いま話題のアマニ!意外と知らないその正体とは!

公開日:2019.10.17

近年、普通のスーパーでもアマニ油を見かけるようになりました。
しかし、その正体はどのようなもので、どのように身体に働きかけるのかは知らない人が多いのではないでしょうか。
なんとなく健康に良さそうなイメージがあっても、いろいろなメーカーから出ているアマニ油を前に、どれを選んだら良いのか迷ってはいませんか?
アマニが持つ健康パワーを知り、正しい栄養の摂取量と選び方を身につけましょう。

目次

  1. アマニとは
    • アマニとは
    • 健康の源となるオイル
    • オイルにもいくつかの種類がある
  2. 健康にいいオイル!オメガ3
    • 脂肪酸と健康
    • 必須脂肪酸とは
  3. アマニ油を効率よく摂取するには
    • アマニ油の注意点
    • アマニ油の選び方
    • お薬とアマニ
  4. まとめ

アマニとは

アマニとは

アマニ油の原料は、その名の通り「アマニ」という植物です。
原産はエジプトの亜麻という植物の種子だと考えられています。
ゴマに似た形状のアマニは栄養価も高く、現代の食に不足している栄養素をたくさん含んでいます。
例えば、体の元気を支えるα-リノレン酸はアマニ油100gに対し57,000mgも含まれおり、ごま油の310mgと比較すると100倍以上です。

古来よりアマニは、健康を維持する油として、多くの人に愛されてきました。
現代でもアマニはオイルだけではなく、健康食品として粉末やカプセルなどでも市場で販売されています。
また、加工する前のアマニや潰したアマニを水やジュースなどに混ぜて飲み干すなど、飲料としての利用もなされています。※1、2

健康の源となるオイル

ところで、オイルというとどのようなイメージがあるのでしょう。
オイルはカロリーが高く、健康の邪魔をするといった悪者のような存在と思っている方も少なくないでしょう。
確かに食事で摂取する栄養において、たんぱく質や糖質は1gあたり4kcal程度なのに対し、脂質(オイル)は1gが9kcalと、倍以上のカロリーを含んでいます。
オイル=太りやすいというイメージが浸透してしまったせいか、ノンオイルやオイルカットとされる食品が次々と発売されるようになり、中には実際にオイルを極力摂取しないように意識した生活を送る人も少なくないようです。
では、カロリーが高いオイルを摂らない生活を送れば、健康な体になるのでしょうか。

脂質(オイル)は、人の体にとって重要な「三大栄養素」の一つであり、もちろん重要なエネルギー源です。さらには、身体を作るうえでの大きな役割を持つ栄養素なのです。
例えば、人間の体は無数の細胞で成り立ち、その数は体重1㎏に対して1兆個ともいわれています。
このたくさんの細胞の一つ一つがきちんと働くことによって、性別や年代に関わらず、健康が維持されています。
細胞は1個ごとに膜で覆われ、細胞の中にある核やミトコンドリアなどの小器官(構成物)も同じように膜で覆われています。
膜は、細胞同士だけではなく、細胞内にあるこれらの小器官(構成物)を分ける仕切りとしての役目があり、さらには膜の外側と内側を通じた「栄養素などのやりとりを行う」という役割も担っています。
意外かもしれませんが、膜を構成する成分の一つが脂質であり、脂質がなければ、人間の体は存在すらできなくなってしまうのです。
また、ビタミンの吸収を助けたり、人が生きる上で必要なホルモンの材料になったり、潤滑油として体の調子を整えたりする働きもあるため、じつは食事でオイルを摂ることは絶対に必要なことなのです。

オイルにもいくつかの種類がある

ところで、「健康に良いオイル」「飲むオイル」という言葉を耳にしたことはありませんか。
悪者のイメージの強いオイルを排除しようとする商品が続々と発売される一方中で、実は「健康に良いオイル」もあるのです。
まずはオイルの種類や違いを見てみましょう。

・植物性オイル
一種類の植物の実や種から搾油されたオイルで、オリーブ油やごま油、アマニ油などがあります。

・動物性オイル
肉や魚から採取される油です。
肉の油は常温で固体となり、酸化しにくい性質があります。
一方、魚のオイルは常温でも液体であるという性質があります。

・加工された植物油脂
植物オイルに化学成分を加え、高温処理を行い、安定性を高めたものです。
マーガリンやサラダ油が該当します。

オイルにはいろいろな種類がありますが、何でも摂れば良いというわけではありません。
実はオイルには積極的に摂取したいオイルである良いオイルと、健康のためにも避けたいオイルがあり、その鍵となるのが脂肪酸です。
脂肪酸にはたくさんの種類があり、中には体内では作り出すことができないため、食事から摂取しなければいけないものもあります。※3、4

※1 厚生労働省「統合医療」情報発信サイト アマニ、アマニ油  /  2019年5月30日閲覧
http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c04/22.html
※2 文部科学省 食品成分データベース 『アマニ油、ゴマ油』  /  2019年5月30日閲覧
https://fooddb.mext.go.jp/index.pl
※上記サイトより「あぶら」にて検索し、検索結果の一覧よりアマニ油とゴマ油を選択して成分表示  /  2019年5月30日閲覧
※3 大塚真理著 2018年4月発行 オリーブオイル亜麻仁オイルMCTオイルキッチンには3本のオイルがあればいい 文藝春秋
※4 山田豊文著 脳を壊す「油」、育てる「油」トランス脂肪酸から子供を守る 共栄書房 2019年2月発行 

健康にいいオイル!オメガ3

脂肪酸と健康

脂肪酸は炭素の原子が鎖状につながった分子で、鎖の端に酸を示すカルボキシル基を持っているという特徴があります。
また、脂肪酸には「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」があります。
これは、脂肪酸の骨格となる炭素でできた鎖の長さや、炭素の二重結合の数と位置により分けられています。
炭素の間に二重結合が無いのが飽和脂肪酸、炭素の間に二重結合があるのが不飽和脂肪酸です。
また、炭素の二重結合の先に結合する分子の種類により、シス型とトランス型の2種類があり、同じ不飽和脂肪酸の中でも、トランス型の二重結合が一つ以上あるものをトランス脂肪酸と呼びます。
天然の不飽和脂肪酸はシス型で存在しますが、牛や羊などの動物では胃に存在する微生物の働きでトランス脂肪酸が作られるため、牛肉や羊肉、牛乳などには微量のトランス脂肪酸が含まれています。


一方、トランス脂肪酸が多く含まれる食品のマーガリンやショートニングなどは、液体状の植物油を固形状に変える処理である「水素添加」を行います。
この液状を固形状に変える化学処理を行う過程でトランス脂肪酸が発生します。
日本では、飽和脂肪酸やある種類の不飽和脂肪酸(EPAやDHAのようなオメガ3系脂肪酸、リノール酸などのオメガ6系脂肪酸)に対しては、食品からの摂取基準量が定められています。
しかしトランス脂肪酸については、敢えて食品から摂取する必要はないと考えられています。
さらに天然では微量しか存在しないオイルでもあることから、私たちの健康維持に必須なオイルとはいえません。

また、健康というと、つい大人を中心に考えてしまいますが、忘れてはならないのが発達段階にある子供の健康です。
子供は小型の大人というわけではなく、有害物質からの悪影響を大人よりも強く受けやすく、ダメージに耐える耐性も弱いのです。
また、発達段階によって有害物質による影響は異なります。
例えば、乳幼児期は消化器官を通して有害物質を吸収しやすく、有害物質を処理する能力は弱いのです。
さらに最も注意が必要とされるのは胎児です。
妊娠初期は細胞分裂が盛んに行われるため、受精後3~8週目までは特に有害物質のダメージを受けやすい時期となります。
有害物質を処理する機能が未発達な胎児は、母親からの影響を強く受けてしまうのです。
これらの時期に「健康には良くないオイル」をたくさん取り込んでしまうと、大人とは違う影響が出る可能性もあります。
少なくとも、大人にとって「健康維持に必要ではないオイル」を子供たちが知らないうちに、必要以上に摂ってしまうことは、子供の健康のためにも避けた方が良いでしょう。※4、5、6

必須脂肪酸とは

前述の通り、脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。
それから、もう一つの脂肪酸の分類として「必須脂肪酸」というものがあります。
私たちの体の中では作ることが出来ないにも関わらず、健康維持のためには必要であることから、このように呼ばれています。

普段、私たちが利用している食用油は、脂肪酸の鎖が一直線ではなく所々折れ曲がっています。
この折れ曲がっている部分により、オイルはオメガ3、オメガ6、オメガ9などに分類されます。
一般的に、私たちがよく利用しているオイルはオメガ6とオメガ9といわれており、それぞれ含まれている食品が違います。

●オメガ3を含むもの
・アマニ油
・えごまオイル
・サチャインチオイル
・カメリナオイル
・魚の油

●オメガ6を含むもの
・ごま油
・グレープシードオイル
・くるみオイル
・コーン油
・大豆油

●オメガ9を含むもの
・オリーブオイル
・アーモンドオイル
・こめ油
・菜種油
・紅花油
・ひまわり油

 

このうち、オメガ3とオメガ6が、必須脂肪酸に分類されています
健康意識の高い人はすでに、オメガ3はお馴染みかもしれません。
ではオメガ6はどうでしょうか。
オメガ6やオメガ9も、適量であれば健康に悪いものではありません
体に良いからとオメガ3だけを摂取するようにすると、オメガ6の割合が減ってきます。
オメガ6は元々必須脂肪酸なわけですから、これが無くなってしまうと逆に健康維持が難しくなります。
大事なのは脂肪酸をバランスよく摂ることです。
健康に良いオイルなどが注目されるようになったのは、この脂肪酸の摂取バランスが壊れてしまっているからなのです。

オメガ3とオメガ6には、互いに拮抗する重要な作用があります。
拮抗する作用を持つからこそ、オメガ3とオメガ6をバランスよく摂ることが必要なのです。
私たち日本人の食生活を考えると、オメガ6を含むオイルは、比較的多く摂取する機会があるのではないでしょうか。
それに対し、オメガ3を含むオイルを使った献立は、日本人の食生活ではあまり一般的ではなく、結果的に不足してしまうのです。

実際に、オメガ3がたくさん含まれているオイルの代表といえるアマニ油を日常的に使っている人は少ないのではないでしょうか。
青魚にも含まれるオメガ3は、魚を口にする機会の減った現代日本人には最も欠けている脂肪酸となってしまったのです。※4、5

※6 農林水産省 すぐにわかるトランス脂肪酸http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_wakaru/
2019年5月30日閲覧
※4 山田豊文著 脳を壊す「油」、育てる「油」トランス脂肪酸から子供を守る 共栄書房 2019年2月発行
※5 井上浩義著 からだによいオイル健康と美容をかなえる油の教科書 慶応義塾大学出版 2016年5月発行 

アマニ油を効率よく摂取するには

アマニ油の注意点

日本人に足りなくなってきたオメガ3は、その特殊な分子構造により、残念ながら非常に脆く壊れやすいという性質があります。
オメガ3が壊れると、折れ曲がった部分がなくなり、いびつな形状となります。
すると、オメガ3最大の特徴である柔らかな分子構造を失うとともに、健康パワーまでも失ってしまいます

では、オメガ3を多く含み元気を応援してくれるアマニ油は、どのようなことに気をつけて摂取すれば良いのでしょうか。
まず、アマニ油は長期保存に向いていません
保存の際は、アマニ油は20℃以下で管理し、2ヶ月以内に使い切るようにしましょう。
また、アマニ油は摂取の仕方にも注意が必要です。
アマニ油は熱にも弱いため、高温調理には適していません。
熱による劣化は100℃以上から急速に進むため、160 ℃や180℃などの高熱で調理される天ぷらやフライに使うことは論外です。
酢や香辛料、ハーブなどを混ぜたドレッシングなど、アマニ油は生で摂ることを基本にすると美味しく安全に摂取することができます。※5、7

アマニ油の選び方

保存と摂り方に注意をすれば素晴らしい健康パワーを持つオメガ3。
厚生労働省は、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の中で、推奨される1日の摂取量は、成人男性で2.0~2.4g程度、成人女性で1.6g~2.0程度と定義しています。
アマニ油の約50%はオメガ3ですので、アマニ油でオメガ3を摂取する場合には3~4g程度が目安となります。
また、最近ではオメガ3の健康パワーに注目が集まり、店頭にもいろいろなメーカーのアマニ油が並んでいます。

では、どのような基準でアマニ油を選べば良いのでしょうか。
まず、アマニ油は劣化しやすいので紫外線を防御する遮光性のガラス瓶に入っているものを選ぶと良いでしょう。
また、主な産地はカナダやロシア、ニュージーランドなどですが、輸送中に高温の環境となってしまう赤道を通らないものが良いかもしれません。
実際に使うまではどこまで劣化が進んでいるのか確認できませんので、劣化のリスクは少ない方が良いですよね。
日本ならば、原産国と加工した地域が北半球であることを基準にするのが良いかもしれません。
そしてもう一つ気を付けたいのが、できるだけ良い状態で摂り続けることです。
アマニ油は劣化しやすいことを念頭に置き、早く使い切るようにしましょう。
劣化の見極めは臭いです。
アマニ油から魚のような臭いがし始めたら、劣化が進んでいる証拠です。
このような状態になってしまったアマニ油は、勿体ないけれどもそれ以上使うことは止めた方が良いでしょう。
オイルは古くなり劣化すると、脂肪酸とアミノ酸やアルコールなどが結合しアミドという物質が発生します。
アミドは魚の臭いの原因ですが、脂肪酸が元の形とは違うものになってしまった結果の産物です。
オメガ3は、ぜひとも毎日摂りたいものですが、アマニ油ではなかなか管理も大変と考えてしまうかもしれません。
でも最近では、早めに使いきれるような小さめのボトルや、小分けにされた製品も増えてきました。
アマニ油の特徴や上手な取り扱い方を考えながら、自分の食生活や生活スタイルに合わせた製品を選びましょう。※3、5

お薬とアマニ

アマニ油に含まれる成分は、食品からも自然と摂取できるものですし、副作用などはほとんど報告されていません。
しかし、降圧薬やアスピリンなどの抗血栓薬などのお薬を処方されている場合、薬の効き方が変わる可能性があるため、注意が必要です。
この他にも、何かしらのお薬を医師から処方されている方は、アマニの摂取についてかかりつけ医に相談するのがよいでしょう。※1、8

※1 厚生労働省「統合医療」情報発信サイト アマニ、アマニ油  /  2019年5月30日閲覧
http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c04/22.html
※7 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要  /  2019年5月30日閲覧
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000041824.html
※3 大塚真理著 2018年4月第1刷発行 オリーブオイル亜麻仁オイルMCTオイルキッチンには3本のオイルがあればいい 文藝春秋
※5 井上浩義著 からだによいオイル健康と美容をかなえる油の教科書 慶応義塾大学出版 2016年5月発行
※8 日本医師会 日本薬剤師会 日本歯科医師会総監修 安斎恵子編集 2015年12月発行 健康商品サプリメント 医薬品との相互作用辞典 同文書院

まとめ

私たちが普段手にする加工食品には、どのようなオイルが使われているかなどの細かい表示がありません。
それなら、家庭での調理ではオイルにこだわってみてはいかがでしょうか。
近年、手に入れやすくなってきたアマニ油も、健康に良いオイルの一つ。
アマニ油を上手に使って、健康な毎日を目指しましょう。

ライター
岡部
看護師
埼玉県内総合病院手術室(6年)、眼科クリニック(半年)勤務、IT関連企業(10年)勤務、都内総合病院手術室(1年半)、千葉県内眼科クリニック(1年)勤務
2011年よりヘルスケアライターとして活動。 現在は、一般向け疾患啓発サイト、医療従事者向け情報サイト等での執筆、 医療従事者への取材、記事作成などを行う。
一般向けおよび医療従事者向け書籍
○執筆・編集協力
・看護の現場ですぐに役立つICU看護のキホン (ナースのためのスキルアップノート)
・看護の現場ですぐに役立つ 人工呼吸ケアのキホン (ナースのためのスキルアップノート)
・看護の現場ですぐに役立つ ドレーン管理のキホン (ナースのためのスキルアップノート)  他
公開日:2019.10.17
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