暗記が苦手なのは正しいやり方を知らないだけ!暗記のコツを大公開

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英単語や歴史の用語など、中学校や高校の勉強では暗記を避けて通ることができません。
でも「暗記は苦手だから…」と最初から諦めていませんか?
それは暗記の正しいやり方を知らないだけ。
勉強が得意な人がやっている賢い暗記のコツや試験勉強ですぐに使える暗記術を紹介します。

目次

  1. 暗記が苦手な中高生によくある3つの失敗
    • 書いてあることを丸暗記しようとする
    • 覚えるべきポイントを絞れていない
    • 暗記に取り組む時間・回数が足りない
  2. 勉強のやり方をガラリと変える暗記のコツ
    • 情報に優先順位をつける
    • 情報を整理する
    • 繰り返しを習慣化する
  3. ノート・声・友達・睡眠で暗記はもっと楽になる
    • スラスラ暗記できるノートの使い方
    • 声に出して記憶を定着させる
    • 友達に教えることで自分の身に付く
    • 正しい睡眠は暗記の味方
  4. 試験勉強にすぐ使える暗記術5選
    • 頭文字で覚える
    • 数で覚える
    • 具体的に覚える
    • 不正解を覚える
    • 前日の復習を義務化して覚える
  5. まとめ

暗記が苦手な中高生によくある3つの失敗

「学校の成績を上げたい」「模試の合格判定をアップさせたい」「志望校に合格したい」と思ったら、まず取り組むべきことは暗記の強化です。

英語が苦手な人が長文を読むとき、意味を覚えていない単語がいくつもあると、文章がまるで虫食いのように見えて、内容が頭に入りませんよね。
しかし、単語の意味をしっかり覚えてから問題に臨めば、文章の内容は格段に理解しやすくなります。

では、どうすれば暗記が得意になるのでしょうか?
実は暗記が苦手な人は、暗記の方法について次のような失敗をしていることが多いのです。

 

書いてあることを丸暗記しようとする

あなたは教科書や参考書などに書いてある内容を丸暗記しようとしていませんか?
勉強以外にも言えることですが、どんな情報も「幹」と「枝葉」でできています。
最も大切な情報は幹の部分で、枝葉の部分は幹を詳しく理解させるために存在しているのです。
このような仕組みを理解しないで教科書や参考書を読むと、「目の前の情報をとにかく覚えなければ」と思い込んで、非効率な丸暗記に走って失敗してしまいます。

 

覚えるべきポイントを絞れていない

テストや受験は出題範囲が広くても、出題されやすいポイントはある程度決まっています。
あなたは出題ポイントを意識しながら勉強していますか?

例えば英語なら、市販の単語帳を開けば、一つの単語に対して複数の意味が記載されていますが、暗記が苦手な人は、載っているすべての意味を覚えようとして失敗します。

3番目、4番目に載っている意味は、実際はめったに使われない、受験にあまり役に立たない、ということも珍しくありません。
出題のされやすさを無視した覚え方は、時間を無駄にしてしまいます。
それに、単語が増えるほど覚えるべき情報が膨大な量になり、途中で挫折してしまうでしょう。

 

暗記に取り組む時間・回数が足りない

「自分は暗記が苦手だ」と言う人の中には、そもそも「覚えるまで繰り返しやっていない」という人もいます。
暗記に取り組む時間や回数が足りないから、覚えられないのです。

教科書や参考書を授業で一度読んだだけで完璧に暗記できる人など、ほとんどいません。
情報に接する回数を増やした人ほど記憶が定着しやすくなり、覚えたことを思い出すトレーニングを重ねた人ほどテストや受験の本番に力を発揮できます。
暗記が得意な人は、繰り返しの重要性をよく知っているのです。

 

勉強のやり方をガラリと変える暗記のコツ

暗記の失敗パターンが自分に当てはまると感じた人は、これからはコツをおさえた暗記法に切り替えましょう。

 

情報に優先順位をつける

テスト勉強や受験勉強に充てることができる時間は限られています。
まずは「とりあえず全部覚えよう」「ページの一行目から順番に覚えよう」という非効率的な暗記のやり方をやめましょう。
暗記のコツの1つ目は、試験のためにどの情報がより重要なのか優先順位を意識することです。

 

では、どのように優先順位をつければいいのでしょうか?
まずは、情報の「幹」と「枝葉」を見分ける癖をつけましょう。
例えば、歴史の勉強をするときは、教科書や参考書を開いて、その時代の特徴について短く要約した文章がないか探しましょう。
これが情報の「幹」に当たる部分で、最も優先して覚えるべきポイントです。

鎌倉時代なら「日本で初めて武士による本格的な政権が生まれ、将軍は御家人に土地を与え、御家人は将軍のために働くという関係が築かれた」となります。
歴史の勉強では特に政治の流れが「幹」となっています。

これに対して、「鎌倉文化は政治で力を持つようになった武士の影響を受けて素朴さや力強さが特徴」、「平家物語」、「東大寺南大門の金剛力士像」といった情報は「枝葉」に当たります。
「幹」を先に理解しておけば、「枝葉」はスムーズに頭に入りますよね。
それに、もし試験本番で「枝葉」の記憶が曖昧でも、「幹」の部分をしっかり覚えていれば、「武士」というキーワードから正しい回答を導き出せる可能性が高いのです。

また、英単語の場合は、単語帳に載っている複数の意味のうち「1番目と2番目の意味だけを覚える」など、覚える内容を絞ってみましょう。
出題頻度がマークで記載されている単語帳なら、まずは頻度が最も高いものだけをターゲットに暗記します。

 

情報を整理する

勉強していると、ある部分はスラスラ覚えられるのに、別の部分はなかなか頭に入らず苦労した、という経験はありませんか?
覚えにくい原因の一つは、暗記に使っている教科書や参考書の表現がしっくりこないことです。

暗記のコツの2つ目は、覚えたい内容を自分なりの言葉で言い換えて、情報を整理することです。
教科書や参考書に書いてあることが「要するに」どういうことなのか、頭の中で言い直してみましょう。※1

例えば、公民の勉強で「三権分立」について覚えるとします。
国会と裁判所の関係については、日本国憲法第六十四条に「国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける」と書かれていますが、このままでは非常に理解しづらいです。※2
これを噛み砕いた表現にすると、「国会議員は特別な裁判を開いて裁判官をクビにすることができる」といった言い換えができます。

 

繰り返しを習慣化する

暗記のコツの3つ目は、繰り返して覚えること、さらにそれを習慣化していくことです。

まず、覚える回数を増やすためには、「暗記は試験前にやるもの」という思い込みを捨てて、授業中の意識から変えていきます。
先生が「これは覚えておけ」と強調する内容は、聞いたらすぐに頭の中で何度もつぶやきます。※1
こうするだけで、脳にインプットする機会を1回増やすことができるのです。

暗記を効率的に繰り返すには、すでに覚えた情報とまだ覚えていない情報を区別することが有効です。
例えば、英単語100個の意味を答える問題集があるとして、1回目に60個正解したら、2回目以降は覚えていなかった40個だけを繰り返し解きます。
ただし、人間は一度覚えても忘れる生き物ですから、3回に1回程度のペースで、最初に正解した問題も含めて全体を復習しましょう。※1
漫然と暗記するのではなく、メリハリを効かせることが大切です。
このような暗記方法を普段の勉強から取り入れてみましょう。

また、暗記は「覚えること」だけでなく「必要なときに瞬時に思い出せること」が重要です。
ただ覚えたい内容をただ眺めるだけでなく、ある程度頭に入ったら、自分でミニテストを作ってスムーズに思い出せるかをチェックしてみましょう。

※1:2017年 碓井孝介『図解でわかる 暗記のすごいコツ』日本実業出版社
※2:電子政府の総合窓口 e-Gov[イーガブ] 日本国憲法
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=321CONSTITUTION

ノート・声・友達・睡眠で暗記はもっと楽になる

暗記のコツを紹介しましたが、実際の勉強ではどんなことをやれば効果的なのでしょうか。
実践的な暗記方法をご紹介しましょう。

 

スラスラ暗記できるノートの使い方

普段の勉強では、教科・科目ごとにノートを用意している人が多いと思います。
しかし、テスト前など集中的に暗記したいときは、すべての教科・科目を1冊にまとめた「暗記専用ノート」を作ってみましょう。

まず、各教科・科目の勉強でなかなか覚えられない部分を、暗記専用ノートに書き出します。
ページの真ん中に縦に線を引くか折り目をつけて、左側には問題、右側には答えを書いて一問一答形式にするのがおすすめです。

そしてこの暗記専用ノートをいつも手の届く場所に置いて、通学時間や休み時間などを使って何度も目を通します。
一通り頭に入ったと感じたら、右側の答えの部分を隠してミニテストでチェックしましょう。
なかなか覚えられない部分に接する回数を増やして、集中的に繰り返すことができます。

ノートといっても、実際はページを自由に増やしたり減らしたりできるルーズリーフのほうが便利でしょう。
覚えたページはノートから外して、また次に覚えたいことが出てきたら新しいページを追加します。

 

声に出して記憶を定着させる

暗記のコツは繰り返すことですが、ただ回数を増やせばいいわけではありません。
繰り返してもなかなか頭に入ってこないという人は、「目で覚える」だけの暗記をしていませんか?
そんな人は、他の暗記方法も取り入れてみましょう。

おすすめの方法は、声に出すことです。
頭の中でつぶやくのではなく、実際に音読することがポイントです。
覚えたい内容を目だけでなく耳からもインプットすることで、より効果的な繰り返しができて、記憶に定着させることができます。

手で書いて覚える方法も効果がありますが、書き続けると手が疲れる、書くのに時間がかかるという点はデメリットです。
声に出すのは書くよりも疲れにくく、勉強中の眠気覚ましにもなって一石二鳥です。
さらに、書くよりも喋るほうが早いので、繰り返しの回数を稼ぐこともできます。

 

友達に教えることで自分の身に付く

暗記のコツの中で、覚えたい内容を自分なりの言葉で言い換えることが重要だと言いました。
これができるようになったら、次は友達の前で説明してみましょう。
人に教えることで自分の理解が深まり、ためになることも多いのです。
さらに、声に出すことで自分の記憶により強く刻み込む効果も期待できます。

自分の頭の中では言い換えができていたつもりでも、実際に声に出してみると、上手く説明できない部分も出てくるでしょう。
友達に教えながら、自分の理解が曖昧な部分を発見することもできます。

上手く説明できれば友達に喜んでもらえて達成感が味わえることや、一緒に勉強することでモチベーションがキープできることも大きなメリットです。

 

正しい睡眠は暗記の味方

「暗記の勉強をするなら徹夜は厳禁」という話を聞いたことがありませんか。
人間の睡眠は、深い眠りのノンレム睡眠と、浅い眠りのレム睡眠を交互に繰り返して朝を迎えます。
このうち、レム睡眠中の脳では記憶の整理や定着が行われていると言われています。
つまり、正しいサイクルで眠ることができれば、睡眠が暗記の味方になるのです。

眠り始めに現れるのはノンレム睡眠で、レム睡眠はノンレム睡眠をたっぷりとった後に現れます。
普段から早寝早起きを心がけましょう。※3

※3:文部科学省 早寝早起き朝ごはんで輝く君の未来~睡眠リズムを整えよう! ~
http://katei.mext.go.jp/contents2/pdf/H26_keihatsushiryo-student.pdf

試験勉強にすぐ使える暗記術5選

暗記が得意な人は、覚えにくい内容を攻略するためにさまざまなテクニックを使っています。
どれも簡単にマネできる方法なのに、知っている人と知らない人では暗記の効率がまるで違ってきます。
試験勉強にすぐに取り入れることができるので、あなたもぜひ試してみてください。

 

頭文字で覚える

「鎌倉時代の仏教の宗派」など、複数の用語をまとめて覚えるときや、「宗派の名前と開祖」など用語の組み合わせを覚えたい時は、頭文字を使った暗記術が役立ちます。

鎌倉時代の仏教で覚えなければならないのは、浄土宗、浄土真宗、時宗、日蓮宗、臨済宗、曹洞宗です。
こういうときは、それぞれの頭文字を並べて「浄・浄・時・日・臨・曹(ジョウ・ジョウ・ジ・ニチ・リン・ソウ)」と覚えましょう。
語呂合わせと違って意味はありませんが、呪文のように何度も声に出すことで記憶に残ります。
宗派の名前と開祖を覚えるなら、浄土宗は法然なので「浄・法(ジョウ・ホウ)」、真言宗は空海なので「真・空(シン・クウ)」となります。

 

数で覚える

先ほどの鎌倉時代の仏教の宗派のように、複数の用語をまとめて覚えたいときは、数で覚えることが効果的です。
暗記は、必要なときに思い出す力も大切です。
「鎌倉時代の仏教の宗派は6つ」と覚えておけば、「浄土宗と、浄土真宗と、あと4つは…」と数えながら思い出せるので、漏れをなくすことができます。

 

具体的に覚える

抽象的なことを覚えたいときは、必ず具体的なイメージをセットにして頭に入れましょう。
※4

例えば、公民の勉強で被選挙権(選挙に出ることができる権利)について覚えるとします。
同じ国会議員でも、衆議院議員は満25歳以上から立候補できますが、参議院議員は満30歳以上でないと立候補できません。
この違いを覚えるために、「28歳の◯◯先生は、衆議院はOKだけど参議院はNG」というふうに身近な人を当てはめてみましょう。

この方法は他の教科・科目でも、英単語なら例文や洋楽の歌詞を、理科の法則・原理なら日常生活で起こる現象を関連付けるというように応用できます。

 

不正解を覚える

センター試験では4つの選択肢から「正しいものを1つ」選ぶ問題がよく出題されます。
本番前の勉強で同じような形式の問題集にあたるときは、答え合わせで問題の正しい答えを確認するだけでなく、残り3つの間違いの選択肢にも注目してみてください。

歴史の問題なら、人名、年号、法律の名称などが間違った情報にすりかえられているはずです。
解きながら「これは間違いだけど、正しくは何だったっけ?」と思ったら、絶好の復習のチャンスです。

 

前日の復習を義務化して覚える

入試など出題範囲が広い場合の受験勉強は、同じ単元の暗記ばかりに時間をかけるわけにはいきません。
しかし、暗記の鉄則は「繰り返し」ですから、復習の時間も必要です。

勉強の範囲を広げながら効率的に暗記するには、勉強開始から10〜20分程度は必ず前日勉強した内容を復習する」というルールを作ってしまいましょう。
復習タイムを短くするには、前日の勉強の最後に「出題されそうな点」や「忘れてはいけない点」をピックアップしておくことが大切です。※4

※4:2017年 碓井孝介『図解でわかる 暗記のすごいコツ』日本実業出版

まとめ

コツや効率の良いやり方を知っているだけで、暗記はぐっと楽になります。
暗記への苦手意識がなくなれば、勉強がもっと楽しくなりますよ。
さらに暗記が得意になれば、将来の受験や資格試験の勉強にも役立ちます。
ぜひ試してみてください。

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