グルコサミンとコンドロイチン、何が違うかご存知ですか?

公開日:2019.04.10

最近、よく目や耳にするようになった「グルコサミン」と「コンドロイチン」。
それぞれの特徴と働き、併用が推奨される理由についてみていきましょう。
1日でも長く「自分の足で歩ける幸せ」を実感するために、知っておきたい成分が「グルコサミン」と「コンドロイチン」です。

目次

  1. グルコサミンとコンドロイチンは何が違うの?
    • グルコサミンとは
    • コンドロイチンとは
    • グルコサミンとコンドロイチンの違い
  2. グルコサミンとコンドロイチンを同時に摂る理由とは?
    • グルコサミンとコンドロイチンを一緒に摂る理由
  3. 甲殻類アレルギーには充分に注意すること!
    • アレルギー反応とは?
    • 気を付けたい甲殻類アレルギー
    • 気を付けたい組み合わせ
  4. 年齢とともに生成が減少し、ニーズが高まるグルコサミンとコンドロイチン
    • グルコサミンは不足しがち?
    • グルコサミンとコンドロイチンの摂取量は?
  5. まとめ

グルコサミンとコンドロイチンは何が違うの?

グルコサミンは、体の中にある「糖」の中でも代表的な「アミノ糖」と呼ばれる物質で、グルコースにアミノ基が結合した形で存在しています。
グルコースとは、分子式C6H1206であらわされる単純な糖で、ブドウ糖の事を指しますが、体の中では脳や筋肉を動かす大切なエネルギー源となります。
アミノ基とは反応性が高い似た原子の集まりで、グルコースの一部がアミノ基に置き換わったものを総称して「アミノ酸」といいますが、どの部分がどのように置き換わっているかにより、たくさんの種類が存在します。※1、2、3、4

グルコサミンとは

グルコサミンの場合は、グルコースのうちの1つのOHが、NH2(アミノ基)に置き換わっています。
アミノ糖はたんぱく質を構成する成分で、細胞を結び付ける結合組織としての働きがあります。
軟骨や皮膚、爪、靭帯など体の中のさまざまな臓器に存在しており、クッションのような働きで各臓器を保護しています。※3、5、6

コンドロイチンとは

では続いて、コンドロイチンについてみていきましょう。
コンドロイチンは、ギリシャ語で「軟骨のもと」を意味する、「コンドロス」が語源です。
コンドロイチンは、関節軟骨に多く含まれている物質ですが、生物内での分布範囲が広く、例えば骨などの硬い組織や脳神経組織など、ほとんど全ての臓器に含まれています。
コンドロイチンは「ムコ多糖」とよばれる糖類の一種で、同じムコ多糖類には他にも、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸などがあります。
ムコ多糖の役割としては、細胞の周りで水分をしっかり蓄えていること。
この水分を通じて細胞に栄養を送り、不必要となった老廃物を取り出すことで、体の「代謝」をサポートしています。
コンドロイチンは現在、5種類存在することがわかっています。その中でも、関節軟骨に多く含まれているコンドロイチンは、コンドロイチン硫酸Aと、コンドロイチン硫酸Cです。※1、2

グルコサミンとコンドロイチンの違い

グルコサミンとコンドロイチンは、どちらも体内の様々な組織を「スムーズに動かす」ことをサポートする働きがあり、健康を守るために欠かせないといわれています
では、グルコサミンとコンドロイチンの違いは何でしょうか?

この二つの成分の違いの一つは、糖類としての分類にあります。
グルコサミンは、アミノ糖の一種であり、コンドロイチンはムコ多糖の一つです。
それぞれの特徴には
●グルコサミン:軟骨の主成分であるプロテオグリカンを作り出す原料
●コンドロイチン:プロテオグリカンを構成する重要な成分
という違いがあります。
また、これらの物質が含まれる食品にも違いがあります。
納豆や山芋、おくらなどのネバネバした食品には共通して含まれていますが、グルコサミンはエビやカニなど「甲殻類の殻」にも多く含まれています。
グルコサミンもコンドロイチンも健康には欠かせない大切な物質であり、それぞれ違う役割をもっています。
この二つの成分が連携することによって、健やかな身体を維持していくことができます。
二つの成分は違う働きをもちながら、お互いをサポートしているのです。※2、3、4、5

※2 文部科学省 健康食品の安全性・有効性情報 コンドロイチン硫酸 https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail580.html 
2018年12月閲覧
※3 文部科学省 健康食品の安全性・有効性情報 グルコサミン https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail24.html 
2018年12月閲覧
※4 一般社団法人 日本サプリメント協会 ムコ多糖類 
https://www.j-supplements.com/ingredient/mucopolysaccharide/
2018年12月閲覧
※1 一般社団法人日本サプリメント協会著 2017年6月発行 サプリメント健康辞典 集英社
※5 中村 丁次監修 2015年7月発行 栄養の基本がわかる図解辞典 成美堂出版
※6 キャサリン・E.ウルブリヒト, イーサン・M.バッシュ編 渡邊 昌日本語監修 2014年12月発行 ハーブ&サプリメント NATURAL STANDARDによる有効性評価 産調出版株式会社

グルコサミンとコンドロイチンを同時に摂る理由とは?

どちらも関節などに多く含まれ、よく似た効果があるといわれているグルコサミンとコンドロイチンですが、この二つの成分を同時に摂取する理由とは何でしょうか。
グルコサミンとコンドロイチンは、その働きに微妙な違いがあります。
例えば、骨そのものを構成するカルシウムとマグネシウムは、どちらも骨や歯といった硬い細胞の形成に作用しますので、カルシウムとマグネシウムも働きそのものが似ていることになります。
カルシウムの1日の摂取量はマグネシウムの2倍が必要といわれており、重要なのはこの比率なのです。
カルシウムとマグネシウムは、摂取量の比率が乱れると、両方の吸収率が悪くなってしまうといわれています。
つまり、マグネシウムが不足しているからといってマグネシウムだけを摂っても、カルシウムが不足していれば十分に吸収されていないことになります。
では、グルコサミンとコンドロイチンはどうでしょうか。
どちらも「体のスムーズな動きをサポートする働きがある」物質ですが、単体で摂るよりも、併せて摂る事で、どのような効果が期待できるのでしょうか。※1、2、3、4

グルコサミンとコンドロイチンを一緒に摂る理由

グルコサミンは軟骨の主成分である「プロテオグリカン」の原料となります。
これに対してコンドロイチンは、優れた保水力でプロテオグリカンに弾力を与えます。
またグルコサミンが組織を再生と修復する一方で、コンドロイチンは組織に水分や栄養を与え、より良い状態を保とうとします。
このようにグルコサミンとコンドロイチンは似ているようで、実はそれぞれ別の働きをしながら互いに影響を与え合っているのです。
ですから、この二つの成分を同時に摂取するということは、相乗効果が期待できるということになります。
また、コンドロイチンには栄養成分の消化吸収など、代謝を促す働きがあるので、二つを併用することによって、コンドロイチンがグルコサミンの消化と吸収を助けてくれることになります。
また、グルコサミンには、組織の再生や修復を行うと同時に、コンドロイチンを生成する機能もあります。
体内にグルコサミンが不足すると、コンドロイチンも不足気味になってしまうのです。
これらのことから、グルコサミンとコンドロイチンを同時に摂取することは、体内でのコンドロイチン不足を防ぎ、グルコサミンの働きをサポートする事にもつながります。※1、2、3

※2 文部科学省 健康食品の安全性・有効性情報 コンドロイチン硫酸 https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail580.html 
2018年12月閲覧
※3 文部科学省 健康食品の安全性・有効性情報 グルコサミン https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail24.html 
2018年12月閲覧
※4 一般社団法人 日本サプリメント協会 ムコ多糖類 
https://www.j-supplements.com/ingredient/mucopolysaccharide/
2018年12月閲覧
※1 一般社団法人日本サプリメント協会著 2017年6月発行 サプリメント健康辞典 集英社

甲殻類アレルギーには充分に注意すること!

グルコサミンは、山芋やおくら、なめこ、納豆など、いわゆる「ネバネバした食品」に多く含まれており、これを「植物性グルコサミン」といいます。
このネバネバは「ムコ多糖類」にもみられる性質であり、コンドロイチンにもこの性質があります。
また、グルコサミンはエビやカニなどの甲殻類にも含まれ、これらからつくられるグルコサミン成分を「動物性グルコサミン」といいます。
一般的に、動物性のグルコサミンは人の体内成分と近いため、吸収率が高いといわれています。
摂取してからの吸収率が、植物性のグルコサミンよりも高いのです。※5

動物性グルコサミンは、エビやカニといった甲殻類から「キトサン」といわれる成分から抽出しますが、人はキトサンを分解する酵素が無く、ほとんどが食物繊維となります。
また甲殻類に属する食物は、アレルギー反応、いわゆる「甲殻類アレルギー」を起こす可能性があります。※1、2、3、6

アレルギー反応とは?

アレルギー反応とは、体内に入った物質に対して抗体を作り出し、特異的な反応を起こした時に出る反応を総称して言います。
もともとは体を守る仕組みなのですが、この仕組みが過剰に働き、体にとって有害な症状を引き起こすことがあるのです。
体内に入った物質に対して「異物だ」と判断すると、免疫細胞の中で特殊なたんぱく質から「抗体」を作るところから、アレルギー反応は始まります。
どのような物質に対してどの抗体を結合させるかは体が覚えていて、次にその物質が体内に入ったときに、抗体を察知して「異物が入って来た」と判断します。
すると免疫細胞は、その異物を排除すると同時に、ヒスタミンなどの成分を放出させます。
これが、かゆみや鼻水などのアレルギー症状を引き起こします。※6、7

気を付けたい甲殻類アレルギー

甲殻類アレルギーは、エビやカニなどの甲殻類を食べたり、触れたりすることによって起こるアレルギー反応です。
甲殻類アレルギーには一般的に、アレルギーの元となる食品を食べてから1時間以内に蕁麻疹などが出る「即時型」と呼ばれる反応が多くみられます。
重篤になると、呼吸困難や意識障害、アナフィラキシーショックを起こす可能性もあります。
また、甲殻類アレルギーは「大人が発症しやすい食物アレルギー」でもあります。
症状は、かゆみや蕁麻疹が出る人、おう吐や意識の混濁などが見られる人など、人によって様々です。
大量に食べると症状が出る人、少量でも症状が出てしまう人など、アレルギー反応の強さも人によって違います。

さらに、エビやカニなどの甲殻類を摂取した後に、運動をすることでアレルギー症状が出る「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」という反応もあります。
これは、アレルギーの元となる「アレルゲン」を摂取するだけではアレルギー反応は起こりませんが、その後運動をするとアレルギー反応が出現します。
アナフィラキシーを起こす可能性がある甲殻類は、食品衛生法により、特定原材料としての表示が義務づけられるようになりました。
甲殻類アレルギーの人は、エビやカニそのものを避けるのはもちろんですが、誤食を防ぐために食品表示を確認する習慣をつけましょう。※2、3、6、7

気を付けたい組み合わせ

アレルギーと合わせて気を付けたいのが医薬品との飲み合わせです。
グルコサミンやコンドロイチンは、血液の凝固を防ぐ作用をもつワルファリン(ワーファリン)という薬の作用を増強させる可能性があります
他にも、インスリンの分泌にも影響を与えるという報告があり、血糖をコントロールしている人は、医師への相談が必要です。
さらに、コンドロイチンは点眼薬の成分として使われていることがあります。
内服薬だけではなく、点眼薬を使用している場合も、医師の指導が必要です。
少しでも気になる方は、かかりつけ医などで相談してみましょう。※2、3、5

※2 文部科学省 健康食品の安全性・有効性情報 コンドロイチン硫酸 https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail580.html 
2018年12月閲覧
※3 文部科学省 健康食品の安全性・有効性情報 グルコサミン https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail24.html 
2018年12月閲覧
※7 厚生労働科学研究班による食物アレルギー診療の手引き2014   
https://www.foodallergy.jp/wp-content/themes/foodallergy/pdf/manual2014.pdf
2018年12月閲覧
※1 一般社団法人日本サプリメント協会著 2017年6月発行 サプリメント健康辞典 集英社
※5 中村 丁次監修 2015年7月発行 栄養の基本がわかる図解辞典 成美堂出版
※6 キャサリン・E.ウルブリヒト, イーサン・M.バッシュ編 渡邊 昌日本語監修 2014年12月発行 ハーブ&サプリメント NATURAL STANDARDによる有効性評価 産調出版株式会社

年齢とともに生成が減少し、ニーズが高まるグルコサミンとコンドロイチン

加齢とともに、体内のグルコサミンやコンドロイチンの生成量は、減少していくことが分かっています。
ムコ多糖の一種であるコンドロイチンは、バランスのとれた食事により、必要な量を体内で生成しますが、加齢とともに栄養成分の消化・吸収能力が低下し、体内で必要とされるコンドロイチンの量を生成することが難しくなってきます。
すると、コンドロイチンから生成されるグルコサミンも生成量が減り、結果的に両方の成分が不足した状態になります。

グルコサミンを多く含む食品である甲殻類の殻は、グルコサミンの元となる「キチン」や「キトサン」という成分を多く含みますが、これらのほとんどは、体内に吸収されにくい性質があります。
また、プロテオグリカンの構成成分であるコンドロイチンは、牛や豚・鳥の軟骨、フカヒレやウナギ、ネバネバした野菜のオクラや山芋にも多く含まれていますので、山芋はグルコサミンとコンドロイチンの両方を多く含む食品といえます。※1、2、3

グルコサミンは不足しがち?

では、毎日これらの食品をたっぷりと摂取していればグルコサミンが不足することはないのでしょうか。

確かにカニやエビの殻はグルコサミンの原料になりますが、分解されて吸収されるのはごくわずかです。
牛や豚・鳥の軟骨からも、十分な量のグルコサミンを摂取することは難しいとされています。※1

グルコサミンとコンドロイチンの摂取量は?

では、グルコサミンとコンドロイチンはどのくらい摂ればよいのでしょうか。
グルコサミンとコンドロイチンの1日の摂取量は、正確に定められているわけではありません。
摂る人の体重や性別、年齢などにもよって目安は異なりますし、吸収率の悪さや個人の作用の差などもあり、現在のところは1日の摂取量の目安が決められていないためです。
また、十分な量を摂取していたとしても、1日の目安として有効であるかを判断するのは、現在のところは困難であるとされています。
例えば、医薬品にコンドロイチンの化合物が含まれているような場合、臨床試験においての摂取量はあくまでも「治療」にあたり、健康維持のために「日常的に摂取したい量」とは異なります。
従って、サプリメントなどの栄養補助食品として、グルコサミンやコンドロイチンを摂取する場合には、摂取のための注意事項を良く読み、表示されている摂取量に従って摂るようにしましょう。※1、2、3

※2 文部科学省 健康食品の安全性・有効性情報 グルコサミン https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail24.html 
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※3 文部科学省 健康食品の安全性・有効性情報 コンドロイチン硫酸https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail580.html 
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※1 一般社団法人日本サプリメント協会著 2017年6月発行 サプリメント健康辞典 集英社

まとめ

元気な身体で健康に暮らしたい、長生きしたいと思いますよね。
平均寿命と健康寿命の差は「日常生活に制限のある不健康な期間」を意味しています。
この差が少なければ少ないほど、健康な期間が長いことになります。
1日でも長く、元気で健康に過ごすためには、毎日の食生活に気を付けることが一番です。
もちろん適度な運動も健康には大切です。
その適度な運動が楽しめる、元気な身体を作っていきましょう。

ライター
岡部
看護師
埼玉県内総合病院手術室(6年)、眼科クリニック(半年)勤務、IT関連企業(10年)勤務、都内総合病院手術室(1年半)、千葉県内眼科クリニック(1年)勤務
2011年よりヘルスケアライターとして活動。 現在は、一般向け疾患啓発サイト、医療従事者向け情報サイト等での執筆、 医療従事者への取材、記事作成などを行う。
一般向けおよび医療従事者向け書籍
○執筆・編集協力
・看護の現場ですぐに役立つICU看護のキホン (ナースのためのスキルアップノート)
・看護の現場ですぐに役立つ 人工呼吸ケアのキホン (ナースのためのスキルアップノート)
・看護の現場ですぐに役立つ ドレーン管理のキホン (ナースのためのスキルアップノート)  他
公開日:2019.04.10
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