赤ちゃんにおやつは必要?いつから、何を食べさせる?

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最近では、離乳食中の月齢でも食べられるベビー用のおせんべいやボーロが販売されています。

また、まわりもおやつを与えていたりすると、その必要性や時期が気になる方も多いのではないでしょうか。

離乳食が終わる頃には、子どもが集まるとおやつを持参している子も増えてきて、ますます気になりだします。

今回は、赤ちゃんにとってのおやつとは何なのか、市販のおやつとの付き合い方、また注意するポイントをご紹介します。

目次

  1. 赤ちゃんにおやつは必要? いつから?何をどれくらい?
    • おやつは離乳後から
    • 赤ちゃんにとっておやつは第4の食事
    • おやつの量
    • おやつの種類
    • おやつの時間
  2. ベビー用おやつは6ヶ月から?
    • 離乳食完了前のおやつの必要性
    • 市販のベビー用おやつは、離乳食の進み具合を参考に
    • 窒息には注意を
  3. スナック菓子やチョコレートはいつから?
    • チョコレート
    • スナック菓子
    • アイスクリーム
    • 添加物の少ないものを選ぼう
  4. おやつは補食。時間や内容を気にかけて。
  5. まとめ

赤ちゃんにおやつは必要? いつから?何をどれくらい?

市販のベビー用おやつを目にしたり、周りの赤ちゃんが母乳や食事以外のものを食べているのを見ると、あげる必要はあるの?いつから?など疑問に思う方もいいのではないでしょうか。
ここでは、赤ちゃんにとってのおやつについてご紹介します。

おやつは離乳後から

おやつが必要になるのは3食の食事を安定して食べられるようになってからだと言われています。
3回食事をしていても、まだ母乳やミルクを飲んでいる間は母乳やミルクから栄養がとれるのでおやつは必要ありません。
母乳やミルクからの離乳が完了し、3回の食事から栄養をとるようになってから、食事の合間の時間におやつを追加します。※1
厚生労働省が定める「授乳・離乳の支援ガイド」によると、離乳の時期は生後12か月~18ヶ月とされています。※2

赤ちゃんにとっておやつは第4の食事

3回の離乳食が食べられるようになった頃でも、必要なエネルギーや栄養のすべてを食事からとるのは、赤ちゃんにとっては難しいものです。

3回食になる1歳前後では、消化機能の発達が十分ではないため、3回の食事だけでは必要量を摂り切れないと言われています。※3

そのため、おやつを第4の食事として、栄養を補う必要がでてくるのです。

大人が考える、お楽しみのためのおやつではなく、赤ちゃんにとってもおやつは必要な栄養をとるための補食なのです。

おやつの量

1歳~2歳の1日に必要なエネルギー量は、男の子で950kcal女の子で900kcalとなっています。※4
これらの中で、おやつは10%~15%を目安に考えると言われています。
つまり、1歳~2歳では100kcal前後です。
このエネルギー量を1回~2回で補います。
バナナ1本で約86kcal、普通の牛乳が100gで67kcal※5ですので、バナナ半分と牛乳1杯くらいで100kcal程度になります。
3歳以上になれば、1日の必要なエネルギー量も1300kcal程度となり、おやつも130kcal~190kcal程度取れるようになります。このころの幼児になると運動量も増えるので、多少カロリーを増やしても大丈夫です。※1
このように、おやつの量としては、それほど多くなくてよいのです。
補食となるよう、栄養価の高いものを少しあげるようにしましょう。

おやつの種類

食事で不足する栄養を補うためには、おにぎり、サンドイッチ、ホットケーキなどのような軽食やフルーツなどを取り入れるようにしましょう。
大人が考えるスイーツやスナック菓子のようなおやつは、まだまだ赤ちゃんには早いです。
さらに、市販のお菓子は、カロリーオーバーになりがちです。
おやつにカロリーを摂りすぎてしまうと、その後の食事が食べられなくなってしまうので欲しがるままに与えるのは控えましょう

おやつの時間

おやつは、食事と食事の間に与えます。
だらだら食べると虫歯や肥満の原因にもなります。※3
毎日決まった時間にあげるように習慣づけましょう。
保育園生活の場合は、1日に1度15時頃がおやつの時間です。
食事までの間の時間が短いと、食事が食べられなくなることもあるので、食事と食事の間にしておくとよいでしょう。

※1 きほんの離乳食 完全版 カミカミ期 9?11カ月ごろ/主婦の友社/
※2 「授乳・離乳の支援ガイド」/厚生労働省/平成19年3月14日
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0314-17c.pdf
※3 最新版 この1冊であんしん はじめての幼児食事典/牧野直子監修 小池澄子/朝日新聞出版/2015年
※4 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書/厚生労働省/平成26年3月28日
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042642.pdf
※5 日本食品標準成分表2015年版(七訂) /文部科学省
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/01/15/1365343_1-0207r2_1.pdf

ベビー用おやつは6ヶ月から?

市販されているベビー用のおやつには、6ヶ月や7ヶ月ごろから食べられると記載されているおせんべいやボーロが販売されています。
6~7ヶ月は、離乳食ではまだ2回食を始めるくらいの時期です。
赤ちゃんにおやつは必要? あげるならいつから?の章で、3回食が安定してきてからとご紹介いたしましたが、それよりも随分前の段階ということになります。
6ヶ月や7ヶ月からおやつをあげてもよいのでしょうか。

離乳食完了前のおやつの必要性

市販のおやつの対象月齢は、離乳食完了前です。
まだ離乳が完了していない場合も多い時期なので、栄養的にはおやつをあげる必要はありません
しかし、お出かけの日など特別な時に、大人と一緒におやつの時間を楽しむために取り入れてみると、赤ちゃんの食育の観点では有効です。
休日に大人とおやつの時間を楽しむことで、「食べることが楽しい」と赤ちゃんも感じるはずです。

 

また、おやつを食べることで、つかみ食べや口を動かす練習にもつながります。
6・7ヶ月ごろを対象としたボーロや赤ちゃんせんべいは、舐めていると溶けるようにできているため、その感覚を味わったり、小さいボーロを自分でつかむことで指先の練習にもなります。
栄養的には、まだまだおやつは必要のない時期ですが、食べることの楽しみを伝え、食事では味わえない感触を練習する機会ととらえ、たまにのお楽しみとして取り入れるのがよさそうです。
おやつを与えすぎてしまうと、離乳食を食べなくなってしまったり、エネルギーの摂りすぎになります
日常的に取り入れるのは、まだ控えましょう。※6

 

市販のベビー用おやつは、離乳食の進み具合を参考に

市販のベビー用おやつは、対象月齢が記載されています。
対象月齢ごとに、味付けや固さ、サイズが考えられて作られています。
ベビー用おやつをあげる場合には、対象月齢を参考に赤ちゃんに合ったものを選ぶようにしましょう。


6・7ヶ月頃のおやつは、まだ固いものを噛むことはできないので、口の中で溶けるように作られていたり、9ヶ月頃のおやつは噛む練習になるようビスケットのように自分で持って少し固さのあるものになっています。
月齢はあくまで参考です。
6ヶ月・7ヶ月でも、離乳食をはじめたばかりで、口の中で上手に溶かすことができない赤ちゃんもいるでしょうし、9ヶ月でもまだ噛めない赤ちゃんもいるかと思います。
必ず、離乳食の進み具合と照らし合わせて慎重に選び、食べさせる時にはきちんと食べ終わることができるか見守りましょう。※7

 

また、離乳食についての詳しい情報はこちらの記事でも紹介しています。

離乳食の進め方-食材や固さ、進める目安、食べないときは?-

 

窒息には注意を

東京都商品等安全対策協議会の調査によると、95.4%の人はベビー用おやつを与えた経験があり、ソフトせんべいは5~6ヶ月から与えている方が29%と報告されています。
この調査では、5人に1人の人がベビー用おやつで危害やヒヤリとした経験があると報告されており、ベビー用おやつの安全性が問われています。※8
ベビー用おやつによる窒息事故が増えており、注意喚起がなされています
与える際には、子どもの様子を確認して必要性を考えること、また、窒息事故にならないよう商品の表示を確認するよう提言されています。※9
月齢向けに販売されているから大丈夫と安易に与えず、必要性やその安全性をよく考えて与える方がよさそうです。

※6 赤ちゃんのおやつはいつから必要?|Q&A|パルシステムの育児情報サイト~子育て123~
https://goo.gl/wQjfTM
※7 赤ちゃんにおやつって、いつ、どれくらいの量あげたらいいの?|おやつの食べ方|和光堂わこちゃんカフェ
https://community.wakodo.co.jp/community/oyatu/itu.psp.html
※8 「ベビー用おやつ」による窒息事故に関するインターネット消費者アンケート調査/東京都生活文化局消費生活部
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/anzen/kyougikai/h20/documents/1_shiryou9.pdf
※9 ベビー用のおやつの安全対策についてを報告 | 東京くらしWEB
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/anzen/kyougikai/h20/houkoku.html

スナック菓子やチョコレートはいつから?

ここまではベビー用おやつについてご紹介しましたが、普通のスナック菓子やチョコレートなどのお菓子はいつからあげていいのでしょうか。
ある調査では、ベビーおやつではない市販のお菓子をあげ始めた年齢は、1歳~2歳が52%、2歳~3歳が30%という結果となっています。※10
多くの方が、幼児食に切り替わる1歳代から市販のお菓子も与え始めていることがわかります。
同アンケートでは、市販のお菓子を与える際に、月齢・年齢にあっているかを気にしながら与えていると報告されています。
ベビー用お菓子以外の普通のものは、対象月齢などは特に記載されていないので与えていいのか判断に迷うことも多いです。
与える目安と、注意するポイントをまとめました。

チョコレート

チョコレートは、3歳を過ぎてからがおすすめです。

カカオには、カフェインに似た成分が含まれています。

また、糖分が多い上に、歯に詰まりやすく虫歯の原因にもなります。

また、与えるときは、添加物が少ないプレーンなチョコレートを選びましょう。※11

スナック菓子

スナック菓子は、塩分や油分が多く、添加物も含まれています。
与えるのであれば3歳以降にします。
与える場合も、袋ごと渡してしまわずに、少量ずつ取り分けたり少量パックのものを買うなど、食べ過ぎてしまわないよう量をコントロールしましょう。※11

アイスクリーム

アイスクリームは、食べやすいので早いうちから与えがちです。
市販のものは糖分が多いので注意が必要です。
1歳半くらいからあげられますが、添加物が少なく、チョコレートなどが混ざっていないシンプルなものを選びましょう。※11
風邪の時などに食べやすく重宝する面もあります。

添加物の少ないものを選ぼう

子どもに与えるお菓子で最も気になるのは添加物だと言われています。※12
市販のものはどうしても添加物が増えがちなので、気になるようであれば手作りするかフルーツなどをおやつに取り入れるようにしましょう。
バナナならば、持ち運びも便利で栄養価も高くおすすです。

※10 意外?「ベビー用以外の市販のお菓子」は1歳でデビューが半数!子どものおやつアンケート調査結果/すくコム
https://www.sukusuku.com/contents/45684
※11 いちばんハッピーな幼児食BOOK/小池澄子監修 新谷 友里江/成美堂出版/2018年
※12 幼児または小学生の子どもを持つ親の菓子に関する意識調査/大西梨沙,加藤恵子,佐藤生一/名古屋文理大学紀要 第16号(2015年)
https://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20181007010956.pdf?id=ART0010586248

おやつは補食。時間や内容を気にかけて。

厚生労働省の幼児の食に関する調査では、約半数の家庭がおやつの時間を決めて与えていると回答しています。
また、おやつの栄養価に注意している家庭は約1割という結果となっています。※13
おやつは、欲しがる時に欲しがるものを与えるのではなく、決まった時間に栄養を補うための時間だという意識が必要です。
だらだらと、子どもが欲しがるような甘いものを食べ続けていると、虫歯にもつながります
日ごろから、親が意識的に、子どものおやつの量や時間、内容に気を付けてあげることで、子どもの食育にもつながります。

※13 保育所における食事の提供ガイドライン/厚生労働省/平成24年3月
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/shokujiguide.pdf

まとめ

まだ離乳前の赤ちゃんにとっては、基本的にはおやつは必要ありません。
3回の食事から栄養をとるようになってから、補食としてとりいれるようにします。
しかし、親や兄弟がおやつを食べるのに赤ちゃんだけあげないのは、心苦しいかもしれません。
そんな場合は、特別な時だけのお楽しみとして、月齢に合ったおやつをあげるようにしましょう。窒息にはくれぐれも注意が必要です。


また、離乳食が終わり食べられるものが増えてくると、市販のお菓子をあげてもよいか悩むことも増えてくるかもしれません。
本当に必要かよく考え、栄養価が高く塩分や糖分が控えめのものを選ぶようにしましょう。
子どもが幼児のうちは、おやつは、なるべく決まった時間に決まった量を与えることで、虫歯の防止にもつながります。
子どもがどうしても欲しがる場合には、お菓子ばかり食べると体に良くないということを、絵本や教材などを使い教えていくのも1つの方法です。

 

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