子供の寝かしつけでイライラ!寝ない原因と寝かしつけ対策

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幼児期の子どもがいる親ならば、夜9時には寝て欲しいと思いながら、なかなか寝ずにイライラしてしまうという経験がある方も多いのではないでしょうか。イライラしないためには、子供が寝ない原因を知り、寝かしつけのポイントを把握しておくことが有効です。

今回は、子どもが寝ない5つの原因と寝かしつけの3つのポイント、さらにひとり寝トレーニングについてご紹介します。

目次

  1. 子どもが寝なくてイライラ!寝ない原因を知り寝かしつけをスムーズに
  2. 子どもが寝ない5つの原因
    • 子どもが寝ない原因1 運動不足
    • 子どもが寝ない原因2 お昼寝のし過ぎ
    • 子どもが寝ない原因3 寝る直前にお風呂で温まりすぎる
    • 子どもが寝ない原因4 寝る前のテレビやスマホ
    • 子どもが寝ない原因5 朝も遅く、体内時計が乱れている
  3. 寝ない子どもにイライラは禁物!寝かしつけのポイント
    • 家族全員一緒に寝るつもりで態勢を整える
    • 寝る30分前には寝る環境をつくる
    • 寝る前の儀式を決める
  4. 寝かしつけ卒業!一人で寝られるようになるには
    • いつから一人で寝られる?
    • ひとり寝トレーニングのステップ
  5. 子どもが寝ない原因とその対処法と寝かしつけのポイントまとめ

子どもが寝なくてイライラ!寝ない原因を知り寝かしつけをスムーズに

子育て中、多くの方が経験する悩みの1つが、子どもの就寝時間。
子どもがなかなか寝てくれずにイライラしてしまうという悩みです。

実際に、子どもの寝る時間は、年々遅くなっているようです。
2004年に東京都が実施した調査では、3歳児の60%以上が、夜10時以降に寝ると報告されています。
10年前には40%であり、この10年で20%も増加していることがわかっています。
これには、親の生活パターンや、塾通いなどが影響していると言われています。
このような夜更かし傾向が、肥満や発語の遅れの原因になるとも指摘されています※1が、何時に寝てどれくらいの睡眠時間を確保するのが理想なのでしょうか。

まず、何時に寝てればよいのかという点は、やはり夜9時ごろまでには寝かせられるのが理想だと言われています。
その理由の一つは、寝ている間の成長ホルモンの分泌にあります。
成長ホルモンは、午前0時ごろが最も分泌されており、熟睡中に多量に分泌することが分かっています
寝てから2~3時間で熟睡するため、夜9時ごろには寝かせられるのが良いと言われています。※1

 

もう1つの理由は、睡眠時間の確保にあります。
幼稚園や保育園、小学校がある場合、朝起きる時間は6時~7時ごろではないでしょうか。
3歳~6歳ごろの幼児に必要な睡眠時間は11時間前後だと言われており、その睡眠時間を確保するためには、遅くとも9時には寝なければ睡眠不足になってしまうのです。
夜9時に寝て朝7時に起きられれば、夜の睡眠時間は10時間確保できます。※2

夜だけで11時間の睡眠時間をとれなくても、昼寝の時間と合算して足りていれば大丈夫です。
5歳頃になるとお昼寝をしなくなると言われていますが、保育園に通っていると園によってはまだまだ1~2時間のお昼寝の時間がある場合も多いです。
体力や活動量によって個人差が大きいので、無理に5歳でお昼寝をやめなくても問題はないようです。
お昼寝をする場合には、午後3時までには切り上げましょう。※2

 

※1 荻野善之 2009年7月10日発行 赤ちゃんがストンと眠る100のコツ 主婦の友社
※2 谷田貝公昭 監修 2015年11月30日発行 イラスト版6歳までのしつけと自立 合同出版

子どもが寝ない5つの原因

夜9時までに寝かしつけたほうがよいことはわかっていても、なかなか寝てくれずにイライラすることもあるはずです。

しかしイライラしても逆効果。子どもはますます寝てくれません。

冷静に子どもの生活を見つめ、まずは子どもが寝られない原因がないかを探り対策をとりましょう。

 

子どもが寝ない原因1 運動不足

子どもが寝ない原因の1つは、日中の活動量の不足にあります。
昼間活発に活動すれば、子どもは深い眠りにつけるものです。※3
午前中の10時~12時は、最も体が活発に動く時間だと言われており、この時間に外遊びなどで体を動かすのがポイントです。※4
年齢にあった外遊びを取り入れてみてください。

 

子どもが寝ない原因2 お昼寝のし過ぎ

お昼寝が長くなると、寝る時間も遅くなってしまいます。

お昼寝は、午後3時を目安に切り上げましょう。

お昼寝のはじまる時間が遅くなってしまっても、同じ時間に起こすのがポイントです。

決まった時間にお昼寝から起きることで、生活リズムが安定します。

子どもの睡眠には、生活リズムを安定させることはとても重要なポイントです。※5

 

子どもが寝ない原因3 寝る直前にお風呂で温まりすぎる

寝られない原因は、寝る直前のお風呂で、体の芯まで温まってしまっているからかもしれません。
赤ちゃんは眠くなると手足があたたかくなります。
これは、手足の温度が上がることで、体の深部体温が下がり、眠りやすさが強くなる人間の特性の現れです。
この特性を活用すると、寝る前に体を軽くあたためておくことで、末梢血管がひらき、手足から熱が放出されやすくなり、体の深部体温がさがり眠りやすくなると言われています。
つまり、末梢血管が開く程度の、足湯などで体を温めることで、眠りやすくなるのです。
しかしこのとき注意が必要なのは、温まりすぎないこと。
深部体温があがってしまうほど、しっかりと入浴をしてしまうと逆効果なのです。
深部体温が上がりすぎて寝られないということになるので注意が必要です。

 

子どもが寝ない原因4 寝る前のテレビやスマホ

寝る前のテレビやスマホが熟睡を妨げることは、ご存知の方も多いのではないでしょうか
子どもも、テレビやスマホを見てしまうと大人以上に興奮してなかなか寝付くことができなくなります。
部屋の明かりやテレビの光や音が刺激となるので、寝る前にはできるだけ光や音の刺激を少なくするほうが良いと言われています。
また、ある研究では、スマホにはコーヒー2杯分もの覚醒効果があるとの報告があります。
脳が興奮してしまい、寝られないだけでなく眠りが浅く夜泣きなども起こりがちです。

子供のスマホとゲームへの向き合い方については、

の記事で詳しくご紹介しています。

スマホを見せないだけでなく、添い寝途中のネットサーフィンやメールチェックなども気を付けましょう。※7

子どもが寝ない原因5 朝も遅く、体内時計が乱れている

朝起きられず遅起きになってしまっていることで体内時計が乱れてしまい、なかなか寝られなくなってしまいます。

子どもに限らず人間の生物時計は、約25時間で動いていることが分かっています。

そのため、放っておくと夜型にシフトしがちだと言われています。

その25時間の生物時計は、朝早く起きて朝日を浴びたり、規則正しい生活を送ることで24時間に整えられているそうなのです。※8

朝、決まった時間にカーテンをあけて光を浴びる習慣をつけ、規則正しい生活を送ることで、体内時計が整い、夜はしっかり眠ることができるようになると言われています。

 

このように、夜、なかなか寝られない原因は、日中の過ごし方や寝る前の習慣にあるようです。

子どもがなかなか寝なくてイライラしてしまうのならば、1日の生活を振り返り、原因がなかったか探してみましょう。

1日の生活記録をつけておくと、寝ない日の傾向をつかむ参考になります。

 

※3 谷田貝公昭 監修 2015年11月30日発行 イラスト版6歳までのしつけと自立 合同出版
※4 子どもの生活リズムを整えるには|豊田市
http://www.city.toyota.aichi.jp/kurashi/kosodateshien/soudan/1003424/1003440.html
※6睡眠と体温|体温と生活リズム|テルモ体温研究所
view-source:http://www.terumo-taion.jp/health/sleep/01.html
※8三池輝久著 2011年5月15日発行 子どもとねむり<乳幼児編>メディアイランド

寝ない子どもにイライラは禁物!寝かしつけのポイント

1日の生活でできる対策を見直したところで、次に寝かしつけ時のポイントも押さえておきましょう。

ここでは今日からでもできる寝かしつけ前の3つのポイントをご紹介します。

 

家族全員一緒に寝るつもりで態勢を整える

子どもを寝かせて、後であれをしようこれをしようと思っていると、子どももそれを察して、なかなか寝かしつけがうまくいかないものです。

経験がある方も多いのではないでしょうか。

そうならないよう、一緒に眠るつもりでお布団に入りましょう

お父さんの帰宅時間が遅い場合、待っていて一緒に遊ぶのはやめましょう。

遊ぶと、脳が起きてしまい寝られなくなったり夜中に起きてしまったりしますので、お父さんの協力も必要です。※9

 

寝る30分前には寝る環境をつくる

寝ない原因でもご紹介したように、明かりやテレビがつけっぱなしのままでは、興奮してなかなか寝付けないものです。

寝る30分前には、明かりを暗くしてテレビを消し、寝られる環境に整えましょう

また、室内の温度や服装もチェックを忘れずに

ベッド?お布団?安全な寝室の環境と夏冬の布団対策

の記事でもご紹介している通り、寝る環境を整えてあげることも大事なポイントです。

大人と同様、暑かったり寒かったりすると寝られないものです。

大人にとって快適な室温であれば子供も大丈夫です。

赤ちゃんの時期などは特に着せすぎてしまう傾向があるようですが、暑すぎないか確認を。

室温と着るものや布団を見直してみましょう。※10

 

寝る前の儀式を決める

「これをしたら眠る」という決めごとを作ることも効果的だと言われています。
寝る前に絵本を読むという方は多いかと思いますが、それ以外のことでも大丈夫です。
ポイントとしては、やる内容や場所や人が、毎日同じようにできることかどうかです。
絵本を読むのであれば、同じ場所で同じ人が同じように読む方がパターン化し、子どもも絵本を読んだら寝るんだと認識しやすいのです。
この時のポイントが「声」です。
あまり興奮させないよう、淡々と静かな声で行いましょう。
明るい声で、楽しく絵本を読んでしまうと、子どもも楽しくなってしまい、寝る前の儀式が遊びに代わってしまいますので注意も必要です。

調査によると、寝かしつけの儀式を持つことは、0歳~幼稚園児は年齢にかかわらず一定の効果があったとされています。※10

自分の家庭にあった寝る前の儀式を決めて、1週間くらい試してみてください。

絵本の読み聞かせについての詳しい内容は

絵本の読み聞かせ♪ 赤ちゃんから始める効果と読み聞かせのコツ

の記事でもご紹介しています。

 

※9三池輝久著 2011年5月15日発行 子どもとねむり<乳幼児編>メディアイランド
※10主婦の友社 編集 2017年4月21日 0〜6才子どもがすぐにストン!と眠れる本 主婦の友社

寝かしつけ卒業!一人で寝られるようになるには

いつから一人で寝られる?

子どもがなかなか寝なくてイライラしてしまうと、いつになったら一人で寝てくれるんだろう?と思っている方もいるかもしれません。
一人で寝られるようになるのも、突然その日が来るわけではありません。
1つずつ段階を経て、一人で寝られるようになるものです。
平成15年に行われた調査によると、親の付き添いなく一人で寝られるようになるのは6歳半以降だとの報告があります。※11
それより前の、自我が芽生える4歳ごろからひとり寝の練習をはじめてみるとよいとされています。※12※13
布団メーカーのアンケート調査でも、3歳~6歳で親子同じ布団で寝ている割合は62.3%であり、別々に寝始めるタイミングは7歳~9歳との回答が43.9%だったとされています。
実態としては、小学校入学前後に一人で寝始める子が多いようです。※14

ひとり寝トレーニングのステップ

どの年齢で始める場合でも、一人で寝られるようになるには、下記のような段階があります。

 

  1. 添い寝をやめる
  2. 一人で布団に入る
  3. 一人で入眠できる
  4. 一人で起きられる

始めの段階では、布団に連れていくものの、添い寝はやめて、横に座ってトントンとしてあげたり絵本を読んだりと、寝る前の儀式を行います。

その後、布団に自分から入り、一人で寝られるように練習をしていきます。

一人で寝られるようになっても、添い寝していた時と同じく、寝る前の親子の時間はとるようにしましょう。※13

貴重なコミュニケーションタイムです。

 

一人で入眠できるということは、自分自身を寝かしつけるということ。

自分で行動し、一人で寝る不安や恐怖心を克服することで、自立心や強い心が育つと言われていますが、すぐに一人寝が完成するわけではありません。

できる日とできない日を繰り返しながら、完成していきます。※12

朝も、起こさなくても起きられるようになれば、睡眠の自立の完成です。

 

※11谷田貝公昭 監修 2015年11月30日発行 イラスト版6歳までのしつけと自立 合同出版
※12<川の字>で寝るのはOK、それともNG?|子育ち子育てLab|すまい・すまいる|積水ハウス
http://sumai-smile.net/lab_01_kosodachi/theme_03/page_03.html
※13清水悦子、 神山潤著 2011年11月24日 赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド かんき出版
※14201303ぐっすりtoハッピーモーニング -プレスリリース|京都西川
https://www.kyoto-nishikawa.co.jp/news/pressrelease/201303gussurimorning/

子どもが寝ない原因とその対処法と寝かしつけのポイントまとめ

子どもが寝ない原因とその対処法、寝かしつけのポイントから、一人で寝られるようになるひとり寝トレーニングまでをご紹介いたしました。

「夜9時までに寝かしけなければ!」と思っていてイライラしても、なかなか子どもは寝てくれません。

イライラするときは、子どもがなかなか寝ない原因が日中の生活になかったか、1日を振り返りましう。

さらに、寝かしつけの時には、親も一緒に寝てしまうくらいの態勢を家族で整え、30分前には明かりを落として、何か寝る前の習慣を儀式化しておきましょう。

それらを繰り返すうちに、子どもは寝られるようになるはずです。

 

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