取り入れやすい方法をご紹介いたしました
ダイエット中は朝食を食べる場合でも、食べない場合でもそれぞれメリットとデメリットがありましたね。
どちらを選ぶかは個人の自由ですが、不規則に朝食を食べたり食べなかったりすると身体にも心にも負担がかかってしまうため、注意が必要です
食事も運動も、できる限り習慣づけて継続して行うことがダイエット成功への近道です!

監修者
栗原
看護師、保健師、アロマリンパオイルテラピスト
大学病院の総合外科で、消化器・呼吸器・乳腺・血管専⾨病棟で 3年勤務。
過労にて⼼身ともに体調を崩すも⾃身の健康を守るため予防医学と美容に特化したクリニックに転職し、クリニックの広報の他、健康メディアのライターも務める。 美容健康セミナーなどのイベントも開催し、SNSでは予防医学・ 健康的なダイエット法・自⾝身の経験から看護師の働き⽅方について発信。
プロダンサーとしても、都内・海外で活動を行い、看護師の新たな働き方のモデルケースになるべくマルチに活動を行っている。
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