絵本の読み聞かせ♪ 赤ちゃんから始める効果と読み聞かせのコツ

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幼稚園や保育園に入ると、日常的に行うのが、絵本の読み聞かせです。
小学生になっても、学校の活動の中に読み聞かせが組み込まれることがあります。
でも、赤ちゃんの頃から読み聞かせるのって、本当に必要なのかと思う人も、多いかもしれません。
ここでは、赤ちゃんへの絵本の読み聞かせがもたらす効果や、ママやパパが読み聞かせをする時のコツをお伝えします。

目次

  1. 絵本の読み聞かせには、どのような効果がある?
    • 幼児期の子供に読み聞かせ
    • 読み聞かせに期待できる効果
  2. 赤ちゃんへの絵本の読み聞かせに期待できる効果
    • 赤ちゃんに絵本って必要?
    • 読み聞かせに期待できる効果
  3. 赤ちゃんには、どのような読み聞かせが必要か
    • 赤ちゃんが喜ぶ、絵本の読み聞かせ方
  4. 家族みんなで楽しむ、読み聞かせの世界
    • ママが取り組む絵本の読み聞かせ
    • パパが取り組む絵本の読み聞かせ
  5. まとめ

絵本の読み聞かせには、どのような効果がある?

幼児期の子供に読み聞かせ

幼児は絵本が大好きです。※1
自宅ではあまり興味を示さない、読み聞かせをしていても違うことを始める、そんなことがあると、うちの子は絵本が嫌いなのではと、感じるママもいるのではないでしょうか。
しかし、これは子供があまり絵本に馴染みがなかったり、読み聞かせの時に怒られたことがあったりなど絵本に対して、良い思いを経験していないだけかもしれません。※1、※2
自分が選んだ絵本を読んでもらえない、ママが読んでくれても「ちゃんと見なさい」や「お話を聞きなさい」などと怒られると、子供は絵本を怖いもの、退屈なものと感じるようになります。※2、※3、※4
子供にとって絵本は、読むだけではない、子供なりの楽しみ方があるのです。


絵本の読み聞かせの途中でも、絵本の内容とは全く関係ないお話を作り出したり、読んでもいないページをどんどんめくったりする子供は、絵本の意味などないように思えますが、実は絵本から多くの事を感じ取っています。
お姫様が登場する絵本、テレビでみるキャラクターが登場する絵本、美味しそうなお菓子にかっこいい車の絵本など様々な絵本がありますが、ママが毎日楽しく絵本を読んであげれば、子供も絵本が大好きになります。
絵本に無理矢理触れさせるのではなく、慌てず絵本を楽しむ習慣をつけていきましょう。※3、※4 

 

読み聞かせに期待できる効果

脳は使えば使うほど、機能が高まります。
何度も書くことで覚える漢字と同様、脳も使うことで働くようになります。
同じように心も、喜怒哀楽をしっかり体験しないと、正しく機能するようにはなりません。
人間の子供は親に守られているため、怖い思いや、楽しい、嬉しいなどの感情は、親の働きかけがなければ体験できません。
子供たちは絵本での読み聞かせを通して、楽しさや嬉しさ、怖さ、悲しさなどの体験をし、心を育てていくのです。  ※2、※3、※4

 

さらに、絵本の読み聞かせは、対人関係の基盤作りにも効果があります
絵本を通して主人公の気持ちを考えたり、主人公になることで自分以外の登場人物を思いやる気持ちが育っていきます。
また、絵本のお話には無い、その後の話(話の続き)や、「もしも~していたら」などという、想像力や空想力も養われ、創造性の発達にもつながっていくのです。  ※2、※3、※4

また、読み聞かせの効果として、親子の絆づくりという大きなものもあります。
子供は気に入ると同じ本ばかり読んでとせがむようになるのですが、何度読んでも同じところで笑い、同じところでびっくりします。
親は何度も同じ場所で笑う子供に、明日はもっと笑わせてやろう、もっと驚かせてやろうと読み方にも工夫を重ねるようになります。
そのため、親は子供の様子をしっかりと見るようになり、読み聞かせを通じて子供をよく観察する習慣がつき、褒めることも増えます


このような連鎖はよい親子関係を生み出し、しっかりとした親子の絆となっていきます。※2、※4

他にも、絵本を見ることで子供は文字を教え込まれるのではなく、遊びを中心とした生活の中で自然と文字を覚え、一人でも読めるようになっていきます。
絵本の中の正しい日本語は、言語の発達を助け、自然と子供の語彙も増えていきます
語彙が増えると、子供は親以外の人とのコミュニケーションもとりやすくなり、小学校へあがってからも教科書の内容を理解しやすくなるため、お勉強が楽しくなります。
語彙が増えることは、このように良いことがたくさんあります
小さな頃からの読み聞かせは、思っている以上に良い効果があるのです。※2、※3、※4

※1 文部科学省 絵本や物語の読み聞かせ http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/youji/asobou/try/yomikikase.htm 
※2 田島信元ら編集 2018年4月発行 歌と絵本が育む子どもの豊かな心:歌いかけ・読み聞かせ子育てのすすめ ミネルヴァ書房
※3 無藤隆編著 2018年4月発行 幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿 東洋館出版社
※4 渡邊暢子・喜多濃定人編著 2018年5月発行 選ばれる園になるための子育て支援 チャイルド社

赤ちゃんへの絵本の読み聞かせに期待できる効果

赤ちゃんに絵本って必要?

赤ちゃんに絵本を読んでも仕方がないと思っていませんか?
でも実は、ママのお腹の中にいる時(妊娠7か月前後)から、赤ちゃんの耳にはしっかりと声が聞こえているのです
赤ちゃんは生まれる前から、ママの声を一番近くに感じていることになります。
生まれてきた赤ちゃんは意外にも聞き耳を立て、周りの音や声などを喜んだりしているのです。※2、※3、※4

 

では、赤ちゃんの視力はどうでしょう。
生まれてすぐから赤ちゃんは周りがしっかりと見えているわけではありません。
成長とともに赤ちゃんの視力は発達し、月齢を重ねるごとに次第にはっきりと見えるようになっていくのです。
生後5か月くらいの赤ちゃんは「追視」を始めますから、この頃には「目の前の何かが動く」ことを、認識していることになります。
視覚は、目で見たものを脳で処理し、認識してはじめて「見える」となります。
しかし、生まれたばかりの赤ちゃんでも光を感じることができるのです。
ママやパパは赤ちゃんに絵本なんて無駄だとは考えず、視力を鍛える刺激になると捉えることが大切だと考えておくと良いでしょう。  ※2、※3

 

また、赤ちゃんの触覚では指先がもっとも敏感な器官であり、痛い、冷たい、温かいなどさまざま刺激を感じることが出来ます
絵本には、タオルでできたふわふわ絵本など、触って楽しむものがあります。
ふわふわ、つるつる、さらさらなど、いろいろな感触に触れる感触遊びなどを楽しみましょう

まだまだ何もわかっていないように見える赤ちゃんでも、日々成長を続け、いろいろな事を吸収しているのです。
赤ちゃんは絵本の面白さを耳や目、指先など全身で感じ、全身で喜ぶことができます。
赤ちゃんは小さな幼児です。
しっかりと絵本の素晴らしさに触れさせてあげてください。 ※2、※3

 

・赤ちゃんの成長についての詳しい内容はこちらの記事でもご紹介しています。

子供の成長についておさらい!こんなに早い!赤ちゃんから幼児まで

 

読み聞かせに期待できる効果

赤ちゃんはまだ言葉も理解しているようには思えないし、絵や写真を見せても何の反応もしていないように見えるかもしれません。
赤ちゃんに絵本を読んで、どのような効果があるのだろうと、疑問に思っている方もいるでしょう。
赤ちゃんへの絵本の読み聞かせで期待できる効果とは、どのようなものなのでしょうか。

絵本の中の日本語は、綺麗な言葉がたくさんあります。
ママやパパの声で読んでもらえる綺麗な日本語の絵本で、赤ちゃんの耳や脳は、言葉の使い方を覚えていきます
また、この時にお話を聞くという集中力と、読み書きにつながる言語力を養っていきます。※4

 

さらに、絵本を読むママやパパと、読んでもらう赤ちゃんは、読み聞かせという時間の中で親子のコミュニケーションをとっています。
一緒に同じ本を共有し、顔や体が近づいたり、声をかけたりする時間はとても温かな空間となります。
このような温かな空間で絵本の物語を聞き、たくさんの絵を見ることは、赤ちゃんにとって心地よいものとなり情緒が安定しますし、本が好きな子にもなっていくでしょう
絵本は赤ちゃんにとってお勉強でもあり、遊びでもあります。
赤ちゃんに絵本をたくさん読んであげて、脳の発達や、感受性を育ててあげましょう。※2、※3、※4

※2 田島信元ら編集 2018年4月発行 歌と絵本が育む子どもの豊かな心:歌いかけ・読み聞かせ子育てのすすめ ミネルヴァ書房
※3 無藤隆編著 2018年4月発行 幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿 東洋館出版社
※4 渡邊暢子・喜多濃定人編著 2018年5月発行 選ばれる園になるための子育て支援  チャイルド社

赤ちゃんには、どのような読み聞かせが必要か

赤ちゃんも、実は絵本が大好きです。  
0歳のねんねの頃からでも、絵本が早すぎるということはありません。
自信を持って、赤ちゃんに絵本を読んであげて、コミュニケーションを楽しみましょう。 ※1、※2
しかし、0歳の赤ちゃんにはどんな本を読んであげるのがよいのか、迷ってしまいます。
そこでおススメするのが擬音語の多い音やリズムを楽しめる本です。 ※4
乗り物のブーブーやガタンゴトンといった擬音が繰り返されるものや、わんわんといった動物の鳴き声が繰り返されるもの、一冊にいろいろな音が詰まった絵本など、種類はたくさんあります。
どの絵本もパッと目を引くカラフルで素敵なものです。
また、題名だけで選ぶのではなく、実際に本を手にし、絵やストーリーなどを見て、赤ちゃんに読んであげたいと思う一冊を選ぶことも大切です。
図書館などでいろいろな本を借りて、赤ちゃんのお気に入りを是非見つけてあげてください。
赤ちゃんの大好きな本を見つけてあげることは、本が好きな子になるための第一歩でもあるのです。※2、※4

 

赤ちゃんが喜ぶ、絵本の読み聞かせ方

赤ちゃんと一緒に絵本の物語の世界に浸りながら想像の世界を楽しむためには、はっきりとした発音で、絵を見ながら赤ちゃんへの会話も織り交ぜて、ゆったりとした温かな雰囲気の中で読み進めていくことが大切です。
ただ絵本を読み進めていくのではなく、絵本でりんごの絵があれば「美味しそうだね」や、うさぎの絵があれば「可愛いね」など、会話をするようにしましょう。


また、絵本の内容はいろいろなので、内容に合わせてリズミカルに言葉を紡ぎだしたり、時には表情や声にも変化をつけ、物語の展開に心を踊らされるような読み方を工夫しましょう。※2、※3
絵本の楽しさを赤ちゃんと共有し、赤ちゃんのペースで絵本を楽しむことも大切です。
赤ちゃんが絵のページをどんどんめくっていくのであれば、そのペースで大丈夫です。
この時期の絵本の読み聞かせは、赤ちゃんに絵本の内容を理解させようと思うのではなく、赤ちゃんと遊ぶくらいのゆったりとした気持ちを心がけてください。
赤ちゃんが集中していない、と焦る必要はないのです。※3、※5

 

また、赤ちゃんが絵本を触ろうとした時は思う存分に触らせてあげましょう。
赤ちゃんが絵本に触ろうとしているのは、絵本に興味を持ったという事です。
赤ちゃんが気に入った本は購入し、いつでも赤ちゃんが好きなように楽しめるようにしてあげると良いでしょう。※5

※1 文部科学省 絵本や物語の読み聞かせ http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/youji/asobou/try/yomikikase.htm 
※2 田島信元ら編集 2018年4月発行 歌と絵本が育む子どもの豊かな心:歌いかけ・読み聞かせ子育てのすすめ ミネルヴァ書房
※3 無藤隆編著 2018年4月発行 幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿 東洋館出版社
※4 渡邊暢子・喜多濃定人編著 2018年5月発行 選ばれる園になるための子育て支援  チャイルド社
※5 児玉 ひろ美 著 2016年4月発行 0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド: よくわかる! 絵本の選び方・読み方 (教育技術MOOK 新幼児と保育) 小学館

家族みんなで楽しむ、読み聞かせの世界

ママが取り組む絵本の読み聞かせ

ママの妊娠中に胎児が聞こえる外の音は、ママの血流と混ざって聞こえています。
つまり、はっきり聞こえるのは胎内に直接響いてくる、ママの声がほとんどです。
生まれたばかりの赤ちゃんでも、ママを声で認識することができるのはこのためであり、赤ちゃんは絵本をママの声で読んでもらうことが大好きです。
尚、赤ちゃんの聴力は大人に比べると聞き取れる範囲はせまいのですが、男性の発する声よりも女性の発する高めの声の方が聞き取りやすいといわれています。 ※3、※5

赤ちゃんへの読み聞かせは、まず赤ちゃんのご機嫌のよさそうな時から始めましょう。
絵本を赤ちゃんに渡すだけでは、それが何なのか赤ちゃんには分かりません。
何度も絵本を読み聞かせているうちに、物の形や色が認識できるようになった赤ちゃんは、ママの声と絵本の内容が同じであることに気がついていくのです。
確かに0歳では、初めは文字も絵も分かりませんが、絵本を読み聞かせてくれているママの声は、お腹の中にいた時から毎日聞こえてきた声なので、赤ちゃんには心地の良いものです。
ママは赤ちゃんの様子を観察しながら、読み聞かせを進めていきましょう。  ※3、※5

 

赤ちゃんは、赤ちゃんなりの楽しみ方で絵本を楽しんでいます。

読み聞かせを行う時は、赤ちゃんの表情や手の動きなどから、心の動きを感じ取るようにしましょう。
赤ちゃんが反応を示したときには、それに応えながら読み進めていくことが大切です。※3、※5

 

パパが取り組む絵本の読み聞かせ

では、パパなどが行う読み聞かせはどうでしょうか?
もちろん、パパの読み聞かせも赤ちゃんは大好きですし、赤ちゃんに絵本を読み聞かせる効果もあります。
長時間一緒にいるママの声とは違うパパの声は、赤ちゃんにとって新鮮であり、集中力も高まります
ママとは違うパパとの言葉のやりとりは、赤ちゃんへの新たな刺激となりうるのです。
また、パパ自身も赤ちゃんとのコミュニケーションが取れることで父親としての自覚が芽生えてきます。
ママとの違いでは、例えば身振り手振りがママよりも大きい、動物の鳴きまねがママよりも上手いなど、パパならではの絵本の読み聞かせを是非行ってみて下さい。

赤ちゃんへの絵本の読み聞かせは、赤ちゃんとのコミュニケーションの一つとして、日常的に取り入れてみましょう。
毎日一冊の絵本を読むだけでも親子の絆は深まり、赤ちゃんだけではなく、読んでいるママやパパも同じ世界を共有できる、素晴らしい時間となるでしょう。  ※4、※5

※1 文部科学省 絵本や物語の読み聞かせ http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/youji/asobou/try/yomikikase.htm 
※3 無藤隆編著 2018年4月発行 幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿 東洋館出版社
※4 渡邊暢子・喜多濃定人編著 2018年5月発行 選ばれる園になるための子育て支援  チャイルド社
※5 児玉 ひろ美 著 2016年4月発行 0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド: よくわかる! 絵本の選び方・読み方 (教育技術MOOK 新幼児と保育) 小学館

まとめ

書店で0歳児向けの絵本を探すと、カラフルな色、大きな文字の絵本が見つかります。
1ページあたりの文字数が非常に少なく、あっという間に読み終わってしまうかもしれません。
でも、赤ちゃんからみれば、大好きなママがお話しして、遊んでくれているのと同じです。
絵本の読み聞かせは、そのまま赤ちゃんとのコミュニケーションにも繋がります。
たまにはパパも参加して、読み聞かせを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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