いま話題のポリフェノール!意外と知らないその働きとは!

公開日:2020.01.31

赤ワインやブルーベリー、緑茶やココアなどにも含まれる、ポリフェノールの仲間たちがいます。
ポリフェノールにはたくさんの種類がありますが、いずれも私たちの体にとって、とても大切な働きをしてくれる、力強い味方なのです。
1990年代初頭から、世界的にも注目され、今もなお脚光を浴びるポリフェノール、その力に迫ります。

目次

  1. ポリフェノールとは
    • ポリフェノールとは
    • ポリフェノールの種類
  2. 息を吸うだけで身体はどんどんサビついていく!
    • 身体がサビついてしまう理由
    • サビてしまった身体に起こる怖いこと
    • サビと戦うポリフェノール!
  3. ポリフェノールはこうやって摂ろう!
    • ポリフェノールを多く含む食品
    • ポリフェノールの1日の摂取量
    • こまめにとりたいポリフェノール
  4. まとめ

ポリフェノールとは

ポリフェノールとは

ポリフェノールの「ポリ」には「たくさんの」という意味があります。
ポリフェノールは、たくさんのフェノールということになりますね。
では、フェノールとは何を表すのでしょうか。
フェノールとは、その成分の化学式を見たときに、ベンゼンの水素1つがヒドロキシ基でおきかえられたものを指します。
つまりポリフェノールは、ベンゼン環に複数の水酸基が結合したものの総称ということになります。

これまでに8000種類を超えるポリフェノールが、天然物の中から見つけられています。
植物に含まれているポリフェノールは、色素やアク、渋み、苦味の成分となり、ほとんどの植物の茎や葉に含まれています。
ところで、植物にとって、紫外線や乾燥など、外界からのすべての刺激が「ストレス」となることをご存知でしょうか。
植物は太古の昔から、このようなストレスから身を守るために、色素やアクなどの成分となるケミカル(化学物質)を作り出していると考えられています。

植物にとって、自分自身を守るために作り出した自己防衛成分=ケミカルですが、実はこれが私たちの体にとっても、良い影響をたくさん与えてくれる成分なのです。
ケミカルは、体の生理的機能を活性化させる「機能性成分」と呼ばれ、注目を集めています。
機能性成分は野菜や豆類、いも、海藻などの植物から見つかっており、これらを総称して「フィトケミカル」と呼ぶこともあります。

ポリフェノールの種類

ポリフェノールにはたくさんの種類があり、それぞれが独自の特徴を持っています。
たくさんあるポリフェノールの中から、代表的なものをいくつかご紹介します。

・アントシアニン
ブルーベリーなどに多く含まれているポリフェノールで、ブルーベリーの色を決めていると言われています。
ロドプシンという栄養素の生成を、促進する働きがあります。

・イソフラボン
大豆などに多く含まれるポリフェノールです。
女性ホルモン「エストロゲン」と似た働きがあり、美しさや若々しさの手助けをしてくれます。

・カテキン
緑茶などに多く含まれるフラボノイドの一種ですが、ポリフェノールを含んでいます。
日本人にとっては、とても馴染みの深い栄養素ですね。
カテキンは、お茶の「渋み」を出す成分ですが、近年ではカテキンの持つ機能に注目した医薬品や化粧品の開発が行われています。

・クルクミン
ウコンから抽出されるターメリックの主成分です。
分かりやすく言えば、ターメリックを黄色く見せているのが、このクルクミンです。
カレーの色を付けている成分、と考えると分かりやすいでしょうか。
脂溶性で水に溶けにくいという性質があります。

・ケルセチン
タマネギをはじめとし、さまざまな植物食品に含まれています。
私たちが日常的に多く摂取するポリフェノールのひとつです。
白血球の1種であるマクロファージを効率よく蓄積させ、活性化させると言われています。

・エラグ酸
エラグ酸は、食べられる植物の実に多く含まれるポリフェノールです。
ブラックベリー、ラズベリー、イチゴ、クランベリー、クルミ、ザクロ、クコなどから見つかっています。
エラグ酸にも、さまざまな「体に良い」働きがあると考えられていますが、実は2010年ころまであまり研究が進んでおらず、これからの研究に期待が持たれている成分です。

・クロロゲン酸
クロロゲン酸は、コーヒーから単離(たんり:その成分だけを分離すること)されたポリフェノールです。
コーヒーの中には、カフェインと同じくらいの量が含まれており、カフェインのもつ一部の作用と、似た様な働きをしていると考えられています。

このほかにも「タンニン」や「フラボノール」、「ルチン」「ロズマリン酸」など、多くのポリフェノールが存在しています。
尚、よく耳にする緑茶ポリフェノールやカカオポリフェノールなどと呼ばれるものは、食品の名前をつけた商品名であり、ポリフェノールの正式な名称ではありません。

J-STAGE ポリフェノール,化学反応を基盤とする機能性物質抗酸化反応から成分間反応まで
・https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/53/7/53_442/_pdf/-char/ja
J-STAGE ポリフェノールパラドックス 生体利用性と機能性の矛盾
・https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/54/10/54_726/_pdf
国民生活センター
・http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20000508_1.pdf
・栄養の基本がわかる図解辞典 中村 丁次 (監修)
・見た目のアンチエイジング 皮膚・容貌・体型の若返りの手法 日本抗加齢医学会分科会 見た目のアンチエイジング研究会/編

息を吸うだけで身体はどんどんサビついていく!

身体がサビついてしまう理由

私たちは呼吸によって酸素を体内に取り入れるとともに、食物から糖やタンパク質を摂りこみ、エネルギーとして活用しています。
私たちが摂取した栄養素は、さまざまな反応を経て細胞の中に取り込まれ、細胞の中でエネルギーを取り出します。
このエネルギーを取り出すときに、酸素が使われているのです。
このようにして栄養素と酸素から作り出されたエネルギーは、体温維持や身体の筋肉を動かすなど、さまざまな生命活動に利用されます。
摂り込まれた酸素は、その他にもエネルギーを作り出す途中であまった水素と結びつき、水となって体外へ排出するという働きもあります。
このように、私たちの身体にとって酸素は必要不可欠なものなのです。
しかし、必要以上に増えすぎると体に害を及ぼしてしまうことがあります。
ひとつひとつの細胞も、呼吸をしながらエネルギーを作り出しているのですが、その結果として、細胞に疲労=余分な成分を溜めこんでしまいます。
この溜まった疲労こそがサビの原因になってしまうのです。
この細胞の疲労物質には、おもに4種類の物質があります。
スーパーオキシドアニオンラジカル(スーパーオキシド)、ヒドロキシルラジカル、過酸化水素、一重項酸素の4種類です。
これらは毒性が強く、身体によくない影響を与えるといわれています。
これが、「体がサビ(錆び)ついてしまう」ということです。

また、サビの原因は呼吸だけではありません。
例えば、紫外線やX線(レントゲン)、汚染された空気、たばこ、激しいスポーツ、ストレス、医薬品、加工食品、食品添加物、殺虫剤など、数多くあげられます。
さらに、電磁波も身体をサビさせる原因の一つにあげられています。
実はこの電磁波、私たちの周りには、日常的にたくさん存在しています。
そもそも電磁波とは、電圧が生じる場所から電流がながれる場所の間を流れる波のことで、私たちの生活に欠かせないスマートホンはもちろん、電子レンジやIH調理器といった電化製品、太陽や雷など自然界からも放たれているのです。
今の世の中は、体のサビの原因となる、電磁波でいっぱいですね。では、身体がサビてしまうと何が起こるのでしょうか。

サビてしまった身体に起こる怖いこと

呼吸として取り込まれた酸素が凶暴化すると、ヒドロキシルラジカルとなって細胞を攻撃します。
ヒドロキシルラジカルは、何かを酸化させる力がとても強く、細胞毒性も強いという特徴をもっていて、細胞の細胞壁や細胞膜を攻撃します。
細胞壁は不飽和脂肪酸という成分でできていますが、攻撃を受けると過酸化脂質へと変化してしまいます。
細胞壁の構成成分が変わると、細胞は栄養と老廃物の出し入れがスムーズにできなくなります。
そして細胞の核の遺伝子に傷がつき、細胞はやがて変異や死滅という変化を起こします。
細胞は死滅しそうになると、再び細胞分裂を繰り返して新しく細胞をつくり出そうとしますが、これを繰り返していると、細胞はどんどん衰えてきてしまいます。
もしも自分自身で、数年前と比べて元気が出ないと感じているならば、それは体内がサビついてきた兆候かもしれません。

サビと戦うポリフェノール!

私たちは、生きて呼吸をして、食物を食べて活動している以上、体内では常にサビが蓄積されていきます。では、このサビには、どう対抗していけばよいでしょうか。

私たちの細胞内で作られ続けるサビは、なるべく早く消していきたいですよね。
実は、人間の身体にはもともと、サビを取り除く仕組み(機能、メカニズム)が備わっています。
体の中のサビを取り除いていくメカニズムは、酵素の一種であるスーパーオキシドディスムターゼやカタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなどが担っています。
また酵素だけではなく、ビタミンC、ビタミンE、カロテノイドなども、同様の働きをもつ成分です。
中でも、体のサビ取り役として特に注目したいのが、ビタミンCとポリフェノールの関係です。
ビタミンCは、細胞に溜まっていくサビを取り除く働きがありますが、取り除いたサビは、ビタミンCが抱え込むことになります。
ここでポリフェノールの出番です。
ポリフェノールには、疲労を抱えこんでしまったビタミンCを、再び元気にする作用があります。
さらにポリフェノールは、ビタミンCやビタミンEに負けないくらい、サビに対する強い力を持っており、細胞から発生したサビを封じ込めて無害化することができるといわれています。
強力な毒性を持つサビすらも封じ込めてしまうポリフェノールは、いろいろな食品に含まれています。
意識して摂るようにしていきたいですね。

J-STAGE ポリフェノール,化学反応を基盤とする機能性物質抗酸化反応から成分間反応まで
・https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/53/7/53_442/_pdf/-char/ja
厚生労働省 抗酸化物質
・https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html
e-ヘルスネット 活性酸素と酸化ストレス
・https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-04-003.html
J-STAGE 活性酸素と抗酸化物質の化学
・https://www.jstage.jst.go.jp/article/manms/9/3/9_164/_pdf
・栄養の基本がわかる図解辞典 中村 丁次 (監修)
・栄養科学シリーズNEXT基礎栄養学 第3版 木戸康博・桑波田雅士・中坊幸弘/編
・サプリメント辞典 蒲原聖可/著
・見た目のアンチエイジング 皮膚・容貌・体型の若返りの手法 日本抗加齢医学会分科会 見た目のアンチエイジング研究会/編

ポリフェノールはこうやって摂ろう!

ポリフェノールを多く含む食品

いろいろな健康効果が期待できるポリフェノール。
一体どのような食品に多く含まれているのでしょうか。
代表的なものをご紹介します。

赤ワイン
ポリフェノールを多く含む食品の代表格といえば、赤ワインです。
ワインは発酵の過程で凝縮されるため、赤ワインにはレスベラトロールというポリフェノールがたくさん含まれています。
ただし、ワインは飲みすぎてしまうと肝臓に負担をかけてしまします。
適量を楽しみ、週に2日は休肝日を作るなどして上手に付き合っていきましょう。

カカオ
カカオといえばチョコレートですね。
チョコレートの主成分はカカオ豆の胚乳をローストしたカカオマスと、カカオ豆の脂肪分のココアバターです。
チョコレートは人気の高い嗜好品で、近年では高カカオを謳ったチョコレートもたくさん店頭に並んでいます。
しかし、高カカオチョコレートは脂質も多く含んでいるため、食べる量には注意が必要です

ターメリック
ターメリックときくと、カレーのスパイスを連想しますね。
これは秋ウコンを乾燥させたもので、春ウコンとは全く別の種類のものです。
ターメリックには、クルクミンというポリフェノールが含まれ、その含有量は秋ウコンでは200~700 mg/100 g、春ウコンでは50~100 mg/100 gといわれています。

生姜
生姜から抽出されたエキスには、ジンゲロールという成分が含まれています。
このジンゲロールを乾燥や加熱させたものを、ショウガオールと呼びます。
ジンゲロールとショウガオールは両方ともポリフェノールの一種ですが、生姜は調理にも使いやすい食材ですので、比較的摂取しやすいといえそうです。

ポリフェノールの1日の摂取量

何事にも「ほどほど」や「適量」というものがあります
食品も体にいいからといって過剰に摂取すると、反対に健康を損なうこともあります。

では、1日あたりどれくらいのポリフェノールを摂れば良いのでしょうか。
厚生労働省が5年ごとに改定している「食事摂取基準」というものがあり、現在使用されているのは、2015年に改訂されたものですが、実はここには、ポリフェノールの1日の推奨摂取量が記載されていません。
ポリフェノールは体には良いものですが、コーヒーや緑茶にはカフェインも含まれますし、赤ワインではアルコールの摂取量も気になります。
また、ポリフェノールと一言でいっても、その種類は膨大で、どのポリフェノールのことを指すのかが分かりにくいのです。

少し古いデータですが、2000年に独立行政法人 国民生活センターが、さまざまな食品に含まれる「総ポリフェノール量」を測定したことがあります。
その結果を見ると、総ポリフェノールを含む食品の種類は、含まれる総ポリフェノール量が多い順に
 ココア > チョコレート > 赤ワイン > お茶のキャンディ > 果汁入り飲料
となるようです。
これば、ポリフェノールのうちの「どの成分か」を明確にしたものではなく、赤ワインならアントシアニンを含む複数のポリフェノール、お茶のキャンディならカテキンがその代表といえます。
つまり、食べる食品により、実際に摂取できるポリフェノールには違いがあり、またポリフェノール以外の成分にも適量があるため、1日のポリフェノール推奨摂取量は、決めにくいといえます。
ポリフェノールを意識して摂取するときには、それぞれの食品の適量を摂るように心がけましょう。

こまめにとりたいポリフェノール

ポリフェノールの多くは水に溶けやすい水溶性なので、吸収されやすく、摂取してから30分後には作用が出始めるといわれています。
しかし、体内に入るとポリフェノールは異物として認識されてしまい体外に排出されてしまいます。
そのため体内での滞在時間が短く、作用も長時間持続しないという難点があります。
このことからも、ポリフェノールはこまめに摂るのが大事だということがわかりますね。

J-STAGE 食品ポリフェノールによる核内レセプターの活性化
・https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/50/12/50_891/_pdf
厚生労働省 高カカオをうたったチョコレート(結果報告)
・http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/01/dl/s0114-10j.pdf
消費者庁 おしえてラベルくん 健康増進法に基づく食品表示ガイド
・https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs/70/5/70_213/_pdf
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要
・http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000041824.html
国民生活センター  ポリフェノール含有食品の商品テスト結果
・http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20000508_1.pdf
・栄養の基本がわかる図解辞典 中村 丁次 (監修)

まとめ

健康長寿を支える大きな要因は毎日の食事や、栄養の摂り方にあります。
私たちの体内では呼吸するだけでも取り込まれた酸素は酸化し、身体に悪影響を与えてしまいます。
体中に働きかけてくれるポリフェノールを日常からしっかり取り入れて、元気で若々しい体を保ちましょう!

ライター
岡部
看護師
埼玉県内総合病院手術室(6年)、眼科クリニック(半年)勤務、IT関連企業(10年)勤務、都内総合病院手術室(1年半)、千葉県内眼科クリニック(1年)勤務
2011年よりヘルスケアライターとして活動。 現在は、一般向け疾患啓発サイト、医療従事者向け情報サイト等での執筆、 医療従事者への取材、記事作成などを行う。
一般向けおよび医療従事者向け書籍
○執筆・編集協力
・看護の現場ですぐに役立つICU看護のキホン (ナースのためのスキルアップノート)
・看護の現場ですぐに役立つ 人工呼吸ケアのキホン (ナースのためのスキルアップノート)
・看護の現場ですぐに役立つ ドレーン管理のキホン (ナースのためのスキルアップノート)  他
公開日:2020.01.31
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