食欲の鍵を握る「レプチン」とは?ホルモンを知って食欲をコントロールしよう

公開日:2019.07.09

ダイエットを成功させたい時にやっかいなのが日々の食欲。
その食欲は、実はホルモンによってコントロールされているのです。
その食欲のカギを握るホルモンについてご紹介します。

目次

  1. 食欲は脳内ホルモンでコントロールされている
  2. レプチンとグレリンの特長は?セロトニンやプロゲステロンも食欲に影響あり?!
    • 食欲を抑制するホルモン「レプチン」の特長
    • 食欲を増進させるのは「グレリン」
    • 食欲を抑制するもう一つのホルモン「セロトニン」
    • 生理前の食欲増進は「黄体ホルモン」の影響
  3. レプチンをコントロールして食欲を抑制する4つのポイント
    • 運動を取り入れてグレリンを抑える
    • 睡眠不足は、レプチンの分泌を減らす
    • アルコールを摂りすぎない
    • よく噛んで食べる
  4. レプチンは多すぎても太る?!レプチン抵抗性とは
  5. 食欲と上手につきあうための2つの食習慣
    • 食べる順番に気をつけ、よく噛んで食べる
    • お腹が空く理由を考える
  6. まとめ

食欲は脳内ホルモンでコントロールされている

食欲は、実はホルモンの働きによって増進したり抑制したりされているということをご存知でしょうか。
そのホルモンの働きをコントロールすることができれば、ダイエット中も食欲をコントロールできると言えます。
まずは、食欲の仕組みについて見てみましょう。

満腹を感じる満腹中枢は、「レプチン」というホルモンの影響を受けています。
食事をすることにより、血糖値が上昇し、脂肪細胞が刺激されることで「レプチン」というホルモンが分泌されます。
このレプチンは、満腹中枢を刺激する「レプチン受容体」に作用して、食欲を抑制します。
つまり、食べることでレプチンが働き、食欲が抑えられ、満腹を感じるのです。

逆に、空腹を感じる空腹中枢は、食べ物を口にした際の胃や腸への刺激や、料理を見たり匂いを感じたりすることで刺激されます。

食後、胃が刺激された時に分泌されるのが「グレリン」というホルモンです。
このグレリンが、空腹中枢を刺激し食欲が増進すると言われています。

レプチンとグレリンの特長は?セロトニンやプロゲステロンも食欲に影響あり?!

食欲コントロールするには、ホルモンを味方につけることがカギとなります。
食欲抑制作用のあるレプチンはもちろんのこと、レプチンと相関関係にあるグレリン、さらに食欲に影響があると言われているセロトニンや、女性ホルモンであるプロゲステロンについて、その特長と食欲をコントロールするためのポイントをご紹介します。

食欲を抑制するホルモン「レプチン」の特長

食欲を抑制しているホルモンの一つが「レプチン」です。

レプチンは、食後に脂肪細胞から分泌されています。
このレプチンが満腹中枢を刺激し、満腹を感じるのです。

ダイエット中で食欲をコントロールしたい場合には、このレプチンの血中濃度を高い状態に保つことが重要となります。※1

そのポイントとなるのが、食事にかける時間です。
レプチンがより多く分泌されるのは、食後20分が経過してからだと言われています。
20分より早く食べていると、充分なレプチンが分泌されず、満腹を感じるまで空腹が続くため、食べ過ぎに繋がります。※2
ダイエットにはゆっくりよく噛んで食べる方がよいと言われるのは、このレプチンの作用によるためです。

20分以上かけて、ゆっくり食事をすれば、満腹中枢が働き出し食べ過ぎ防止を助けてくれるのです。

さらに、レプチンには、脂肪の蓄積を抑え、エネルギー消費を助ける作用もあり、体脂肪量の調節に関係するホルモンだと考えられています。※1

ここまで読むと、レプチンが、多量に分泌されればされるほど、食欲も抑えられエネルギー消費も進むのは?と思いがちですが、実はそうではありません。
レプチンは、過剰に分泌されすぎてしまうと、レプチンを受けるレプチン受容体が正常に機能しなくなってしまい、満腹中枢が刺激されても受け取りにくくなってしまうと言われています。※2
肥満の人は、このことが原因となり、食欲のコントロールができず、さらなる食べ過ぎを招いている場合が多いようです。
詳しくは後ほどご紹介します。

食欲を増進させるのは「グレリン」

レプチンとは逆に、食欲を増進させるホルモンが「グレリン」です。
グレリンは空腹時に分泌されます。
分泌されたグレリンが、空腹中枢を刺激することで空腹を感じると言われています。

つまり、ダイエットでは、グレリンの分泌を抑えることがポイントとなります。

グレリンの分泌を抑える方法の1つは、レプチンが適切に分泌されることです。
この2つの食欲を司るホルモンは、レプチンが分泌されるとグレリンが抑えられ、レプチンが減少するとグレリンが働いて、食欲が増すという相関関係にあります。
レプチンが過剰に分泌されないことが、グレリンの抑制にも繋がるのです。※1

食欲を抑制するもう一つのホルモン「セロトニン」

レプチン同様、食欲を抑制するといわれているホルモンに「セロトニン」があります。
幸福ホルモンとも言われているセロトニンは、主にメンタルを安定させる役割を担っています。
セロトニンが不足すると不安や心配な気持ちになりやすくなると言われていますが、実は食欲とも関連していることが分かっています。※1

セロトニン不足により、満腹中枢が機能しなくなってしまい、満腹を感じなくなってしまうというのです。
満腹を感じないということは、食欲をコントロールできず食べ過ぎでしまうということになります。
セロトニン不足にならないためには、日光を浴び、リズム運動を生活に取り入れ、よく噛んで食べることが大切だと言われています。※1

生理前の食欲増進は「黄体ホルモン」の影響

女性は、生理前に異常なほど食欲が増すという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これは、プロゲステロンと呼ばれる黄体ホルモンが原因だと言われています。
黄体ホルモンは、排卵を境として大量に分泌されます。
これは排卵した卵を育てる準備で、栄養を蓄える作用があると言われています。※3
この作用の影響により、食欲が増したり、むくみがひどくなったりするのです。

生理前や生理中のホルモンバランスの変化は、仕方のないもの。
我慢しすぎず、バランス良く食べることを考えましょう。

※1 成功の食事法 脳神経外科医の自分を劇的に変える食欲マネジメント/菅原道仁/ポプラ社. /2017年2/2019年1月7日現在
※2 運動・からだ図解 栄養学の基本/渡邊昌/マイナビ出版/2016年2月/2019年1月7日現在
※3 カラダとホルモンのお話 | オムロン式美人/2019年1月7日現在
https://www.healthcare.omron.co.jp/bijin/shittemiyo/body.html

レプチンをコントロールして食欲を抑制する4つのポイント

食欲を抑制するレプチンの正常な分泌が、食欲抑制に繋がることはおわかりいただけたでしょうか。
では実際にレプチンを正常に分泌させるために、気をつけるべきポイントを4つご紹介します。

運動を取り入れてグレリンを抑える

前章でもご紹介いたしましたが、レプチンとグレリンは相関関係にあります。
レプチンを増やすには、グレリンを抑える必要があります。
そのグレリンですが、運動を行うことでもその分泌を抑えることが出来るという研究結果が報告されています。
お腹が空いていてもグレリンが分泌されないことで空腹を感じなくなるのです
運動強度が高いほど効果があり、運動後1時間くらい持続すると言われています。※4

空腹を感じたら、軽い運動をして、エネルギーも消費できれば一石二鳥ですね。

睡眠不足は、レプチンの分泌を減らす

睡眠不足により、「レプチン」の分泌量が減り、「グリシン」が増加することが分かっています。※5

その他の研究でも、睡眠時間が短いほど体重が多いとのデータも有り、睡眠不足はダイエットの敵と言えそうです。

8時間程度の睡眠をしっかりとりましょう。

アルコールを摂りすぎない

アルコールのとりすぎも、レプチンを減少させると言われています。

アルコール摂取量が多い人ほど、レプチンの血中濃度が低下する傾向が見られるとの発表もあります。※6

そもそも、アルコールは高カロリーのものが多く、食欲を助ける働きもあるため、ダイエット中には特に注意が必要です。

よく噛んで食べる

食欲を抑制するホルモン「レプチン」の特長でもご紹介いたしましたが、レプチンが充分分泌されはじめるには食後20分以上かかると言われています。
そのため、20分以上かけよく噛んで食べることで、食欲が落ち着くのです。※4

自分が早食いだと感じる場合は、噛む回数を意識し、時間をかけてゆっくり食事をするようにするだけで、食べる量を減らすことが出来るかもしれません。

※4 運動・からだ図解 栄養学の基本/渡邊昌/マイナビ出版/2016年2月/2019年1月7日現在
※5 過食症かな?とちょっと思ったら最初に読む本/村田芳実/ごきげんビジネス出版/2016年10月/2019年1月7日現在
※6 糖尿病の人は「アルコール」に注意 飲み過ぎないための5つの対策 | ニュース・資料室 | 糖尿病ネットワーク/2019年1月7日現在
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2017/027635.php

レプチンは多すぎても太る?!レプチン抵抗性とは

食欲を抑制するレプチンですが、多量に分泌を続けていると、レプチンを受けるレプチン受容体の働きが鈍くなり、食欲を抑制しづらくなってしまいます
体脂肪が多い肥満傾向の人はこの状態に陥っており、食べても満腹を感じにくくなっているのです。
その結果、さらに食べてしまい、肥満につながっていると考えられています。

この状態を、「レプチン抵抗性」といいます。

まとめると、レプチン抵抗性は、一度に大量にレプチンが分泌されることと、そのレプチンを受取るレプチン受容体の働きが悪くなってしまうことで起こるということになります。

脂肪細胞が多いほどレプチンは分泌されます。
食事量には気をつけながら、「レプチン受容体」の働きを低下させないことが、このレプチン抵抗性にならないためのポイントです。

「レプチン受容体」の働きを低下させないためには、規則正しい生活と睡眠をしっかりとることが大切だと言われています。

気をつけていてもレプチン抵抗性になってしまったら、改善することはできるのでしょうか。
「レプチン抵抗性」は、食べる量を減らしダイエットをしていくことで改善可能だと言われています。

しかし、このダイエットが難関です。
ダイエットをはじめる段階では食欲のコントロールが上手にいかないため、改善に至るまでには、一定期間は食欲と闘う強い意思が必要になるのです。※7

レプチン抵抗性にならないよう、日頃から規則正しい生活と食事量を心がけましょう。

※7 ダイエットも戦略的に!?肥満に関わるホルモンの話:タニタ 健康・ダイエットBOOK、タニタの健康応援ネット からだカルテ/2019年1月7日現在
https://www.karadakarute.jp/tanita/diet/horumon.jsp

食欲と上手につきあうための2つの食習慣

食欲と上手につきあうためには、他にも気をつけたいポイントがあります。
ここでは、食事の観点から2つのポイントをご紹介します。

食べる順番に気をつけ、よく噛んで食べる

血糖値は、急に上昇すると、その後、急激に下がります。

この血糖値が急降下する際に、強い空腹を感じるので、血糖値の上昇を緩やかにすることで、強い空腹感を避けることができます。

この食後の血糖値の上昇は、「食べる順番」で抑えることができます。
最初に野菜を食べ、タンパク質のおかず(メイン)、ご飯という会席料理の順番で食べることで、血糖値の急上昇が抑えられるのです。
野菜に含まれる食物繊維が、野菜に含まれる食物繊維が、糖の吸収を遅らせるため血糖値の上昇が緩やかになります。
また野菜をよく噛んで食べることで、満腹感が得られれば、食事量を抑えることができるので、野菜を先に食べることが有益だと言われています。※8

食後にまだ満腹感が得られないという方は、サラダなどの野菜からよく噛んで食べ、時間をかけて噛んで食べることで満腹中枢を刺激し、満腹感を得るということを意識してみて下さい。

お腹が空く理由を考える

お腹が空いた時、ダイエット中は我慢する方が多いのではないでしょうか。
しかし、お腹が空く理由を考えて、適切な対応をすることで、我慢する必要がない場合も多いものです。

お腹が空く理由は、必要なモノが足りていないことにあります。
カロリー不足はもちろん、水分不足や栄養不足でもお腹が空くことがあると言われています。
お腹が空いたら、水分は足りているか、足らない栄養素は何かを考えて、足らないものを補うようにするのがポイントです。
1日に必要な水分量は、体重×30mlです。
ここで注意したいのは、コーヒーやアルコール。
コーヒーやアルコールは利尿作用が高く、水分には含みません。
それ以外の水やお茶で必要量を摂取するようにしましょう。

また、ホルモンをコントロールして食欲を抑制する4つのポイントでもご紹介しましたが、睡眠不足も空腹に繋がります。

最近「お腹が空きやすい」と感じたら、3日分の食事内容や水分摂取量、睡眠時間を書き出して振り返って見て下さい。※8

※8 野菜を先に食べて肥満を防ぐ/キューピー/2019年1月7日現在
https://www.kewpie.co.jp/vegefirst/2.html
※9 本当の美人は、あえてこれを選んでいる/EICO/大和出版/2015年8月/2019年1月7日現在

まとめ

今回は、食欲をコントロールするホルモンについてご紹介いたしました。
食欲を抑制する「レプチン」、食欲を増進させる「グレリン」を中心に、それらをコントロールして食欲を抑えるには、運動や睡眠が重要で、アルコールを控え、よく噛み時間をかけて食べることが大切です。

また、食べ過ぎは食欲抑制の観点からも禁物です。
食べ過ぎによりレプチンを受け取ることができず、食欲を抑制できなくなります。
その結果、さらに食べ過ぎるという悪循環に。

そうならないためにも、日頃から食生活で食べる順番や食べるものに少し気を使ってみてください。

バランスの良い食事や規則正しい生活は、無駄な食欲を減らすことに繋がり、ダイエットを助けてくれるはずです。

監修者
生出
栄養⼠、アロマデトックスリンパトリートメン
栄養専門学校卒業後、フィットネスジム・エステ・健康食品販売が一体化したサロンにて栄養士として勤務。
お客様のダイエットやアンチエイジングのお手伝いをしていたことがきっかけで、さらに美しくなるサポートをするため、美容医療の道に進み、美容クリニックでカウンセラーを務める。
食生活と美容の関係が密接であることをより感じ、カウンセリングの中では、食生活などのアドバイスも取り入れてきた。
この春からは、さらなる医療の知識をつけるため社会人看護学生として、キャリアアップに励んでいる。
趣味は“美しさは一夜にしてならず”をモットーに、日々の生活の中から美容健康法を見出すこと。
公開日:2019.07.09
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